恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十五話 命、忍達を救うのことその三
「オロチが企てることはね」
「だからといってこの連中はオロチではない」
影二は白装束の者達を見てまた話した。
「別の怪しさを感じる」
「ううん、話は単純じゃないんですね」
周泰も言う。
「どんどんとんでもないことになっていますね」
「なっているわね」
「それは間違いないな」
舞も影二も周泰に話す。三人で董卓を守りながら。
「けれどもうここまで来たらね」
「最後までやるしかない」
「そうしましょう。そしてまずは」
まずはだというのだ。
「この都を出ましょう」
「董卓ちゃんを助け出してね」
「そうするとしよう」
「すいません」
その董卓が三人に礼の言葉を述べる。彼女も懸命に駆けている。
だが彼女の足は三人に比べて遅い。それがそのまま白装束の者達のつけ入る隙になっていた。
だが何とか凌ぎながらだ。彼等は進んでいた。そして遂に東門が見えた。そこにだ。
「月!」
「姉さん!」
「詠ちゃん!陽!」
董卓は二人の姿を認めて声をあげた。門の下にだ。二人が馬車を用意して待っているのだ。
「待っていてくれたの!」
「当たり前でしょ。待たなくてどうするのよ」
「話は後よ!」
董白が姉に対して言う。
「とにかく。馬車に乗って」
「急いで!」
「う、うん!」
董卓も彼女の言葉に応えてだ。そうしてだ。
馬車に向かう。そこにだった。
半蔵達も出て来た。彼等は周泰達に声をかける。
「よし、それではだ」
「都を出るか!」
「はい、そうしましょう!」
周泰が半蔵と火月の言葉に応える。
「今は急がないと」
「そうだな。しかしその連中は」
「何者ですか?」
ガルフォードと蒼月が周泰達に迫っている白装束の者達を見て問う。
「見たことのない奴等だけれどな」
「敵なのはわかりますが」
「それがよくわからないのよ」
「何者かもな」
舞と影二は戦いながら答える。
「さっきからしつこく来るけれど」
「次から次に出て来る」
「我々の敵であることは間違いないな」
半蔵は簡潔にこう判断した。
「それではだ」
「戦うか」
ガルフォードも言ってだ。そうしてだった。
彼等も白装束の一団と戦う。そうしてその者達を退かせようとする。
しかしだ。何時の間にかだった。
馬車にだ。その白装束の一団が群がって来た。そのうえでだった。
一行を襲う。戦いはさらに激しさを増す。
それを見てだ。董白は剣を手にしたままたまりかねた声で言う。
「どうしたものかしらね、ここは」
「そうそう容易に我等を出すつもりはないか」
「出すどころか」
それどころかだとだ。董白は傍らで爆炎龍を出す半蔵に対して述べた。
「皆殺しにするつもりね」
「少なくとも董卓殿以外はそうだな」
「冗談じゃないわね」
これが董白の言葉だった。
「ここまで来て。死んでたまるものですか」
「それなら何とか」
「ええ、姉様を早く馬車に乗せて」
そうしてだというのだ。
「一刻も早くここを出ましょう」
「既に馬も用意してあります」
蒼月はそれもあるというのだ。
「ですがこのままでは」
「どうしようもねえな!」
火月は炎を刀に宿らせて振るいながら話す。
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