恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第九十話 孔明、秘策を授けるのことその二
「やっぱりそいつも国一つ潰せる位の強さがあるんだよ」
「洒落になっとらんな」
張遼はここまで聞いて思わず言った。
「そんなやばい奴等がごろごろってな」
「しかも刺客みたいな奴等が五十万」
「尋常でない戦いになるな」
「絶対に」
全員でこう話していく。しかしここでだ。
本陣にだ。袁紹軍の士官が一人入って来てだ。そうして報告するのだった。
「只今妖怪が二匹出て来ました」
「あいつ等ね」
曹操は話を聞いてだ。瞬時に顔を真っ青にさせて述べた。
「生きていたのね」
「死んで欲しかったのですが」
「全くです」
筍氏の叔母と甥も言うのだった。
「そうおいそれとは死にませんか」
「迷惑な話です」
「殺しても死なない連中だから」
曹操も始末することは諦めていた。無理だとわかっているからだ。
それでだ。仕方なくだ。盟主の袁紹に話すのだった。
「覚悟が必要よ」
「妖怪登場ですわね」
「そうよ。麗羽は知らなかったわね」
「貴女から聞いていますけれど」
曹操からだ。事前に情報は聞いているのである。
「それ以上ですのね」
「百聞は一見にしかずよ」
「まあ。妖怪とはいっても」
袁紹は比較的楽観していた。それが言葉にも出ている。
「大したことはありませんわね」
「あの、そう思うとです」
「大変なことになりますよ」
視覚的に記憶がある顔良と文醜が主に話す。
「多分。その妖怪達は」
「あたい達何か嫌な記憶がありますから」
「ですから。幾ら妖怪といいましても」
袁紹は二人の言葉にいぶかしむ顔で返すのだった。
「それでも別に何もかも破壊したりはしませんわね」
「あの、それはかなり甘いと思います」
周泰もその妖怪達が誰なのか察して袁紹に話す。
「おそらく。その妖怪さん達は」
「何かわかりませんが通しなさい」
袁紹は彼等について何も知らないまま命じる。
「宜しいですわね」
「覚悟しておきなさい」
袁紹だけでなく本陣にいる全員への言葉だった。
「何があっても怒らないことね」
「だから何だってんだよ」
ダックがその曹操に飄々と返す。
「妖怪が怖くて何ができるってんだよ」
「その言葉後悔するわよ」
曹操は真顔でそのダックに返す。
「それでもいいわね」
「わかんねえな、本当に」
「全くだな」
ダックにビッグベアが応えて話す。
「だから妖怪っていってもな」
「今俺達の前にいる奴等よりずっとましだろ」
「そう思っていればいいのだが」
「後悔はしないでくれ」
真顔で彼等に話す夏侯姉妹だった。そうしてだった。
彼等が将校に案内されて本陣に来た。その瞬間だった。
「あら、皆集まってるのね」
「あたし達の美貌を見に来たのね」
妖怪達はそれぞれの身体を不気味にくねらせながら話す。
「それじゃあサービスして」
「皆に。これをプレゼントよ」
こう言ってだ。妖怪達は周囲にウィンクと投げキッスを捧げる。すると。
その瞬間にだ。天幕の中において。
大爆発が起こりだ。誰もが吹き飛ばされるのだった。天幕の中は忽ちのうちにぼろぼろになってしまった。
その中からようやく立ち上がりだ。ガルフォードが言った。
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