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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十六話 董卓、赦されるのことその八

 劉備達は董卓達を天幕に招いてだ。それでだった。
 彼女達にもだ。御馳走を出す。その中でだ。
 劉備は董卓にだ。満面の笑顔で話した。
「それじゃあ董卓ちゃん」
「は、はい」
「遠慮なく食べてね」
 こう話すのだった。
「一杯あるからね」
「毒は入ってないわよね」
 賈駆は董卓の横で眼鏡の奥の目を警戒させている。
「若しそうなら」
「大丈夫ですよ」
 孔明はその賈駆にだ。にこやかに笑って答えた。
「そんなのを入れるのは料理じゃありませんから」
「信じていいのね」
「もう董卓さんは自害されました」
 鳳統は公にはそうなっていることを話した。二人は今は白いエプロンに三角巾を装備している。その姿で賈駆に話すのだった。
「それ以前に私達はそんなことをしません」
「そうね。言われてみればね」
 賈駆は二人の目を見て述べた。
「御免なさい。疑ってしまったわ」
「気にすることはないのだ」
 張飛が賈駆のその暗い気持ちを跳ね飛ばした。
「もうこれから董卓達は鈴々達の仲間なのだ」
「仲間!?」
 その言葉にだ。董白が目をしばたかせて言葉を返す。
「仲間って!?私達が!?」
「はい、そうです」
 その通りだとだ。劉備がまた話す。
「今日から皆さんは私達のお友達です」
「お友達って何よ」
 また賈駆が言う。今度は多少唖然とした顔になっている。
「僕達は敵同士だったのよ。それでどうして」
「昨日の敵は今日の友」
 関羽も今は微笑んでいる。
「そういうことでいいではないか」
「何か話が凄い勝手に進んでるけれど」
「それによ」
 賈駆と董白が眉を顰めさせながら話す。
「大体月は自害したことになってるけれど」
「それでお友達だなんて」
「あれっ、確かこの娘って」
 馬岱がその董卓を見て楽しげに話した。
「名前は」
「そうじゃ。董々というのじゃ」
 厳顔がにこにことして話す。
「可愛い名前じゃのう」
「それが私の名前なんですか」
 董卓本人は目をしばたかせていた。そのうえでの言葉だった。
「そうだったんですか」
「おや、御主は董々ではないか」
 笑みを浮かべてだ。彼女自身にも言う厳顔だった。
「違ったかのう」
「そうなんですか」
「そうじゃ。では話は終わってじゃ」
「うん、それじゃあね」
 劉備が満面の笑みで厳顔の言葉に応えて言う。
「食べよう。それで飲もう」
「御主達も飲むのじゃ」
 また厳顔が董卓達に話す。
「楽しくな」
「じゃあ月、陽」
 賈駆が姉妹に囁く。
「食べよう。僕が一緒にいるから安心して」
「うん、詠ちゃん」
「それじゃあね」
「それとよ」
 賈駆は劉備達に顔を向けてだ。こう言うのだった。
「今まで言いそびれたけれど」
「はい。何でしょうか」
「有り難う」
 頭を下げてだ。劉備達に言うのだった。
「月を助けてくれて有り難う」
「私も」
「助けて下さり有り難うございます」
 董白に続いてだ。董卓自身も頭を下げる。そうして礼を述べるのだった。
 その三人にだ。劉備は満面の笑顔で話した。
「それじゃあね」
「それではだ」
「一緒に食べるのだ」
 関羽と張飛も言ってだ。そうしてだった。
 皆笑顔で御馳走を食べていく。董卓達は劉備達の仲間になった。星達はさらに集ってきていた。そうして闇に対しようとしていたのだった。


第八十六話   完


                       2011・6・7
 
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