ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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ROCKMANX5
シグマヘッド
ドラえもんたちとの別れからしばらく
地上の復興作業がほぼ終わり、エックスたちは今日もシミュレーションルームでトレーニングを行っていた。
「は~疲れた。」
マーティはくたびれた表情で部屋から出てくる。外ではすでにフォースアーマーを身に纏ったエックスが待機していた。
「お疲れ様。」
「流石エイリアが組んだプログラムね。危うくやられるところだったわ・・・・。」
「実戦だったら危ないからね。日頃からこういう訓練も怠らないようにしないと。」
『エックス、そろそろ始めるわ。中に入ってちょうだい。』
「分かった。」
制御室から声をかけるエイリアに返事をしてエックスは部屋の中へと入って行く。
『トレーニングプログラムをインストールするわ。今回入力したイレギュラーは、アーマー・アルマージ。完全に再現できてはいないけど気を付けてね。』
「了解。ミッションを開始する。」
エックスは、シミュレーションの訓練を開始する。
ハンターベース 格納庫
「えっと・・・・・お前たちか?今日からここのアルバイト担当する奴らは?」
「「「「「「「「は~い。」」」」」」」」
一方、ハンターベースの格納庫ではダグラスが軽い面接を行っていた。
復興作業がほとんど完了したとはいえ、チャモチャ星への支援もあるため未だに人手不足なのが拭えないのだ。そこで苦肉の策として民間の方から臨時のアルバイターを募集することにし、今日は応募をしてくれたレプリロイドたちの面接をしていた。しかし、来たのは一般とは思えない独特の姿をした輩八人だった。どうやら、仲間同士らしい。
「あ・・・・・・・まあ、取り敢えず作業に関しては以上だ。もしわからないことがあったら俺とかに気軽に声をかけてくれ。」
「ふぁ~い~。」
「「「よろしくお願いします。」」」
「じゃあ、早速だが作業に入ってもらうぜ。まず、一般ハンターのチェバルのメンテを行ってもらう。これはデリケートな作業もあるから気を付けてやってくれよ。」
ダグラスは手本を見せながら一台のチェバルをメンテナンスしてみせる。
「あ~い~。質問。」
「ん?なんだ?」
「これはなんですか~?」
赤い独特の形状をしたレプリロイドがエンジンを指さしながら聞く。
「バカか?それはエンジンに決まっているだろ。」
「これは~?」
「それはタイヤだ。」
「これは~?」
「ハンドルだ。」
「これは?」
「ゼロのアディオンだ。」
「あれは?」
「ラッシュだ。」
「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
ラッシュと聞いた瞬間、聞いたレプリロイドを除いた7人は思わず動揺する。
「ん?お前たちどうした?」
「い、いや・・・・何でもないです。」
「・・・・・・まっ、いいか。じゃあ、見本通りにやってくれ。俺は、別の作業があるから。」
そう言うとダグラスは、現場を後にしていく。この後、ゼロのバスターの調整があるのだ。ダグラスがいなくなるのを確認すると八人は集まって騒ぎ出す。
「あれがラッシュだって!?」
『?』
八人に見られてラッシュは首をひねる。
「どういうことだ!?まさかここにロックマンがいるのか!?」
「いや、待て待て。そんなことだったら俺たち速攻で不採用になっているはずだぞ!?」
「うむむ・・・・・随分久しぶりとはいえまさかライトロボたちが働いている仕事場に応募してしまうとは・・・・・・こんなの博士に知られたら大変だぞ!」
「でも、うちんトコの博士、もう随分入金しても引き落とさなくなったけどどーしたんだろ?」
「さあ?」
「そう言えば俺たち外でバイトするようになってから途中を境に全く連絡しなくなったからな。」
「・・・・とにかくせっかく八人採用してもらったんだ。ロックマンに会わないよう警戒しながら働くぞ。」
そう言うと八人はチェバルのメンテナンスを始める。
第0特殊部隊 隊長室
その頃、ゼロはアイリスと共に部屋で提出書類をまとめていた。
