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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十八話 張譲、切り捨てられるのことその五

「あたらない為にね」
「そうしているのよ」
「そうか。それでか」
「それでなのだな」
 ギースとクラウザーもそのことに気付いた。このことにもだった。
「中華料理というのにも特徴があるな」
「全てあるとは限らないのか」
「どの料理にも特徴はあるわよ」
「当然中華料理にもね」
 貂蝉と卑弥呼は言いながらだ。豚バラ煮込みを食べている。
「肉といえば豚でね」
「それで火を通すのよ」
「日本は生ものだが」
 ここで言ったのは刀馬だった。
「そこはかなり違うな」
「はい。香辛料も多いですし」
 命は八宝菜を食べている。刀馬と同じものだ。
「味はかなり幅が広いです」
「それはいいことだな」
 刀馬もだ。その八宝菜を箸で食べながら話す。
「あとこれは」
「生姜だな」
 また華陀が言う。
「この国の料理は医食同源だからな」
「そうそう。漢方薬としてね」
「生姜やそういったものも入れるのよ」
「俺もそうしている」
 華陀自身もだとだ。貂蝉と卑弥呼に続いて話す。
「だから今も身体の調子がいい」
「そういえば貴殿は百二十歳だったか」
 ミスタービッグは彼の年齢を把握していた。
「二十歳に見える顔だが」
「ああ、若作りとは言われるな」
 それどころではないが平気な顔で言う本人だった。
「いつも身体を動かしてしっかりとしたものを食べているからな」
「だからだな」
「それでそうなっているのか」
「そういうことだ。それで二人共」
 華陀はギースとクラウザーに応えながら彼等に話す。
「そろそろ食べた方がいいぞ」
「むっ、そうだな」
「折角のステーキが冷えてしまうな」
 二人もここでだ。そのことを思い出した。
 そのうえで箸でステーキを食べる。そうしながら話すのだった。
「うむ、美味いな」
「見事だ」
 二人共肉をかじりながら話す。
「よく焼けている」
「しかも味もいい」
「このソースは何だ?」
「あっさりとしているがコクがある」
 肉にかけられているそのソースを食べながらもだ。二人は話す。
「醤油に似ているが何か違うな」
「また別の味だ」
「ああ、これはだ」
 華陀がそのソースについて二人に話した。
「魚醤だ」
「あのナムプラーか」
「そう言われていたな、確か」
「そうだったな。ナムプラーはそう呼ばれていたな」
 獅子王がそのことについて言った。
「そうだったな」
「ナムプラーをかけているのか」
「それでこの味なのか」
「うちの醤はそれなんですよ」
 店の親父も出て来て話してきた。
「どの料理にもそれを使ってます」
「それはまたどうしてだ?」
「味のことを考えてなのか」
「はい、味をです」
 その味を考えてだとだ。親父もギースとクラウザーに話す。
「かなり独特ないい味がしますよね」
「確かにな。大豆の醤油とはまた違ってだ」
「独特の味わいがある」
 二人もそのことは確かだと認める。そう話している間にだ。
 一枚食べ終えた。それからまた親父にそれぞれ言うのであった。
「もう一枚だ」
「焼いてくれ」
「わかりました」
 親父も二人の言葉に応える。そうしてだった。
 またその魚醤をかけた豚肉のステーキを焼いてだ。二人に出すのだった。
 そのステーキも食べてだ。二人は満足してだ。親父にこう言った。 
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