曇天に哭く修羅
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第四部
準決勝第一試合 5
前書き
φ(・ω・`)
翔が【炎天双極星・イフリート】を喚び出して【破降】の武器【双天破神・焔魔】に変え、自身の両腕に赤いガントレットとして装備。
すると翔のステータスが上昇。
更に足へ着けた【ギルミルキル】も強化。
先ほど以上に激しく大気が揺れる。
(今のギルミルキルは足を動かさなくとも一定のレベルで【魔晄機能】を使える。【異能】は動かず使えるものだったしな)
ギルミルキルの一部機能は足を動かして発動させることが前提になっていた。
だが今の翔は違う。
微動だにせず大気に地震を起こせるし、何処からともなく風を吹かせて衝撃波を生み、空気に断層を作って真空波を放つ。
「ギルミルキルの高速移動と超速移動も強化されるわけだからな。これに焔魔の力も有れば向子さんの第四解除を出させることも……」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「面倒なことになったねぇ~」
向子は翔を見てぼやく。
彼はギルミルキルの飛行・高速・超速で軌道しているのだが、それに合わせて焔魔から炎を噴出しながら空気を吸入・放出して推力を得ていた。
「うーん。変則だけど[ラムジェットエンジン]みたいに取り込んだ空気を圧縮して押し出してるのかな? 本家ラムジェットが使うのは気流だし、取り込んで圧縮した気流は減速するけど翔くんの【焔魔】はスピードが落ちないみたいだからどうするかなぁ」
翔は飛行する間もギルミルキルの雷・炎・振動・真空波・衝撃波を飛ばし、【紫電孤虐】の雷や【眠希子】の針型ミサイル『魔弾タスラム』を降らせる。
(振動は【空間振動】、衝撃波は【空間転移/ムーブメント】、炎は【空間接続】、雷は【空間歪曲/グラインド】、タスラムは【空間断裂/ティーリング】で対処できるんだけどなあ)
翔は焔魔による攻撃を一度も使っていないので対応する方法が解らない。
「使ってもらおうかな」
向子が指を鳴らす。
飛行する翔の周りに普通の人間では捉えられない筋が幾つも走り、それによって空間がズレた結果、まるでケーキのように切り分けられた。
「【空間切断】って言ってね。空間断裂みたいに『雑』じゃない上位互換だよ」
このままだと躱せないと判断した翔は意を決し腕を振りかぶると焔魔で一撃。
ただのストレートパンチ。
だがそんな単純な一撃が度肝を抜く。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
上腕から指先までを覆っている赤いガントレット型の武装【焔魔】の全体から炎が翔の後方へ流れ、推進力を増しながら爆発的に加速。
そして大気中に有る目に見えないほど小さな物質も吸収してエネルギーを高めた。
どシンプルなスピードとパワー任せ。
それが正面の空間切断を粉砕。
直撃していない向子や周囲一帯まで有り余るエネルギーで吹き飛ばしてしまう。
(これはあれだね。《夢絶叶》の使う『あれ』や《白良々木眩》の力を擬似的に再現した感じなのかな?)
向子は【空間移動】、【空間接続】、【空間跳躍/ジャンピング】で吹き飛ばされている途中から翔の近くまで戻ってきた。
「単純な物理威力だけで空間を壊せそうだ。焔魔は機動じゃなく攻撃が脅威か」
「同格の上位存在を餌にする精霊を3体も破降してるんです。まだ終わりませんよ。しかしさっきの空間切断は本気で焦りました」
「第三解除で解禁になる能力だからね。焦らせる位は出来ないと」
向子としては、あわよくば戦闘不能に追い込むつもりだったのだが、些か翔と焔魔を甘く見積もっていたらしい。
(ヤバいの来たら第四解除しよ)
後書き
φ(゚ー゚*)
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