「これでチャモチャ星関連のものもまとまったな。」
「えぇ。書類は私がシグナスさんの所へ持っていくからゼロはメンテナンスルームへ行って。そろそろダグラスさんも来る頃だし。」
そう言うとアイリスは書類を持って部屋を後にした。ゼロは右腕を動かしながらメンテナンスルームへと歩いて行く。
「・・・・・・もう、俺のバスターはダメかもしれないな。」
ゼロは薄々自分のバスターが使い物にならないと感じていた。
ドップラーの反乱でエックスとの戦い以降、様々な試みが見られたが以前の性能に戻る様子はない。唯一使えるアースクラッシュがせめての救いものだ。
メンテナンスルームのすぐそばまで来た瞬間、ハンターベース中の警報が鳴りだした。
「ん?なんの・・・・・・!」
ゼロは一瞬、微かながら何度も味わったすさまじい邪気を感じ取る。
「この気配・・・・・・シグマか!」
ゼロは来た道を引き返す。丁度来たダグラスとすれ違ったことも気づかずに。
「お、おいゼロ!?」
すれ違ったダグラスは慌ててゼロを呼び止めようとするがゼロはそのまま行ってしまう。
「おいおい・・・・・まだ、今日の調整ができてねえって時に!」
ダグラスはすぐそばにある緊急連絡を取ってシミュレーションルームへと繋げる。
「エイリア、聞こえるか!」
『どうしたのダグラス?』
「悪いがエックスの奴のトレーニングをすぐに切り上げてくれ。ゼロの奴、今の警報で一人で行っちまいやがった!」
『なんですって!?』
一方のアイリスは。
「!?」
突然の胸騒ぎでうっかり手に持っていた書類を床下にばら撒いてしまった。
「何・・・・・この胸騒ぎ・・・・もしかして、ゼロの身に何かあったんじゃ・・・・・」
書類を持っていくことを忘れてアイリスは急いで走る。
トレーニングルーム
トレーニングルームではくつろいでいたマーティが警報を聞いて慌ただしくしていた。
「何何々!?一体何の騒ぎよ!?」
「副隊長、落ち着いてください。」
オロオロするマーティを見ながらビートブードが落ち着かせようとする。そこへエイリアが部屋に入ってきた。
「みんな、今日のシミュレーションでのトレーニングは中止よ!」
「何の騒ぎだい~?」
エイリアの様子を見てマンドリラーは不思議そうな顔をする。
「街でシグマの姿が確認されて、メカニロイドたちが暴走しているの!ゼロが先に向かったんだけど・・・・」
エイリアはそう言いながらシミュレーション中のエックスのトレーニングプログラムを停止させようとする。
「エックス、今日のトレーニングは・・・・・」
「何か言ったかい?」
「えっ!?」
止めようとした直後出てきたエックスを見てエイリアは驚愕する。
「も、も・・・・もしかして、もう終わったの!?」
「あぁ。でも、エイリア。ひどいじゃないか。アルマージを倒した直後にドラグーンを乱入させるなんて。もう少しで失敗するところだったよ。」
「ごめんなさい、隠し要素でやろうと思って・・・・・・って今はそれどころじゃないのよ!!」
エイリアは、急いで状況を報告する。
「・・・・そうか。わかった、俺たちもすぐに向かうからエネルギーの反応位置に転送してくれ。」
「わかったわ。」
「あのハゲ、いい加減成仏しないのかしら?」
「副隊長、たぶんそれはないと思います。」
色々と突っ込みながらもエックスたちは転送装置で市街地へと向かった。
市街地に着くと暴走したメカニロイドによって街はひどい状態になっていた。
「うおおおお!!」
マンドリラーは勢いよく瓦礫を投げてメカニロイドを圧し潰す。
「エイリア、シグマは建設中の女神像辺りで間違いないんだな?」
『えぇ、そうよ。既にゼロが先に向かっているわ。』
エックスはプラズマチャージショットを撃ちながら進んで行く。マーティもラッシュを連れてシグマの反応を追って行く。
「ん?あれは。」
途中でメカニロイドを迎撃中のアイリスを見つけた。
「アイリス!」
「エックス!?それにマーティたちまで・・・・」
「アンタ、ここで何やってんのよ?」
「ゼロを追いかけてきたの。」
アイリスは苦しそうに胸を押さえて言う。
「私・・・・・何か嫌な予感がするの。これから何かとてつもない恐ろしいことが起こるんじゃないかって。」
