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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十八話 張譲、切り捨てられるのことその三

「私は悪を厭わない」
「それは変わらないな」
「あくまで私は頂点に立つ」
 これはギースの本質だった。だがそれでもだった。
「しかししがらみはだ」
「断ち切るか」
「そうあるべきだったのだ」
「そうだな。私もだ」
「消すべきだ」
 そのだ。しがらみをだというのだ。
「必ずな。そうする」
「あの兄弟のこともだな」
「思えばあの二人とのことも終わっているのだ」
「貴様が一度死んだ時にか」
「あの時で終わっていた。後はだ」
「貴様がそのしがらみを断ち切るだけだな」
「それだけのことだ」
 ギースは強い顔で話している。
「そうだったのだ」
「私もだな」
 クラウザーもだった。
「このしがらみは断ち切る」
「父のことだな」
「それを断ち切る。純粋に頂点を求めよう」
「そうするべきだな。私も貴様にはだ」
「最早何もしないか」
「貴様もその筈だ」
 ギースはクラウザーにも話した。
「そうだな」
「そうだ。そうさせてもらう」
「そうなったのはだ」
 何時かというのだ。それは。
「この世界に来てだ。華陀と会ってからだったな」
「そのうえでだな」
「それからだ」
 まさにだ。その時にだというのだ。
「まことにな。ではだ」
「これからもこの面々と共にいるか」
「そうするとしよう」
「そうなのよね。ダーリンってね」
「特別な力が備わっているのよね」
 貂蝉と卑弥呼もそのことを話す。
「人の心のしがらみや因縁を断ち切る力」
「それがあるのよ」
「俺は医者だがな」
 華陀自身はそこから話す。
「だから人の心も見てきたがな」
「人の心を見て癒せるのはね」
「それは真の医者が出来ることなのよ」
 そうだとだ。二人は華陀に話す。
「それができるダーリンだからこそね」
「この世界を救うことができるのよ」
「人の心を救える者は世界を救える」
 天草が言った。
「そういうことだな」
「そうそう、人の心よ」
「それが一番大切なのよ」
「多分。この世に皆が来たのもね」
「そのしがらみを断ち切って新たに生きる為でもあるのよ」
 そうした意味もあるとだ。彼女達は話すのであった。
「しがらみは断ち切られるもの」
「だからね」
「そうだな。誰でもな」
 その心のしがらみを断ち切る男の言葉だ。
「しがらみからは解放されてな」
「新しく生きるべきよ」
「そうならないと駄目なのよ」
「人の心も。この世界も」
 華陀はその世界についても話した。
「全てのしがらみは断ち切られないとな」
「それを断ち切る為にね」
「今からね」
 こうした話をしてだった、一行はある場所に着いた。すると目の前にだ。
 店があった。食べ物屋だった。その店の看板の肉という文字を見てだ。
 命がだ。こう言うのだった。
「そういえばお昼ですね」
「そうだな。それではだ」
「何か召し上がられますか?」
「そうだな。腹も減ってきたしな」
 華陀も命の言葉に応える。
 
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