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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十一話 ゲーニッツ、暴れ回るのことその二

「わしをあそこに行かせたのか」
「そうです。朧さんには下地を作ってもらいました」
「ああして乱を起こしてじゃな」
「若し赤壁でことが為らなければです」
「北で起こすか」
「あの地全体に。私の世界の念を直接つなげさせています」
「それは俺がした」
 左慈も出て来た。やはり影の如く。
「俺達の仲間達の力も使ってな」
「そちらの世界のじゃな」
「そうだ。そうした」
 左慈は朧の問いに答える。
「赤壁でしくじったらすぐにそれをはじめてだ」
「そこで決戦を挑みです」
 于吉もこのことを話す。
「彼等を消し去りこの地に負の念を送り込み」
「この世界を破壊と混沌が支配する世界にするんだな」
「はい、貴方達も望まれるそうした世界にです」
 于吉は社に話すのだった。
「そのつもりです」
「俺達はあれなんだよ」
 社は完全にオロチ、人とは違う存在として話すのだった。
「人間の世界、文明ってやつをな」
「否定されていますね」
「ああ、言うなら俺達は自然そのものなんだよ」
「自然、破壊と混沌ですね」
「俺達が考える自然はそれだ」
 それはだ。原初であった。そうした意味での自然なのだ。
「そういうものだからな」
「だからこそですね」
「あんた達もそもそもそうだよな」
「はい、私達はそれと自然と呼びませんが」
「目指すものは同じだな」
「邪神、そうした言葉がありますが」
 于吉はだ。そうした言葉も出したのだった。
「私達をそう呼ぶ言葉もありました」
「邪神か」
「ははは、よい響きの言葉です」
 その邪神という言葉を喜んでさえいる于吉だった。
「人間の世界、下らない世界なぞ破壊するべきですから」
「そういうことです。文明なぞ唾棄すべきものです」
 礼儀正しい。だがそこにあるものは無限の侮蔑、それがゲーニッツの言葉だった。
「人はそれを知りあらゆるものを忘れ歪んできました」
「だからなんだな」
「はい、私達はその文明を根絶します」
 ゲーニッツもまたオロチとして話す。
「そしてその一環として」
「俺も働かせてもらう」
 刹那だった。この男もいた。
「この世を破壊し。常世とつなげる」
「この世を冥府にされますね」
「それもまた破壊と混沌だな」
「はい、そうです」
 于吉は刹那のその考えもよしとするのだった。
「その通りです」
「ではだ。そうさせてもらう」
「是非。そうして下さい」
 にこやかに刹那の言葉を認めるのだった。
「それもまたよしです」
「そうね。破壊と混沌はいいもの」
 ミヅキまで来た。異形の者達が揃った。
「それにこそ真実があるもの」
「さて、それではです」
「進みましょう」
 こう話してだった。彼等は戦に挑むのだった。今戦いがはじまろうとしていた。そしてその彼等の上でだ。空を飛ぶ者達がいた。
 アルフレドに乱鳳、それに眠兎だった。普通に空を飛びだ。白装束の軍を上から見てだ。そのうえで話をしていた。
「やっぱり多いね」
「五十万、普通にいるな」
「しかも全員揃ってるよ」
 三人はそれぞれ話す。
「何か他にもいるみたいだけれどね」
「ちっ、隠れてるのかよ」
「相変わらずずるい奴等ね」
「それでもね」
 アルフレドは乱鳳と眠兎にまた話す。
「この戦いには絶対に勝たないといけないからね」
「っていうか負けるのは大嫌いだからな」
「あたしもね」
 責任感はないがこうした考えは持っている二人だった。
 
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