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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十九話 闇達、姿を現すのことその五

「ここは一度本軍と合流しようぞ」
「まさかここで我等だけ行けとは言わないだろう」
 魏延も二人と同じ意見だった。
「ではそうするべきだな」
「そうだな。ここはそうしよう」
 公孫賛も言う。
「一度本陣と合流だ」
「あれっ、公孫賛ちゃんいたのね」
 マリーは彼女に気付いたといった顔だった。
「そうだったの」
「私はずっとここにいたが」
「それは嘘でしょ」
「いた、いたぞ」
 少しムキになって言い返すのだった。
「それは本当だ」
「そうだったの」
「だからどうしていつもこうなのだ」
 存在感のなさにだ。自分自身も嘆くのだった。
「私は全く気付かれないのだ」
「まあ気にしてもね」
「何が悪いのだ、一体」
「だから。包丁持ったら?」
 これが馬岱のアドバイスだった。
「それで相手をメッタ刺しとか」
「物騒だな」
「何か白蓮さんって声を聴く限りだとね」
「目立つというのだな」
「凄くね。けれど白蓮さん自身は」
「うう、それが悩みなのだ」
 とにかく本人は全く目立たないのである。
「どうしたものか」
「白馬しかないからね」
 今言ったのは舞である。
「基本として」
「白馬の方が有名だと嫌だな」
「いや、有名だろ」
「どう見ても」
「そうだよね」
 テリー、丈に続いてアンディも言う。
「俺も馬の方から思い出したからな」
「実は俺もな」
「うん、白馬は目立つから」
 そんな話をしながらだった。三人も公孫賛に話す。
「いっそのこと服装を変えるとかな」
「そうしたことをしてみたらどうだ?」
「かなり違うと思うけれどね」
「服か。それならだ」
 公孫賛は腕を組み考える顔になってだ。こんなことを言った。
「ではメイド服でもだ」
「ゴスロリとかどうですか?」
 真吾は何気なくそちらも薦めた。
「そういう感じでどうですか?」
「何か呂蒙や碧みたいではあるがな」
「じゃあ制服とかは」
 真吾は今度はこれはどうかというのだ。
「ほら、日々の」
「結局はそこに話が落ち着くのだな」
「じゃあ張角さんや甘寧さんや張勲さんも呼んで」
「だからどうしてそこに話がいくのだ」
「インパクトってことで」
「そこから離れられないか、私は」
 そんな話をしているうちにだった。劉備達は一旦本陣と合流したのであった。
 その彼女達を見てだ。于吉は左慈に話した。
 場所は闇の中だ。そこにおいて言うのであった。
「遂にはじまりますね」
「ああ、決戦だな」
「はい、ただしです」
「ただ。何だ?」
「ここで終わればいいのですがね」
 こうだ。闇の中で左慈に言うのである。
「洛陽の戦いで」
「何だ。終わらないとでもいうのか?」
「そんな気がします」
 于吉はその口元から笑みを消していた。そのうえでの言葉だ。
 
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