恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十五話 命、忍達を救うのことその六
「この連中は悪か」
「そうよ、この世界に介入しようとしているね」
「そうしてそれを己の意のままにしようとしているのを悪とするならね」
「彼等は悪になるわね」
「そうなるわ」
「知っているのだな」
二人の言葉を聞いてだ。次はだ。
刀馬はこのことを察したのだった。二人がこの白装束の者達について知っているということをだ。
「そうなのか」
「調べたのよ。ちょっとね」
「あたし達の本来の世界に戻って」
そのうえでだというのだ。
「彼等もまたなのよ」
「この世界に介入しようとしているのよ」
「この世界には様々な勢力が入り込んでいるのだな」
獅子王はそのことにだ。仮面の奥の目を鋭くさせた。
そのうえでだ。こう話すのだった。
「何故そこまで入り込むのだ」
「オロチやアンブロジア、そして常世ですね」
命は彼等の名前を出した。
「その他にもですね」
「そうよ。本当に色々来ているわ」
「貴方達のそうした存在もあらかたね」
「何故なのだ、それは」
獅子王が二人にまた問う。
「この世界にそこまで」
「多分。介入しやすいからよ」
「それでなのよ」
それでだ。彼等は来ているというのだ。
「この世界はあらゆる平行世界の中でもとりわけ変わった世界だから」
「本来の世界だと誰もが男の筈なのに女の子になっている」
「しかも文明的にも妙に進歩しているところもあるし」
「特に食文化と衣装の文化がね」
「それはあるな」
ギースもだ。この世界の食文化と服装のことについては気付いていた。
「この時代には本来ジャガイモや薩摩芋はなかったし唐辛子もない」
「そうよ。気付いてたのね」
「そのことにも」
「しかも北の方でも米を食うことができる」
ギースの指摘は続く。
「チャイナでは北と南で食生活が大きく変わる」
「北は麦、南は米だったな」
クラウザーも話す。このことをだ。
「この時代なら麦よりも稗や粟の方が多かったな」
「ええ。本来は稗や粟のお粥が主食よ」
「しかもおかずもね」
「誰もがお野菜もお肉もふんだんに食べてるわよね」
「そうなってるわよね」
「それは有り得ない筈だ」
ギースの指摘は続く。
「この世界は我々の時代並に食文化が発達している」
「服もそうだな」
ミスタービッグは服について指摘した。
「我々の時代と同じ程の服を着ているな」
「下着なんか特にそうでしょ」
「かなり凄いでしょ」
「我々の時代の下着ではないのか」
ミスタービッグはこうまで言った。
「ゴムも使っているようだ。服もかなり進歩しているな」
「そうよ。食文化と服装の文化はね」
「この世界はかなり発達しているのよ」
「もっと言えば武器もだけれど」
「本来はこの時代にはないものばかりよ」
二人は今度はだ。武器についても話した。
「蛇矛とか方天画戟とかね」
「そういうものは本来この時代にはないでしょ」
「けれどこの世界には普通にあるものよ」
「つまり。この世界はそれだけ他の世界とは変わっているのよ」
そうしたところを全て踏まえてだ。彼等は話すのであった。
「言うならば平行世界の中の特異点なのよ」
「そうした世界だからああした勢力がね」
どうかというのだ。
「介入してくるのよ」
「そういうことなのよ」
「そういうことか」
刀馬はそこまで聞いて納得した。
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