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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十五話 命、忍達を救うのことその五

「間違いない。人間ではない」
「いや、あの不気味な辮髪の化け物は」
 ガルフォードはそちらを見上げている。その彼の横ではパピー達が唸り声をあげている。
「どっかで見たな」
「どっかでって何処でだよ」
 火月がそのガルフォードに問う。
「あんな目立つ化け物一回見たら忘れられないだろ」
「それはそうだけれどな」
「何処で見たのか覚えてねえのかよ」
「夢で見たか?」
 その時のことを思い出したのだった。何とかだ。
「確か」
「つまり悪夢に出て来た妖怪ですね」
 蒼月はそう判断した。
「あの者達は」
「そんなところだな」
「けれどとりあえずは」
 舞もその上を見上げながら話す。
「私達に味方してくれるみたいだけれど」
「そうよ。その通りよ」
「あんた達は都を出なさい」
 妖怪達は楼閣の上から話す。
「ここはあたし達が引き受けるから」
「早くね」
「わかったわ」
 賈駆が最初に二人の言葉に頷いた。
「何処の魔界から来たのかわからないけれど。その言葉に甘えさせてもらうわ」
「そうだ。ここは俺達が引き受ける」
「ですから貴方達は都を出て下さい」
 その彼等が突破しようとした前にだった。
 刀馬と命が出てだ。白装束の者達を倒すのだった。
「急げ!」
「今のうちに!」
「そうね。姉さん、詠!」
 董白が二人に声をかける。
「今のうちよ!」
「う、うん!」
「それじゃあ!」
 二人も彼女の言葉に応える。そうしてだった。
 馬車に乗る。董卓が中に入りだ。賈駆が手綱を持つ。そのうえで出発した。
 馬車の前にはだ。命がいた。その彼女がだ。
 薙刀を縦横に振るいだ。白装束の者達を切り伏せる。そうしながら賈駆に言う。
「今のうちに!」
「え、ええ!」
「それじゃあ!」
 賈駆の横にいる董白も応える。彼女は今も剣を持っている。
「都を出るわよ!」
「早く!」
「わかりました!」
 周泰も応える。彼女だけでなく他の忍達もそれぞれ馬に乗っている。
 そのうえでだ。脱出にかかるのだった。
「行きましょう!」
「ええ、そうね!」
 舞が応える。そうしてだった。
 彼等は馬車を囲みだ。駆けだした。そうしてだった。
 彼等は都を脱出した。虎口を脱したのだった。
 それを見届けてからだ。怪物達はまたしても仕掛けた。
「さあ、留めよ!」
「受けるがいいわ!」
 こう叫んでだ。天高く舞い上がり。
 両手からだ。光を放ってだ。
 白装束の者達を吹き飛ばす。そうして彼等を退けたのだった。
 それが終わってから着地してだ。彼等は仲間達に言うのだった。
「じゃああたし達もね」
「戻りましょう」
「赤壁にね」
「今からね」
「わかりました」
 命が二人に対して答える。
「これで終わりですね」
「ええ、お疲れ様」
「これでまた一つ悪の芽が潰えたわ」
「悪か」
 刀馬は彼等のその言葉に目を向けた。既に彼等の周りの白装束の者達も退けられている。今東門にいるのは彼等だけになっている。
 その中でだ。刀馬は刀を抜いたまま二人に言うのだった。
 
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