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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十九話 闇達、姿を現すのことその九

「軍も整えて山越を下して交州も治めて」
「やることばかりじゃった」
「それで久し振りに来たわね」
「これで戦でなければ」
「まことによいのですが」
 二張もいる。そのうえで孫策達に話すのだった。
「しかしそれは言ってもはじまりません」
「まずはです」
「うむ、戦じゃ」
 黄蓋はその都を見ながら話す。その南には。
 大軍が展開していた。その者達は。
「五十万というところじゃな」
「多いわね」
 孫尚香もその敵を見て言う。
「これはちょっとやそっとじゃ勝てないかしら」
「それでだけれどね」
 どうするか。孫策は妹に話す。
「ちょっと作戦会議に入るわよ」
「じゃあ行ってらっしゃい」
 孫尚香は姉達を送り出そうとする。しかしだ。
 ここで孫策は末妹にこう言うのだった。
「ああ、小蓮もよ」
「シャオも?」
「そう、あんたも会議に出てもらうわよ」
「またどうしてなの?」
 そう言われるとだ。孫尚香は首を捻ってだ。こう言うのだった。
「シャオもって」
「今回はかなり派手な戦になるからね」
「それで意見を言えっていうのね」
「言いたければね」
 そうしろというのだ。そうした話をしてからだ。
 孫策はあらためてだ。末妹にこんなことも述べた。
「この戦いは激しい戦いになるわよ」
「敵の数が多いから?」
「いえ、面子もどうもね」
「何かあかり達の世界の怪しい奴等もいるみたいだけれど」
「それよ。連中は強いわよ」
 孫策の顔が引き締まる。真剣なものになっての言葉だ。
「それも尋常じゃないわよ」
「オロチとか刹那よね」
「この世界をどうにかできるような奴等よ」
「ううん、そんな奴等との戦なのね」
「だからよ。相当激しい戦いになるわよ」
「ははは、腕が鳴るのう」
 この中でも陽気に笑う黄蓋だった。
「わしの弓が唸るわ」
「勿論祭には思う存分戦ってもらうわ」
 孫策はその黄蓋にも話す。
「頼んだだわ」
「それでは我々も」
「この力の限り」
 二張も強い表情になっている。
「働かせて頂きます」
「雪蓮様と共に」
「それと冥琳もね。今ここにはいないけれど」
 見れば孫策の傍にはだ。いつも共にいる彼女はいない。どうしてかというと。
「袁術との打ち合わせね」
「袁術と打ち合わせって?」
「あれよ。大喬と小喬のね」
 その二人のことでだというのだ。
「舞台のことで打ち合わせなのよ」
「ああ、それでなのね」
 孫尚香もそれを聞いて納得して言う。
「そういうことなのね」
「そうなのよ。まあ袁術はかなり癖が強いから」
 その人格のことはあまりにも有名になっている。無論孫策も彼女のそうした性格のことは熟知している。それでこう言うのだった。
「だからね。結構時間がかかってるみたいね」
「そもそも袁術殿はあれじゃ」
 ここでこう言う黄蓋だった。
「あまりにものう」
「性格がね」
「あれをあちらの世界ではSというそうじゃな」
 まさにその通りであった。 
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