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レーヴァティン

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第百六十三話 治の仕組みその八

「戦う」
「そうする様にするでありますね」
「そしてだ」
 英雄はさらに話した。
「勿論川には頑丈な橋をかけておく」
「すぐに進める様に」
「大井川の様なことはしない」
 江戸時代のこの川の様に橋をかけないことはしないというのだ、幕府は江戸の守りの為にあえてこの川に橋をかけなかったのだ。
「橋はかけておきだ」
「軍勢の行き来もしやすい様にする」
「そして湖もな」
 こちらの路つまり湖路もというのだ。
「港に船を整えておいてな」
「すぐにでありますな」
「人もものも多く送れる様にする」
 その様にするというのだ。
「川も使ってな」
「それをさらに整えていくでありますな」
「そうする、そしてだ」
「戦になれば」
「すぐに国境に大軍を集め」
 そしてというのだ。
「攻める、いいな」
「それでは」
「その時はまだ先でも」
 それでもというのだ。
「今のうちにだ」
「整えるでありますな」
「これは軍勢のことだけでないからな」
「人の往来にも役立ち」
「商業も栄えさせる」
 だからだというのだ。
「尚更いい」
「左様でありますな」
「だからな」
「道は整えていく」
「そうしていく、陸も湖もな」
 どちらの路もというのだ。
「政として整えていく」
「時間はかかるでござるが」
「別にいい」
 今度は智に答えた。
「それは言った通りだ、あとだ」
「あととは」
「西の浮島のことだが」
 今度はこちらの、今世界で動いているもう一つの場所の話をした。
「あちらも順調にだな」
「統一を進めているでござる」
「そうだな」
「半島から地中湖南岸をでござる」
 この地域をというのだ。
「制圧していっているでござる」
「そうだな」
「地中湖を制圧し」
「それからだな」
「さらに攻めていくつもりでござる」
「そうだな、ローマ帝国だな」
 あちらはとだ、英雄は智から西の浮島の話を聞いて述べた。
「あちらは」
「あの帝国でござるか」
「実際にあいつは皇帝に即位してだ」
 久志、彼はというのだ。
「そしてだ」
「帝国ともでござる」
「国の名将を定めたな」
「そのことを見れば」
 まさにというのだ。
「あの国はローマ帝国でござるな」
「そうだな」
「ではだ」
 英雄はさらに言った。
「地中湖を制圧するのは当然だな」
「ローマ帝国は地中海あってでござったな」
「あの海を完全に掌握してだ」
「その海運を以て帝国領を治めていた」
「そうしていたからな」
 その海を多くの船が行き来し大軍を動かすこともしていた、ローマ市民が食べるパンもエジプトのナイル川で作った麦から作られていた。
 それでだ、今もなのだ。 
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