恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十一話 ゲーニッツ、暴れ回るのことその十
その彼等を見てだ。ゲーニッツも竜巻を止め楽しげな笑みで言った。
「おや、早速ですか」
「ああ、手前がいるのならな」
「戦わせてもらうわ」
草薙と神楽は二人並んでいる。無論その横には八神もい。
「オロチ一族の中でもずば抜けた強さを持つ手前はな」
「ここで封じておきたいから」
「死ね」
八神はゲーニッツを見据えて告げた。
「この俺が焼き尽くしてやる」
「おやおや、物騒なことですね」
ゲーニッツはその彼等にも楽しげな笑みを浮かべる。
「しかしそれがいいです」
「いっていうのかよ」
「戦いは最高の娯楽です」
その考えが実によく出ている言葉だった。
「それが思う存分楽しめるのですから」
「へっ、オロチは何処に行ってもオロチだな」
草薙は八神の今の言葉に目を鋭くさせる。
「戦いが好きなんだな」
「戦いは好きです」
ゲーニッツもそのことを否定しない。不敵な笑みと共に。
だがそのうえでだ。こうも言うのだった。
「しかしそれ以上にです」
「破壊か?それとも混沌か?」
「自然の。世のあるべき姿が好きなのです」
不敵なものをさらに深くさせて。そうして言うのであった。
「それが私達です」
「オロチかよ」
「そう、オロチの力をこの世界でも出しましょう」
こう言ってだ。三人が囲むのを見ながらだ。
悠然とだ。また右手をスナップさせた。するとまただった。
竜巻が起こった。それが三人を襲う。
「さあ、はじめましょう!」
「いつものことだな」
八神はその竜巻を両手でガードしつつ防ぎながら言った。
「貴様の攻撃は」
「おや、わかっているというのですか」
「一度戦えばわかる」
そうだというのだ。
「貴様のやり方もだ」
「だからこそ慣れているのですか」
「そういうことだ。ではだ」
竜巻を防ぎそのうえでだ。
八神は右手を下から上に振った。それと共にだ。
「どうした!」
この言葉を叫んだ。すると地面に青い炎が起こり。
地を走りゲーニッツに向かう。それは草薙も同じだった。
「喰らえーーーーーーっ!」
彼は左手を大きく下から上に振った。彼の炎は赤い。
その二つの炎がゲーニッツに向かう。それで焼こうとする。
だがその炎はだ。二つの竜巻によって。
打ち消された。ゲーニッツも読んでいたのかすぐに竜巻を起こしたのだ。
その二つの炎を消してからだ。ゲーニッツは悠然として言うのだった。
「御見事です」
「どうやらな」
「前よりも強くなってるみてえだな」
二人はゲーニッツのその動きを見てこのことを察した。
「これはかなりな」
「殺しがいがある」
「さて、お二人の他にもですね」
ゲーニッツは神楽も見た。そのうえでまた言う。
「貴女もまた」
「姉さんの仇、いえこの世界においても」
「私を封じるというのですね」
「そうさせてもらうわ」
こう言ってだ。舞を舞う様にしてだ。
一気に間合いを詰め攻撃を繰り出す。そこに草薙と八神もだ。
「ボディがら空きだぜ!」
「ぐうううおおおおおおおおっ!死ねえええええええっ!」
突進する。三人の戦いが続く。
そしてだ。刹那にはだ。
守矢が剣を手にしてだ。そのうえで対峙していた。
「今度は月には手を汚させん」
「貴様だけでか」
「必要とあらばな。しかしだ」
「しかしか」
「私だけではない」
彼がだ。こう言うとだ。
ページ上へ戻る