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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十九話 闇達、姿を現すのことその一

                          第八十九話  闇達、姿を現すのこと
 遂に都まで目前に来た連合軍、その本陣でだ。
 袁紹がだ。またしてもであった。
「さて、それでは」
「はい、駄目ですから」
「大人しくして下さいよ」
 顔良と文醜がすぐに言う。
「先陣は劉備さんなんですから」
「あの人に任せてればいいんですよ」
「むう、最後の最後もですのね」
 二人に言われてだ。むっとした顔で言う袁紹だった。
「わたくしはここにいたままですのね」
「ですから。総大将がです」
「先陣とかなんてないですから」
「では仕方ありませんわね」
 こう言われるとだった。袁紹もだ。
 仕方なく本陣に残る。その先陣ではだ。
 劉備がだ。自身の配下を天幕に集めてだ。そうして話すのだった。
「それじゃあ皆」
「はい、それではですね」
「いよいよ決戦なのだ」
 関羽と張飛が強い顔で応えた。
「残っている敵と遂に」
「戦って勝つのだ」
「あの白い奴等は絶対にいる」
 呂布も場にいる。そうしてぽつりと話すのだった。
「奴等と戦いになる」
「その他にもいるぜ」
 草薙もここで出て来て話す。
「オロチだの何なりがな」
「そのオロチだな」
「話聞くと洒落になってねえよな」
 趙雲と馬超がこう草薙に言った。
「この世界の何もかもを破壊するか」
「そういう考えの奴等か」
「それな。つまり奴等はこの世界の文明を破壊するんだよ」
 それがオロチの考えだというのだ。
「人類社会ってやつをな」
「文明を破壊されたらそれこそあれだよ」
 馬岱も怪訝な顔で話す。
「蒲公英達楽しいこととかなくなっちゃうよ」
「そうよね。もう今更古代の生活には戻れないわ」
 黄忠も眉を潜ませて話す。
「三皇五帝に人の世が定められて以来培ってきたものは捨てられないわ」
「要するにオロチはそういうものを全て破壊しようっていうんだよ」
 草薙はまたオロチについて話した。
「だからそういう奴等の好きにされたらな」
「しかし。向こうはこう言う筈だ」
 魏延がここでこう言うのだった。
「人間が自然を破壊しているとな」
「そうじゃな。向こうには向こうの言い分がある」
 厳顔はここで弟子の側に立って話した。
「そうした考えに至るのも考えられなくはないか」
「はい、確かに人間は自然を破壊しています」
「それは確かです」
 孔明と鳳統もそれはそうだと話す。
「そうして文明を築いていきです」
「多くの生物を滅ぼしていっているのは確かです」
「そうよね。じゃあ人間は」
 劉備は軍師二人の言葉を聞いて暗い顔で言う。
「私達は滅びる方が」
「それは間違っているわ」
 しかしだった。その劉備にだ。神楽が言ってきた。
「人間もまた自然の一部よ」
「人間も?」
「ええ、こうした話は前にもしたような気がするけれど」
 それでもだとだ。神楽はあえて話すのだった。
「人間も自然の一部で」
「じゃあその人間が築く文明も?」
「自然の一部なのよ」
 こう劉備達に話す神楽だった。
「それを全て否定するのもまた傲慢というもよ」
「つまりあれですよね」
 真吾は考える顔で首を捻りながら言う。
「そう考えるオロチはそう考える自然の神様の一人なんですか」
「ああ、そこ一柱だ」
「神はそう数えられる」
 二階堂と大門が真吾に話す。
 
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