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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十七話 張遼、関羽に諭されるのことその一

                          第八十七話  張遼、関羽に諭されるのこと
 呂布は陳宮を連れてだ。劉備の前に来てだ。まずは頭を下げた。
「有り難う」
「感謝しているのです」
 呂布に続いて陳宮も言うのだった。頭を下げて。
「月達を助けてくれて」
「本当に何を言ったらいいかわからないのです」
「別に。御礼は」
 いいとだ。劉備は笑顔で言うのだった。
「いいから。それよりもね」
「それよりも」
「どうしたのです?」
「皆、幸せになろう」
 こう言うのだった。その笑顔でだ。
「その為にもね」
「あいつ等は許さない」
「そうなのです。絶対になのです」
 呂布は静かに、陳宮は激昂してこんなことを言った。
「月を幽閉していたあいつ等は」
「張譲、成敗するのです」
「真の敵は宦官達だな」
 関羽もだ。こう呂布達に話す。今彼等は劉備の天幕の前にいて話しているのだ。周囲では兵達が動き回っている。無数の天幕が立ち並び旗も林立している。そうした中での話し合いだった。
「やはりな」
「それとね」
 神楽が言う。
「私達の世界のよからぬ者達ね」
「オロチか」
 魏延が神楽の言葉に目を鋭くさせる。
「そしてその他の闇の者達だな」
「何か洛陽に変な奴が一杯集ってるのね」
 馬岱はこう考えていた。
「その連中を洛陽で一網打尽ね」
「簡単な話じゃ。敵がおれば倒すだけじゃ」
 厳顔はあえて簡単に言ってみせた。
「それだけじゃ」
「そう。倒す」
 呂布は一言で言った。
「悪い奴等、恋が全部倒す」
「ねねもです」
 陳宮は呂布の横で両手を高く掲げて振り回している。
「あの連中、許さないのです」
「ではまずはです」
「虎牢関です」
 孔明と鳳統は戦の話に移った。
「あの関を抜きましょう」
「そうしましょう」
「洛陽で決戦なのだ」
 張飛が強い顔で言い切る。
「あの連中皆やっつけるなのだ」
「そうだな。悪は成敗する」
 関羽もそのつもりだった。
「敵が誰であろうともだ」
「では明日再びです」
 徐庶が述べる。
「進軍です。今日はじっくり休みましょう」
「若しよかったら」
「ねね達も一緒にいさせて下さい」
 呂布と陳宮がだ。先陣への参加を願い出て来た。
「そうさせて欲しい」
「それは駄目でしょうか」
「私達と一緒に?」
「そう、一緒に」
「戦わせて下さい」
 呂布と陳宮はさらに踏み込んで話した。
「月を助けてもらった御礼に」
「そうさせて欲しいのです」
「けれど」
 劉備はその二人の言葉にだ。最初は顔を曇らせた。
 そしてだ。二人にこう話した。
「この戦いは激しいものになるけれど」
「戦いはそういうものだから」
「いいのです」 
 二人の返事は変わらなかった。
 
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