恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十六話 董卓、赦されるのことその五
「そうして一緒に食べよう」
「御馳走をたっぷりとなのだ」
「はい」
董卓はその二人に対して小さく頷いた。そのうえでだ。
彼女もだった。二人に案内されてだ。劉備の天幕に向かうのだった。既にその天幕ではだ。周泰や忍の者達が劉備と話をしていた。
「そう、大変だったのね」
「あの程常にだが」
「忍者だとあんなの日常茶飯事だぜ」
半蔵とガルフォードが劉備に話す。場には趙雲や馬超達もいる。
「それもむしろだ」
「ずっと董卓さんが暗かったのが気掛かりだな」
「自責だ」
趙雲は二人の話を聞いて述べた。
「そのせいだ」
「自責か」
「この度の戦乱は御自身のせいだとだ」
趙雲は影二に対しても話した。
「そう考えているのだ」
「あの人凄く責任感強いからな」
馬超が董卓のその性格について話した。
「そうなるのも無理はないよな」
「常に善政を心掛けていて民思いの人だから」
黄忠も董卓について話す。
「余計にね。そうなっているわね」
「それじゃあ危ないわね」
舞がここまで聞いて言う。
「あの娘、自分から何を言い出すか」
「処刑を願うってのかよ」
火月がこのことを危惧した。
「まさかとは思うけれどね」
「いえ、そのまさかです」
蒼月は弟の危惧にこう話した。
「彼女は。我々にそう願うでしょう」
「そんなのおかしいだろ。だってよ」
火月は少し怒った顔になって兄の言葉に抗議を返した。
「利用されていたんだぞ、あの娘は」
「しかし彼女の名前で全てのことが行われていたのは事実です」
蒼月は厳然たるその事実を話すのだった。
「ですから」
「何だよ、それってよ」
火月は兄の話に余計に怒りだした。
「滅茶苦茶じゃねえかよ」
「いや、蒼月殿の言う通りだ」
半蔵は彼が正しいと話した。
「誰かが責を負わねばならんのだ」
「だからだっていうのかよ」
「そうだ。董卓殿達は責を負わねばならん」
このことをはっきりと話す半蔵だった。
「それが政というものだ」
「何だよ、それってよ」
火月はたまりかねた口調で返した。
「滅茶苦茶じゃねえかよ」
「あの、それは」
劉備もだ。顔を曇らせて言うのだった。
「何とかならないかしら」
「処刑のことですね」
「うん、あんまりだと思うわ」
劉備もそう思うのだった。そのことを周泰に話すのだ。
「だから。どうにかして」
「そうですね。おそらく袁紹さんも曹操さんもです」
ここで言ったのは徐庶だった。彼女は軍師の一人としてこの場に控えていた。孔明と鳳統は料理を作っていて彼女が劉備の傍にいるのだ。
その彼女がだ。こう話すのだった。
「処刑は考えておられません」
「そうなのね」
「責はあくまで宦官達にあります」
そのだ。董卓の名を使っていた彼等にだというのだ。
「それははっきりしています」
「それなら是非」
「しかしです」
希望を見出した劉備にだ。徐庶はまた話した。
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