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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十八話 張譲、切り捨てられるのことその十

「曹操達も同じじゃがのう」
「あの、将軍」
 呂蒙がだ。その何進に話すのだった。
「そのことをお話されますと」
「まずいかのう」
「私、袁術さんと同じ事務所ですが」
 こう言うのだった。
「他にも劉備さんのところの魏延さんが」
「御主もそうした縁があるのじゃな」
「そのことお話されますと大変ですよ」
 困った顔でだ。呂蒙は何進に話すのである。
「結構以上に」
「そういえば御主」
 何進はその呂蒙にこんなことも話した。
「これは鳳統も同じじゃが」
「同じとは?」
「あれじゃったな。生き別れの従姉妹や姉妹が随分とおったな」
 こうした話にしてしまうのであった。
「一体何人おった?」
「実際は一人もいません」
 素直に言ってしまう呂蒙だった。
「実は」
「ううむ、左様か」
「はい、私は一人なんです」
 顔を赤くさせてだ。呂蒙は衝撃の事実を話した。
「ですがそれは」
「そ、そうだな。私もな」
 孫権もだ。狼狽しつつ話す。
「実は」
「そうですよね」
「そういえばあの張譲めもじゃった」
 何進は彼の名前も出した。
「よく母親が違う名前で怪しい世界に出入りしておるとか言っていた」
「いえ、それは」
「あいつもですよ」
 すぐに突っ込みを入れる呂蒙と孫権だった。
「私そこで一緒だったこともあったような」
「結構有名な話ですよ、それは」
「そうじゃのう。誰にも脛に傷がある」
「はい、言ってはいけないということで」
「ややこしいのう」
 首を捻ってだ。何進は言った。
「全く以てな」
「ですが将軍」
 呂蒙がその何進にまた話す。
「今は」
「むっ、今はか」
「はい、いよいよ洛陽です」
 そちらに行くというのである。
「ようやくです」
「そうじゃな。まさかここまで楽に行けるとは思わなかった」
「実質一度も戦をしていませんね」
 孫権はふと言った。
「幸いなことに」
「都にはもう兵はいません」
 ここでこう話す陸遜だった。
「ですが」
「はい、謎の者達がいます」
 周泰が怪訝な顔で話す。
「あの白装束の者達です」
「その者達はわらわも知らん」
 こう話す何進だった。
「何なんじゃ?一体」
「ただ。わかることはです」
 何かとだ。呂蒙が言う。
「彼等は敵です」
「間違いなくのう」
「宦官達の手の者でしょうか」
 孫権はこう考えた。
「それで私達を」
「可能性はあります。ですけど」
 陸遜は首を捻りながら話す。
「違う気がします」
「違うのか?」
「はい、都に行かれた方々のお話を聞くと」
 こうだ。周泰を見ながら話すのだった。
「宦官ではなく別世界の人達の気がします」
「けどやで」
 あかりがここで言う。彼女もこの場にいるのだ。
「うちそんなけったいな連中の話全然聞いたことないで」
「私もね」
「ええ、私も」
 キャロルとミナもそうだという。
「私達の時代にはいないわ」
「私達の時代にも」
「というかうち等の世界の奴等ちゃうと思うで」
 あかりはこう考えるのだった。
「何か雰囲気はちゃうわ」
「では何者じゃ?」 
 首を捻って言う何進だった。
「あの白装束の連中は」
「前に袁紹殿や曹操殿も襲われていたわね」 
 孫権はあちらから聞いた話をした。
「私達の命を狙っているのは間違いないしね」
「ですね。敵なのは間違いないです」
 呂蒙もそうだと見る。
「では。都においては」
「はい、その白装束の一団との一戦になりますね」
 陸遜もこう話す。こうした話をしてだった。
 彼女達は都に向かうのだった。そしてその都においてだ。遂に闇の者達が姿を現すのだった。


第八十八話   完


                       2011・6・11
 
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