恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十六話 董卓、赦されるのことその四
「逃げてきたのよ」
「逃げてきたというのか?」
「それは違うと思うのだ」
「いえ、逃げてきたのよ」
それは違うと言おうとする二人にまた告げる董白だった。
そのことを話してだ。二人はだ。今度はこう董白に話した。
「何はともあれだ」
「御前も一緒に食べるのだ」
「そうね。どちらにしろね」
どうなのか。董白はここでこんなことを話した。
「もうすぐ。いなくなるしね」
「いなくなるとは」
「今度は何を言うのだ」
「私達はいいけれど」
いぶかしむ二人にだ。また言う董白だった。
「詠は何の関係もないから。助けてあげてね」
「ちょっと陽、何言ってるのよ」
賈駆はだ。その董白に慌てて言ってきた。
「そんなの僕がさせないから。月も僕が守るから」
「いいのよ。私と姉様はね」
どうなるのか。董白は観念している顔で賈駆に返す。
「今度のことでは首謀者だからね」
「けれどあれは僕が伝えて」
「姉様は国相だったのよ」
こう賈駆にだ。また言う。
「そして私はその腹心よ。それならよ」
「責任は逃れられないっていうの?」
「そうよ。それじゃあどうしても」
「そもそもあれは宦官達の陰謀だし」
「利用されたのは事実よ」
董白の観念している顔は変わらなかった。その口調もだ。
「だから絶対に」
「それはだ」
「絶対にないから安心するのだ」
関羽と張飛は二人を安心させようとこう話す。
「だからだ。心を落ち着けてだ」
「今から食べるのだ」
「その言葉信じていいの?」
董白は怪訝な顔で二人に問い返した。
「本当に」
「私達がそんなことをさせない」
「お姉ちゃんも同じ考えなのだ」
「お姉ちゃん?劉備殿のこと?」
賈駆はすぐに彼女のことだと察した。
「彼女がなの」
「そうだ。姉上はわかっておられる」
「悪いのは全部宦官達なのだ」
「責があるのはあの者達だ」
「それでどうして董卓達が処刑されないといけないのだ」
「・・・・・・その言葉信じさせてもらってもいいのね」
賈駆は二人の言葉を聞いてだ。警戒しながらもこう言った。
「そうさせてもらってもいいのね」
「信じてくれ、少なくともだ」
「何処かの国の鳩みたいなことは言わないのだ」
「わかったわ」
二人の強い目を見てだ。賈駆もこう言った。
そうしてだ。そのうえでだった。
董白に顔を向けてだ。こう問うた。
「それじゃあ陽」
「ええ、姉様と一緒にね」
「申し出を受けましょう」
そうしようというのだった。
「御馳走を頂ましょう」
「そうね。考えてみれば私達最近は」
「碌に食べていなかったわ」
食べ物の話にもなったのだった。
「月なんか特にね」
「そうよね。姉様はずっと幽閉されていたから」
「では皆で一緒に食べよう」
「朱里と雛里が腕によりをかけて作ってくれているのだ」
関羽と張飛が笑顔で話してだ。そうしてであった。
二人は食事の場に案内されるのだった。無論彼女もだ。
「では董卓殿もだ」
「一緒に来るのだ」
こうだ。二人は董卓にも話すのだった。
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