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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十五話 命、忍達を救うのことその四

「これだけうじゃうじゃと出て来たらな!」
「本当にこの連中」
「何者なのだ」
 舞と影二も拳を振るっている。
「いきなり出て来たし」
「数にも限りがないのか」
「とりあえずは今はな」
 ガルフォードはパピー達と共に戦っている。
「この連中を退けてな」
「そうですね。そして」
 周泰も戦っている。刀だけでなく懐から小刀を出してそれを投げてもいる。
「都を出ましょう」
「難しい状況ね」
 賈駆は董卓を抱いて庇いながら話す。
「これだけ敵の数が多いと」
「けれど。姉さんは何としても」
「わかってるわよ。それはね」
 すぐに答える賈駆だった。
「月だけは。絶対に」
「そうしないとね。本当にね」
 それは何としてもだという二人だった。しかしだった。
 白装束の者達の数は増すばかりだった。状況は危機的なものになっていた。
 馬車と一行は十重二十重に囲まれている。そうなってしまってはだった。
「まずいな」
「そうですね」
 火月と蒼月が言う。その囲みの中でだ。
「ここまで囲まれるとな」
「どうしたものか」
「一点に集中攻撃を浴びせるか」
 半蔵は冷静に述べる。
「今は前をだ」
「それで董卓さんを馬車にお乗せして一気にですね」
 周泰も半蔵の言葉に応えて言う。
「突破されますね」
「そうだ。それしかないか」
「一か八かね」
 舞のその声が鋭いものになる。
「まさに命懸けになるわね」
「しかしそれしかない」 
 影二もだ。決断は下した。
「今はだ」
「なら姉さん、詠」
 董白は二人に対して声をかける。
「早く馬車に乗って。私達が道を開くから」
「陽、けれどそれだと」
「あんた達は」
「言っておくけれど死ぬ気はないから」
 心配する姉達にだ。こう言いはした。
「安心して。一緒に都を出ましょう」
「うん、じゃあ」
「御願いね」
「さて、仕掛けるとするか」
 ガルフォードは二人が馬車に乗ったのを見てからその馬車の前を見据えた。
「道を開くか」
「ちょっとばかり大変そうですけれどね」
 周泰も言う。
「それでもここは」
「それしかない。仕掛ける」
 最後に半蔵が言った。そうしてだった。
 忍達は血路を開こうとする。しかしここで。
 不意にだ。四方八方からだ。
 派手な爆発が起こった。それで白装束の者達が吹き飛ばされていく。
「なっ!?」
「な、何だ」
「これは一体」
「何が起こったのよ!?」
 周泰達も驚いた。突如と起こった爆発にだ。
 そしてだ。門の楼閣の上にだ。彼等が並んで腕を組んで立ちだ。高らかに叫ぶのであった。
「愛と正義と美の戦士!」
「ここに見参よ!」
 怪物達だ。彼等がそこにいた。
「あんた達、よく頑張ったわね!」
「義により助太刀するわ!」
「・・・・・・妖怪だな」
 半蔵はその彼等を見上げて言った。
 
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