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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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エニグマ作戦

ハンターベース


シグマ撃破後、世界中に拡散されたシグマウィルスの影響で発生するイレギュラーの発生の報告が寄せられていて、ハンターベースは混乱していた。しかし、ハンターベースではこの事態が来ることを想定してケインとドップラーが共同で開発した「アンチ・シグマウィルス・ワクチンプログラム」により、被害は最小限に抑えられていた。

「フクロウル、レプリフォースの方は?」

『本部の方は送られてきたワクチンプログラムのおかげで被害は最小限だ。しかし、支部のエアフォースに就いているペガシオンの部隊にまだワクチンを回していないため、状況が不明だ。他の地上基地からの連絡もウィルスの影響で繋がらない。最悪な場合、支部にいる兵士たち全員がイレギュラー化してしまっているかもしれん・・・・・・』

モニター越しでフクロウルは深刻な顔で報告する。ワクチンプログラムが完成したのは先月であり、まだ各地に出回っていないのだ。優先的に回したイレギュラーハンター、レプリフォースでさえこの有様だ。

「・・・・しかもスペースコロニー ユーラシアが突如ラグランジュポイントを外れ地上に向かって落下し始めているオマケつきです。原因は不明ですが、コロニー内でも大量のシグマウィルスが確認されています。」

『・・・・・最悪な事態だ。人間政府は、既に全世界に向けて避難勧告を発している。不幸中の幸いはシェルターの他に復興作業中のチャモチャ星からも避難の受け入れができるという事だが。』

「しかし、それでもコロニー衝突まで16時間。あまりにも時間が限られています。とてもですが・・・・・」

『我々レプリフォースは、避難誘導及び各地の救助隊を編成して向かわせる。ワクチンプログラムをインストールしたとはいえ、危険な賭けだが・・・・・・』

「こちらもユーラシア衝突阻止のためのプランを組みます。」

『もし失敗すれば、人類もレプリロイドも何もかもこの地上から消滅する・・・・・貴官らの健闘を祈る。』

「こちらもあなたとまた会えることを願っています。」

そう言うと通信を切る。

「シグナス、状況は?」

そこへゼロとアイリスは入ってきた。

同時に現場から帰還したエックスたちも合流してきた。

「全員揃ったようだな。見ての通り状況は最悪だ。ウィルスの影響で各地のレプリロイドがイレギュラー化し、社会機関のほとんどが麻痺状態に陥っている。更にスペースコロニー ユーラシアが地球へのコースを取って接近しつつある。もし、地上に落下すれば地球は滅亡する。」

「・・・・それでコロニー衝突までの時間は?」

報告を聞いてビートブードはエックスの表情を窺いながら言う。

「現在の移動速度なら後16時間後だ。地上の被害は甚大だがコロニーの落下だけは何としても阻止しなくてはならない。」

「そのためのプランを2つ考えたわ。まずは大出力兵器による地上からの狙撃。とは言っても知っての通り、度重なる大戦によってそれを可能とする兵器の大半が失われてしまっているわ。今、ハンターベースでまともに動くのもこの『エニグマ』・・・・100年前の大戦時に建造されたと言われているギガ粒子砲しか残っていないわ。」

エイリアの報告を聞くなり、周囲の反応は暗かった。

エニグマは、最新式の同型兵器に比べ命中精度やエネルギー効率などで大きく性能が劣るばかりではなく、既に数十年に渡りまともな整備も行われていない。今では正常に作動するかどうかすら危ぶまれていたため、近いうちに解体処理する予定も立てられていた。もし、発射時に爆発すればそれこそ甚大な被害を被る。

「・・・・・エイリア、もう一つのプランを言ってくれ。」

隣に立っているエックスの顔を見ながらゼロは口を開く。

「えぇ、エニグマ作戦が失敗した場合のもう1つの作戦がスペースシャトル作戦よ。・・・・・出来ればあまり使いたくはないけれど。ハンターベースのシャトルに大量の爆薬を積みそれをユーラシアに激突させる作戦ね。それもシグマウィルスの影響でオートパイロットが機能しないから、誰かが操縦してユーラシアに向かう・・・・・・・・まさに命懸けの特攻作戦と言う事になるわ。」

周囲は更に暗くなった。どちらにしてもこの二つの作戦は失敗する可能性の方が高い。そして、何よりもエックスの表情があまりにも不穏に感じた。今まで数々のイレギュラーと戦ってきた歴戦の勇士という事もあり、その表情の重さが事の重大さをさらに強める。

