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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十九話 闇達、姿を現すのことその十

「黒姫とかも言われておるしな」
「あとあれよね」
 孫尚香はこんなことも言う。
「曹操のところの眼鏡の軍師とやけに仲がいいのよね」
「あれは運命の出会いじゃ」
 黄蓋も言い切る。
「まさにじゃ」
「運命、ね」
「偶像支配者じゃったかな」
 不意にだ。こうした言葉が出て来た。
「まさにあれじゃな」
「偶像支配者?」
「うむ、おそらくその縁じゃ」
 そうだとだ。黄蓋は孫尚香に話す。
「それでじゃな」
「多分あれよ」
 孫策もその話に乗ってきた。
「張勲も話に加わってるわね」
「その偶像に?」
「そうよ。その世界にね」
「何か知らないけれど深い関係なのね」
 そのことは孫尚香もわかったのだった。
「あの三人は」
「かなりね」
 まさにそうだと話す孫策だった。
「ちょっと。入られないものがあるのは確かね」
「ううん、色々と複雑なのはわかったわ」
 それはだと話す孫尚香だった。
「あの三人はそっとしておかないとね」
「というか間に入ったら洒落にならないことになるわよ」
「そうじゃな。あの三人はのう」
 孫策だけでなく黄蓋も話す。
「しかも三角関係だし」
「さらに困ったことにじゃ」
「何か。余計に酷い話だけれど」
「だから。そっとしておくに限るわ」
「離れた場所で見ておくことじゃ」
 こう言ってだ。彼女達も三人についてはそっとしておくことにした。そしてである。
 その頃張三姉妹は相変わらずのどかに旅芸人を続けていた。
 馬車の中でだ。張角が言うのだった。
「ねえ、何かね」
「何か?」
「何かって?」
「曹操さんからお手紙来てるけれど」
 こう妹達に言うのである。
「洛陽に来てくれって」
「ああ、そういえば曹操さん達って今」
「戦をしてるわね」
 張梁も張宝も気付いて言う。
「それで洛陽に向かっていたな」
「それじゃあ洛陽に辿り着けたのね」
「よかったわよね」
 張角はそのことににこりとして言うのだった。
「これで戦が終わるのかしら」
「まあ。洛陽に辿り着いたってことは勝ってることだから」
「順調にいっていることは確かね」
「そうよね。じゃあこのまま行こう」
 張角はお菓子を食べながら妹達に話す。
「都にね」
「うん。じゃあ今からね」
「一緒に行こう」
「皆にも声をかけよう」
 親衛隊の面々にだというのだ。
「それですぐに都に行ってね」
「都に行って?」
「それで。どうなの姉さん」
「美味しいもの一杯食べよう」
 ここでも張角だった。能天気にこんなことを言うのだった。
「御馳走が待ってるわよ」
「だから。姉さんはまずそこなのね」
「相変わらず食べることばかり考えてるのね」
「大丈夫、お姉ちゃん太らないから」
 だからいいと話すのだ。本当に相変わらずである。
 
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