「・・・・・俺も同じだよ。こんな短期間でシグマが再び姿をそれも表で表すなんて・・・・・奴は一体何が目的なんだ?」
「取り敢えず、早くゼロと合流しましょう。女神像までもうすぐそこだし。」
そう言いながらエックスたちは、建設中の女神像の足元へ到着する。
「おかしいですね・・・・・シグマの反応は愚かゼロ隊長の姿が見当たりません。」
ビートブードは探知機を確認しながら言う。
「エイリア~本当にここなのかい~?」
『ええ。少なくともシグマの反応が途絶えたのは、その女神像の座標ポイントよ。もっと上の方かしら・・・・・・』
エイリアはデータを確認しながら言う。
「じゃあ、アタシたちは上に登って調べてみるわ。」
『そうしてちょうだい。逃げたにしても反応がない以上油断できないから。』
通信を切るとエックスたちは壁蹴りなどをして上へと昇って行く。工事現場のガードシステムがシグマウィルスの影響で不具合を起こし、ガードウォールが一同を圧し潰そうとするがどうにか無事に登りきることができた。
最上階に辿り着いた5人は、女神像の顔付近にいたがどこにもシグマの姿はなかった。
「ここにも反応がありません。」
「奴はウィルスだ。目で見たりデータで捉えたりできるものじゃない。気配を感じるんだ・・・・・・・奴の夥しい邪気を・・・・・」
エックスはバスターを構えながら付近を探り始める。そのあとにマーティとラッシュも続いて行く。
(俺にはわかる。奴は逃げてなんかいない・・・・・すぐ近くにいる。・・・・・でも、どうしてまた?常に俺達と共に奴は存在し続けてきた・・・・・・?待てよ?っということは寧ろ俺達の存在が奴を・・・・・・・シグマを引き寄せているか?)
「エックス?・・・・・ねえ、エックスってば。」
「ん?」
マーティに声をかけられてエックスは我に返る。
「大丈夫なの?なんか怖い顔になっていたけど。」
「大丈夫だよ。でも、ゼロは一体どこに・・・・・・」
考えを切り替え、エックスはゼロの捜索をする。すると天井からゼロが落ちてきた。
「ぐっ!」
「「「ゼロ!?」」」
切断された右腕を押さえるゼロの姿を見てエックスたちは驚く。アイリスはすぐにそばに行き傷口を押さえる。
「大丈夫なの!?」
心配するアイリスを対してゼロは痛みをこらえながら答える。
「お、俺なら平気だ・・・・・・バスターをやられて格好悪いけどな・・・・。それよりシグマは?シグマはどこだ!?」
「エイリアさんに確認してもらっていますが反応はありません。」
「アイリスは、ゼロと一緒に離脱してくれ。シグマは俺たちで何とかするから。」
「わかったわ。でも、大丈夫なの?」
「平気よ!アタシとエックスにかかればどうってことないんだから!!」
「そうか・・・・・なら、その言葉に甘えさせてもらう。だが、気を付けろよ。」
「あぁ。」
そう言うとアイリスとゼロは転送装置でその場を離れる。
エックスは、バスターを再展開するとすぐそばに見える女神像の顔を見る。
「・・・・・隊長。」
「わかっている。」
エックスたちは一斉に女神像の顔に向けて攻撃する。
女神像の顔は粉々に砕け、その中から禍々しい巨大なシグマの顔が現れた。
『クックククク・・・・・愚かなハンター共よ。貴様らの死を以って真のイレギュラーの姿を知らしめてくれるわ!!』
「そんなデカい顔で言われても困るけどな・・・・・・」
マンドリラーがさりげなく言う中、エックスたちは浮遊するシグマヘッドに向かって攻撃を開始する。
「プラズマチャージショット!!」
「チャージショット!!」
二人は同時に撃つがシグマヘッドは特に目立ったダメージを受ける様子はない。
「死ぬがいい。」
目から光弾を放ち、口を開き、無数の光弾を吐いて接近してくるその姿は何か不気味に感じた。
「うおっ!?」
マンドリラーはシグマヘッドの口に入りかけるが腕で取り押さえる。しかし、こんなことで攻撃を封じられるはずがない。
「クッククククク・・・・・」
シグマは口の中に備え付けられているレーザー砲でマンドリラーを攻撃しようとする。
「ブーメランカッター!!」
「ヌオッ!?」
ビートブードはシグマの右目に向かってブーメランカッターを発射する。カッターはシグマの右目に突き刺さり、爆発する。
