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曇天に哭く修羅

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第四部
  準決勝第一試合 4

 
前書き
語録が無いし意味も解らないので状況描写が謎なことになっています。
φ(・ω・`) 

 
【冬季龍帝祭】が行われている会場が在る【龍帝学園】の敷地全体が揺れ始めた。


空間振動(シェイキング)


向子は《江神春斗(こうがみはると)》との試合で見せた制御解除なしのそれと比べて数百倍の規模で空間を振動させ、それを会場に収束。


もちろん標的は翔だ。


彼は上位存在クラスの精霊【爆熱炎隼神・ホルス】と【白光炎隼神・ホルス】を付与した自身の魔晄外装【ギルミルキル】で対抗する。

翔は勢いよく前蹴り。

するとギルミルキルから高音が響く。

外装の異能【紫電孤虐】で纏う紫色の雷電に加えて【破降/はごう】で得た機能の『衝撃波』がギルミルキルから拡散し空気中に広がった。

向子の空間振動は打ち消される。


(第二解除したアタシの空間振動と互角か。しかもまだ余力を残して。二体のホルスから考えて衝撃波以外の能力も有るだろうし)


向子はもっと【制御解除(リベライル)】するかどうかを考慮して戦うことにした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


今の(・・)向子さんと同じくらいの出力か? なら力を使っても問題ないな」


翔が紫電にプラスして、青い雷と黄色の雷、炎を発生させ、ギルミルキルを中心にして、それらのエネルギーを帯同させる。


(そこにギルミルキルの『真空波』と新しく手に入れた衝撃波も足してみるか)


破降に使ったホルスは二体。

先程の一撃は一体分のみ。


「ああそうだ、忘れてた。もう一つ新しい機能が有ったんだったな。それも一緒に使おう。向子さんが第二解除のままなら押し切れそうだ」


翔は空中で足に力を集中。

そして向子に対し蹴りを繰り出す。


(さあ耐えて下さい向子さん。それともここで俺に負けることを選びますか?)


翔の足に装備されたギルミルキルから力の奔流がドリルのように渦を巻く。

構成するのは青・黄・紫の雷。

炎・衝撃波・真空波。

そして大気に伝播する【振動】である。

向子の視界が揺れて空中で傾いた。


(おお?)


即座に空間振動・【空間歪曲(グラインド)】・【空間移動/テレポート】の三つを使って翔の攻撃の威力とエネルギーを減衰。


(むむっ。消しきれない)


会場から【空間跳躍(ジャンピング)】すれば回避できるが翔の攻撃は会場が全壊してしまうだろうレベルのパワーなので向子はこの場に留まる。


「翔くんの攻撃で空間に影響が出てるし第二解除のままで何処まで出来るか」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


向子は現在の最大出力による最大サイズのワープゲートを【空間接続(アクセション)】で限界の数まで開き、一定の分だけエネルギーを転移し放出。


(残った攻撃エネルギーの中心部を【空間転移/ムーブメント】で削りつつ、【空間断裂/ティーリング】で千切りながら分割してるから、受け止められるかな?)


向子は第二解除によって強化された空間能力である、【九蓮宝燈(リバティー)】を行使しながら【黒死蝶の鎧】を着て迎え撃った。

膨大なエネルギーは向子を呑み込み彼女の姿を隠すと会場の二割ほどを破壊。

水が枯れて剥き出しになった深い川底のようなクレーターを作り上げる。


「4割は吹き飛ぶ計算だったが……」


向子は翔と同じように浮遊したまま攻撃に耐え抜き黒死蝶の鎧を解除する。


「まさか数百メートルに渡って大気を震わすレベルの振動能力を得るとはね。アタシの空間振動が顔負けじゃないか。もしかしてまだ上限が有ったり?」


「いやいや。今の(・・)ギルミルキルとしては最大放出でしたけど、あんまり消耗ないんですよ。大半は破降の精霊が(まかな)ってくれますしね」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


やはり今の翔に対抗するにはもっと大きな力が必要になってくるようだ。

そして向子はその力を用意できてしまう。


(限界ならリタイア出来るのになー)


【プラン】に関わる人間の中でも《立華紫闇/たちばなしあん》に直接的な関わりが有る者には戦闘能力が要求される。

いつ何時(なんどき)に彼と融合している上位存在が牙を剥くか解らないのだから。

向子はプランの中枢メンバーであり調整役も担う立場なので弱いはずが無い。


「【制御解除(リベライル)第三解除(ドライアウト)】」


翔の上から重圧がのし掛かってくる。


「うおぉぉぉぉぉぉ!?」


いきなり精神的、肉体的なプレッシャーに晒された翔は逡巡したが決断。


「【炎天双極星・イフリート】」


火龍の精霊が喚び出され、粒子化して翔の両腕を覆い赤色のガントレットとなる。


破降(はごう)・【双天破神・焔魔(えんま)】」


翔は精霊を武装に変えた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「翔くん、もしかして割りと本気?」

「そりゃそうでしょう。公式戦で破降を使う機会なんて無いですから」


向子は思わず苦笑い。


「まあ今回はこれで締めですよ。これ以上は公式戦だと止められますからね」

「それを聞いて安心したよ」


もし翔が全てを出し尽くすなら見知らぬ地へ飛ばすか速攻で終わらせていた。

向子はそれが可能なのだから。


「もしも向子さんと本気で戦るのなら、何処かの【魔獣領域】か【聖域】でレイアさんやエンドが居る時に戦りましょう」

「分別が有って助かるよ」


向子にとって翔は有能な部下だ。

失うのは損である。

上位存在との戦いに引っ張り出せるような逸材など、ごく稀にしか現れないのだから。


「向子さんが公式で出せる限られた力を俺が引き出させてもらいますよ」
 
 

 
後書き
φ(・ω・`) 
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