「・・・・・我々までが絶望する訳には行かない。どちらも極めて危険・・・・・しかも成功率に関してはもうほぼ賭けに等しい。だが、それでも可能性は決してゼロというわけではない。無論、シャトルの作戦は最終手段だ。ダグラス、エニグマの状況はどうなんだ?」

「どうも、こうもねえ。簡単なチェックをしてきたが、ハッキリ言って使い物にならねえよ。整備もなしに放置されてた期間を考えれば思ったよりは老朽化してなかったのが幸いだ。暴発の心配はねえが、それでも大気圏を貫いてコロニーを破壊できる出力が発揮出来るかどうかは微妙な所だ。パーツで補強する必要がある。一つは大量のレアメタルで構成されたオリハルコン。もう一つは大容量エネルギーカートリッジ。それとレーザー装置と核融合を起こすための大量の水素が必要だ。」

「ウィルスの影響で活動できる時間がかなり限られている。残った者たちで力を合わせて一刻も早くエニグマを完成させるのだ!」

シグナスはそう言うと四体のレプリロイドの写真を映し出す。

「それにはこの4人の人物に協力を求める必要がある。皆にはそれぞれこの4人の元へ行って協力を仰いできてほしい。」

「しかし、間に合うんでしょうか?」

ホーネックは4人の写真を見ながら言う。彼が知っている限り、この4人はかなり癖の強い輩だ。頼んだところで果たして協力してもらえるのだろうか?

「うまくパーツを入手したとしても間に合わないという落ちもあり得るからな。」

「おい、ゼロ。もう一度言ってみやがれ?そんな舐めた口聞くと今度のメンテの時、お前のバスターからスライム出すようにするぞ?」

ゼロの言葉に腹が立ったのかダグラスはドスの利いた声で言う。

「とにかくエニグマのメンテは俺の方で何とかする。パーツはできるだけ早く回収してきてくれよ。」

そう言うとダグラスは部屋を後にしていく。

(あのバイトの手を借りることになりそうだな・・・・・やれやれ、人手が足りないほど不幸なことはないぜ・・・・)


「・・・・・じゃあ、俺たちは、補強パーツを回収しに行こう。俺は、オリハルコンの回収に行く。」

そう言うとエックスは部屋を後にしていく。

「ちょ、ちょっとエックス!?勝手にそんなこと・・・・・」

「マーティは、海の方へ行ってくれ。マーメイドタイプの君の方が海中では動きやすい。」

「そう言う事じゃなくて・・・・・」

一人で去って行くエックスを追いかけようとするがマーティはゼロに止められる。

「ゼロ・・・・」

「今は、時間がない。心配するのもわかるが今はパーツを集めることが優先だ。俺とアイリスは、カートリッジの回収に行く。お前の方も気を付けろよ。」

「じゃあ、俺とマンドリラーとホーネックは、レーザー装置の回収に行きます。あの爺さん、頑固だから力づくで抑えて説得しないと。」

みんなそれぞれ行ってしまう姿を見てマーティは不安になった。

「もう・・・・・何よ!皆揃いに揃って冷たいんだから!」

マーティは、そう言いながらラッシュの待っている格納庫へと行く。

「・・・・・エックスに万一のことがあったらどうするのよ・・・・・・」























その一方・・・・・・・・

『シグマめ、どうやら思い切ったことをやってくれおったな。』

モニターで地球の状況を確認している人影があった。

『・・・・・しかし、これでゼロは、ウィルスが汚染した環境で動かざるを得んじゃろう。この環境下なら、あの厄介な回路があるとはいえ、徐々に本来の奴に目覚めていくはずじゃ。』

そう言いながら彼はコンピュータを操作してある映像に切り替える。エニグマだ。

『・・・・・・・シャドーマン。』

『ここに。』

彼の影からシャドーマンが姿を現す。

『お前に任務を与える。』

何やら一つの大きい回路をシャドーマンに手渡す。

『コイツをあのギガ粒子砲に組み込んで来い。誰にも悟られんようにな。』

『奴の作戦の妨害をすると?』

『ワシは確かにゼロのことを任せるとは言ったが地球を壊滅させろとは言っておらん。地球が壊滅的打撃を受けたら困るのでな。最小限の被害になるぐらいのレベルにまで破壊させる。』

『御意。』

そう言うとシャドーマンはその場から姿を消す。彼は椅子に座り込むと一枚の写真を取り出す。

『・・・・・・ライト、お前はここまで来ても表に出ないというのか?このままではお前の可愛い息子を見殺しにするかもしれんぞ?』

そう言いながら彼は、椅子から立ち上がりその場を後にした。 
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