「おのれ!」
「俺のこと忘れているよ?」
シグマの目が一瞬ビートブードの方に行っている隙にマンドリラーは腕をドリルに変形させてチャージ中のレーザー砲に突き刺す。
「ゴボッ!?」
「あり~!?」
シグマの口の爆発でマンドリラーは吹き飛ばされる。
「おかしい・・・・・確かにパワーは強力だが手応えがない・・・・・どうなっているんだ?」
あまりにも簡単にやられるシグマを見てエックスは不審に感じた。そんなことを他所にシグマヘッドは再び口を開き、予備のレーザー砲を放とうとする。
「くっ!考えていても仕方ない!」
エックスはチャージが終わらないうちに口に向かってプラズマチャージショットを放つ。
『グワアアァァァァァア!!!』
口の中で連鎖で爆発が起こり、シグマは悲鳴を上げながら凄まじい爆炎を上げて爆発する。しかし、この様子にエックスは不快感を歪められなかった。
「こんなにあっさり・・・・・・いや、明らかにおかしい!シグマが俺たちにわざとやられているようにしか見えない!!」
エックスの直感は、見事に的中した。
「こ、これはっ!?」
ビートブードは持っている発信機を見て動揺する。目の前で今までのものとは比べ物にならない規模の大量のシグマウィルスが検出されたのだ。しかも、爆心地を中心に瞬く間に拡散していく。
「な、なによこれ!」
「大量のシグマウィルスがこの場からどんどん広がっています!おそらくもうこの周囲どころか世界中に!!」
「まずいことになったね・・・・・・・・」
幸いこの場にいた四人には深刻な影響はまだ出ていない。だが、他のレプリロイドも同じということはない。おそらく大半がイレギュラー化しているに違いない。
「くそ!奴は最初っから俺たちを倒すためじゃなくてワザと倒させてウィルスをばらまくことが目的だったんだ!」
エックスは拳を握り締めながら撃ったことを後悔する。
「でも、何とかしないと・・・・・このままじゃ・・・・」
マーティが言いかけた直後、ハンターベースのエイリアから通信が入る。
『・・・・・・こえる?・・・・・・こ・・・・・ちら・・・・・・ンタ・・・・ベース・・・・』
シグマウイルスの影響で通信障害が起こり、ノイズがかかっていた。
『こちら、ハンターベース!皆、応答して!』
「・・・・・・エイリア、大変なことになった。」
エックスは気まずい顔で言う。
『シグマウィルスでしょ?こっちでも感知しているわ。みんな大丈夫なの?』
「取り敢えずね、この場にいる四人は無事だわ。」
マーティがそう言うと通信がシグナスに代わる。
『エックス、マーティ、無事か?その場は危険だ!すぐにハンターベースへ帰還するんだ!』
「シグナス・・・・・世界の様子は?」
『レプリフォース側にも連絡を掛けたが既にシグマウィルスの影響で地球各地が大パニックだ。いくらお前たちとは言えその場にとどまるのは危険だ。』
そう言われて通信を切るとエックスは、歯を食いしばった。
「俺のせいで・・・・・・俺のせいでこんなことに・・・・・・」
「隊長のせいじゃないですよ!どのみちこうなる可能性はあったんです!この場にいたら俺たちもウィルスにやられてしまいます!」
「俺が・・・・・俺がシグマさえ撃たなければ・・・・・・」
「攻撃したことに関しては俺もなんだけどな・・・・」
エックスは、自分で招いてしまったことに対して動揺を隠せなかった。そんなエックスに対してマーティは一発平手打ちをする。
「痛!?」
「しっかりしてよ!エックスがしっかりしなきゃ誰がこのピンチを切り抜けるのよ!?」
マーティはエックスの肩を掴みながら言う。
「今までだって何とかしてきたじゃない!それにアタシだって、きっと同じ判断をしていたわ。だから、誰のせいでもないわよ。」
「マーティ・・・・・・」
「取り敢えず一旦戻りましょ。何か対策を考えないと。」
「・・・・・あぁ。一旦ハンターベースへ引き返そう。この事態を何とか乗り越えないとな。」
マーティに一喝されてエックスは、落ち着きを取り戻し全員でハンターベースへと帰還する。
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