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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第九十話 孔明、秘策を授けるのことその一

                          第九十話  孔明、秘策を授けるのこと
 連合軍は都に来た。しかしであった。
 その前にいる謎の一軍を見てだ。彼等は進撃を止めてだ。そのうえでだった。
 本陣の天幕に集いそのうえで。これからのことを話し合っていた。
「数は五十万」
「対することはできる数だけれど」
「敵の氏素性がわからない」
「そのことがな」
「参ったわね」
「刹那達のことならわかってるよ」
 楓がこう一同に話す。
「そして常世のこともね」
「アンブロジアのこともな」
 今度は覇王丸が話す。
「わかってることはわかってるぜ」
「そのことはいいのですが」
 呂蒙が不安に満ちた顔で述べる。
「問題はあの白装束の一団です」
「敵の主力になってるわね」
「敵兵は殆んどがそれよ」
 辛姉妹が話す。
「あの連中の正体がわからないから」
「迂闊に手出しができないわね」
「二度程戦っていますけれど」
 盟主の座にいる袁紹が眉を顰めさせながら話す。
「兵というよりあれは」
「刺客ね」
 曹操も言う。
「そういった感じよ」
「確かに。あれは」
「兵の動きではありませんでした」
 夏侯姉妹もそのことについて頷く。
「妙に俊敏で抜け目なく」
「剣呑なものがありました」
「そうですね。あれはまさに」
「兵の動きじゃ絶対になかったよな」
 顔良と文醜もこう言うのだった。
「五十万の刺客ですか」
「嫌な戦になりそうだな」
「それだけじゃねえぜ」
 草薙が鋭い顔で一同に話す。
「そのオロチだよ。オロチのなかにな」
「何かいた?」
「誰かが」
「青い丈の長い服の奴いただろ」
 こうこちらの世界の仲間達に問うのだった。
「顎鬚生やしていてな」
「はい、いました」
 諸葛勤が答える。
「報告にあります」
「そいつな、ゲーニッツっていうんだよ」
 その男の名前をだ。話すのだった。
「吹き荒ぶ風のゲーニッツな」
「私の双子の姉さんを殺した男」
 神楽はその目に怨みを宿して話す。
「その男もいるのね、やっぱり」
「あいつは尋常じゃなく強い」
 草薙の声は警戒するものだった。
「バケモンだ。まさにな」
「そいつまさかと思うけど」
 張遼がその草薙に問う。
「うち等が束になってもって位かいな」
「あいつ一人で国潰せる位の力はあるな」
 そこまでの力があるとだ。草薙は言い切った。
「呂布でも一人じゃ絶対に勝てねえな」
「嘘を言うななのですっ」
 陳宮は草薙の今の言葉にすぐに反論した。その両手を拳にして顔は怒っている。
「恋殿に勝てる奴なんていないのです」
「ねね、それは違う」
 だが呂布自身がだ。隣にいるその陳宮に話すのだった。
「恋より強い奴もいる」
「そんな、恋殿より強い奴なんて」
「感じる。その連中が敵にいる」
 表情は変わらない。しかしその目の光は強い。
「そのゲーニッツって奴だけじゃない」
「ああ、残念だけれどな」
 その通りだとだ。今度は覇王丸が話すのだった。
「そのアンブロジアの巫女のミヅキって奴もな」
「尋常でない強さなのです?」
「洒落になってねえ」
 真顔で陳宮に話すのだった。
 
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