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レーヴァティン

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第百六十三話 治の仕組みその九

「あいつ等のしていたことは正しい」
「そうでござるな」
「湖路を使うとな」
「大軍も多くの物資もすぐに運べるでござる」
「しかも安価にだ」
「それ故に」
「それは正しい、なら俺達もだ」
 自分達もとだ、英雄は話した。
「湖路もな」
「整えていくでござるな」
「そうしていく」
 まさにというのだ。
「例えば九州の米を越前に運ぶなら」
「その時こそ船の出番だ」
 幸正は腕を組んで述べた。
「そうなる」
「その通りだな」
「大軍もだ」
 同じだというのだ。
「そうすればいい」
「陸からだけでなくな」
「陸にこだわるとな」 
 この路だけだというのだ。
「かえってだ」
「進軍が遅れる」
「そうなるからだ」
 だからだというのだ。
「そこはだ」
「湖路もだな」
「使っていくことだ」
「それがいいな」
「是非な、ではな」
「その時はだな」
「陸路も湖路もだ」
 その両方をというのだ。
「使っていこう」
「それではな」
 英雄も頷いた、兎角今は英雄達は内政に専念していた。そうして天下統一を見ていたがその合間にだ。
 食も楽しんだ、英雄は大坂城の御殿の中で今は河豚を食べていた、そうしつつ酒を飲み言うのだった。
「河豚はいい」
「あんた河豚好きっちゃな」
「好きだ」
 愛実に否定せずに答えた。
「それもかなりな」
「やっぱりそうっちゃな」
「刺身にしてもだ」
 見れば河豚の刺身、てっさもある。
「鍋も唐揚げもな」
「どっちも今ここにあるっちゃ」
「そうだ、そして白子もな」
 こちらもというのだ。
「好きだ」
「本当に何でもっちゃな」
「河豚はいい魚だ」
「毒はあるっちゃが」
 この世界でもこのことは同じだ、種類によるにしても。
「それでもっちゃな」
「実に美味い」
「だからっちゃな」
「こうして食ってだ」
「楽しむっちゃな」
「時々でもな、そしてだ」 
 英雄は刺身を食べつつさらに言った、目の前には鍋もありそこでは河豚だけでなく葱や椎茸、茸や豆腐も炊かれている。
「酒もだ」
「それもっちゃな」
「飲んでだ」
 そしてというのだ。
「こちらも楽しむ」
「そうっちゃな」
「酒池肉林ではないが」
「お肉ではないっちゃからな」
「魚だからな、だがだ」
 それでもというのだ。
「その言葉の様にだ」
「楽しむっちゃな」
「河豚もな」
 この魚もというのだ。
「そうする」
「そうっちゃな」
「酒もな、では今宵も飲むか」
 しこたまというのだ、河豚を肴に。 
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