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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十一話 ゲーニッツ、暴れ回るのことその三

「だったら。やるか」
「陣に戻ってからね」
「よし、じゃあ戻ろう」
 また言うアルフレドだった。
「まずはね」
「よし、それじゃあ本陣に戻って」
「報告しよう」
「しかし。フリーマンやそうした連中もいるなんてね」
 アルフレドは赤髪の怪しい男の姿も確認していた。
「それにホワイトにルガールも」
「それにネスツとかもだろ?そっちの世界の連中も」
「一杯いたけれど」
「うん、向こうもオールスターだよ」
 いい意味でのオールスターではない。逆の意味である。
「これは大変な戦いになるね。わかっていたけれど」
「楽しい戦いになるぜ」
「うん、とてもね」
 アルフレドと彼等の感性は違っていた。だがそれでもだった。
 彼等は一旦陣に戻りだ。そのうえで全てを報告した。ホワイトの話を聞いて怒ったのはビリーだった。
「あいつまで来ていたのかよ」
「うん、いたよ」
 大地に戻っていたアルフレドは怒るビリーにさらに話す。
「勿論他にもね」
「フリーマンねえ」
 ジェニーはフリーマンについて言及した。
「生きているとは思っていたけれどね」
「こっちの世界にも来ていたか」
 ロックも忌々しげに話す。
「それならな」
「倒す。選択肢はこれだけよ」
 ジェニーの言葉は至ってシンプルだった。
「そうしましょう」
「さて、それではだ」
 関羽が一同に言う。
「出陣だ。我々は別働隊として行く」
「別働隊は劉備さんの軍全部と董卓さんの軍の精鋭だったよな」
「うむ、そうだ」
 ビリーに答える関羽だった。
「そして貴殿等の世界の精鋭達もだ」
「私もそれに参加する」
「私もだ」
 ギースとクラウザーだった。華陀と行動を共にする彼等も参加しているのだ。
「そうさせてもらう」
「是非な」
「まさかここでギース様と出会うなんてな」
 ビリーはいささかバツの悪い顔で苦笑いを浮かべた。
「おられるとは思っていたけれどな」
「実は我々もだ」
「いたりするのだ」
 サングラスの二人の男だ。一人はスキンヘッドである。
「実はギース様とだ」
「行動を共にしてたのだ」
「誰なんだよ、あんた達」
 アクセルがその二人を見て怪訝な声で問うた。
「急に出て来たけれどよ」
「まさかと思うが劉備殿のところにいる」
 ローレンスはよりによって彼女の名前を出す。
「あの何とかとかいう」
「ええと、西園寺だったかな」
 アルフレドはこの名前を出してしまった。
「ワールドだったっけ。その人だよね」
「ああ、あの白馬に乗ってるか」
「あの人だったな」
 アクセルもローレンスも彼女の名前を覚えていない。覚えられないのだ。
「何か影が薄くてな」
「いることすら気付かないが」
「そういう人っているからな」
 勿論ビリーも知らない。知らないうえでの言葉だ。
 そしてあらためてだ。彼は二人を一同に紹介した。
「ホッパーとリッパーっていうんだよ。俺よりもずっと古くからギース様の側近を務めているんだよ」
「では悪人なのだ」
 張飛はすぐにこう断定した。ギースのことは彼女も聞いているのだ。
「悪い奴の手下なら悪い奴に決まっているのだ」
「否定はしないが」
「そこまで率直に言うのか」
「けれど悪い奴なのだ。その姿が何よりの証拠なのだ」
 黒いスーツにサングラス、二人の姿は如何にもだった。これでは否定のしようがない。しかもその全身から出ているオーラもだ。そのものだった。
 
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