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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十六話 董卓、赦されるのことその七

「あの人形の首を差し出したことで」
「そうなのね。けれど」
「勿論皆さん御承知です」
 このことも話す徐庶だった。
「ですがあえてです」
「騙されたの?」
「この度の戦は董卓さんが敵ではありませんから」
 徐庶はそのことを既にわかっていた。そのうえでの言葉だった。
「敵は宦官です。それに」
「それに?」
「間違いなく他にもいます」
 ここで徐庶の目が鋭くなった。そのうえでの言葉だった。
「周泰さん達からの報告を聞く限りは」
「そうそう、それよ」
 同席していた舞がここで話す。
「何かね。白装束の連中が一杯出て来て」
「尚且つだ」
 半蔵もいる。彼も劉備達に話すのだった。
「我等の世界の者達もだ」
「それです。考えてみればです」
 徐庶は半蔵の話を聞きながら述べていく。
「舞さんや半蔵さん達が来られているのならです」
「他の人達も来て不思議じゃないのね」
「はい、そうです」
 その通りだとだ。徐庶は劉備に話す。
「よからぬ人達もです」
「残念だけれど私達の世界ってね」
「よからぬ者達も多いのだ」
 こうだ。舞と半蔵が話すのだった。
「オロチ一族もいればね」
「アンブロジアという邪神もいるのだ」
「そしてです」
 今度は雪だ。彼女も同席しているのだ。
「常世の者達もいます」
「何か。物凄く物騒な世界なのね」
「考えようによっては私達の世界以上にですね」
 徐庶も彼等の話を聞いて目を鋭くさせて述べる。
「危うい世界ですね」
「そんな人達もこの世界に来ていても」
「おかしくありません。むしろ」
 どうかとだ。徐庶は話す。
「来ていると考えるべきです」
「じゃあ洛陽にはそうした人達が」
「いるな、間違いなく」
 蒼志狼が言い切る。
「こっちの世界にもな」
「話がどんどんキナ臭くなってくるな」
「全くだ」
 馬超と趙雲は蒼志狼の話も聞いて言う。
「じゃああたし達あっちの世界の連中ともか」
「戦わなければならないのだな」
「厄介といえば厄介ね」
 黄忠も話す。
「けれど。彼等も倒さないと」
「はい、泰平は戻りません」
 徐庶はここでは言い切った。
「この戦は泰平をもたらす為の戦です」
「じゃあ。その為にもよね」
「はい、虎牢関です」
 そこを何とかするかという話になった。
「あの関を抜け洛陽に向かいましょう」
「戦になるのかしら」
「それは避けられます」
 大丈夫だとだ。徐庶は関のことも劉備に話した。
「あの関におられるのは華雄さんと張遼さんですね」
「うん、そうよね」
「御二人が戦われているのは董卓さんの為でしたが」
「けれど董卓ちゃんは」
「助け出されましたから」
 それでだというのだ。董卓が救出されたならばだ。
 彼女達も戦う理由がない。それでなのだった。
「ですから。もう」
「よかったわ。今度も戦わないで済むのね」
「無駄な戦いは避けるに越したことはありません」
 徐庶は冷静に述べた。
「それでは。今は」
「うん、御馳走食べよう」
「そろそろ朱里ちゃんと雛里ちゃんのお料理ができます」
 待ちに待っただ。それがだというのだ。
「では皆さんで」
「うん、食べよう」
 こうした話をしてだった。そのうえでだ。
 
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