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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十五話 命、忍達を救うのことその一

                          第八十五話  命、忍達を救うのこと
 不意にだ。怪物達が言い出した。
「ちょっと出張の用事が出来たわね」
「そうね」
 こうだ。赤壁に行く途中で話すのであった。
「都に行かないといけないわね」
「今はね」
「何だ?都で何かあったのか?」
 華陀がその彼等に尋ねた。今彼等は道中を進んでいた。その中でのやり取りだった。
「まさかと思うが」
「ええ、董卓ちゃんが助け出されたわ」
「無事ね」
「そうか。それはいいことだな」
 華陀は二人の話を聞いてだ。笑顔で頷いた。
「これで天下を悩ませる種が一つ消えたな」
「ええ、ただね」
「これからが問題なのよ」
 怪物達はここでこう言うのだった。
「向こうも董卓ちゃんが助け出されたのは把握してるから」
「それで何もしてこない筈がないわ」
「そうだな」
 華陀もだ。それはわかるのだった。
 そのうえで頷いてだ。彼はこう言った。
「絶対に追っ手を差し向けて来るな」
「だからよ。すぐに都に向かいましょう」
「一刻の猶予もならないわ」
「ならばだ」
 獅子王が二人の話を聞いて述べた。
「飛ぶのか?それとも瞬間移動か?」
「瞬間移動よ」
「それを使うわ」 
 二人はその超能力をだ。何でもないといった感じで話した。
「皆が行かないと今回はね」
「駄目みたいな話だからね」
「そうか。だからか」
 獅子王もだ。それを聞いてあっさりと述べた。
「それで瞬間移動か」
「はい、そうしましょう」
「是非共」
 こうした話をしてだった。二人はだ。
 仲間達に対してだ。こうも言うのであった。
「じゃあ皆、ゲートは開いたから」
「ここから都に行きましょう」
 何時の間にか空間にだ。黒い扉が出て来ていた。
 その扉を開けるとだ。もうそこは都だった。暗鬱な空でだ。沈んだ雰囲気だった。
 その街を扉の向こうに見ながらだ。二人は言うのだった。
「ここを通ればすぐよ」
「一瞬で行けるわよ」
「そうか、早いな」
 この異常事態にもだ。平然としている華陀だった。
 そしてその華陀を見てだ。ギースが問うた。
「華陀はそれでいいのだな」
「んっ、何がだ?」
「だからだ。瞬時に移動しているのだぞ」
 ギースは怪訝な顔で常識を話した。
「それについては何も思わないのだな」
「便利な術だな」
 本当にこれだけの華陀だった。
「俺もこうした術を身に着けたいものだ」
「そうか。本当にそれだけか」
「妖術も使いようだからな」
 華陀は二人の術の一つをそれだと認識している。
「使う者の心が正しければだ」
「それでいいか」
「少なくともこの二人の心は正しい」
 怪物達の外見は全く見ていない。
「だからいいのだ」
「ならいいのだがな」
 ギースも遂に折れた。それでいいとだ。
 そのうえでだ。華陀にこんなことを言った。このことは言わずにはいられなかった。
「しかし。この二人は正しい心を持っているのか」
「そうだ。私を消しこの世界の為に働いている」
「あら、流石はダーリンね」
「あたし達のことをよくわかってくれてるわ」
 こう話す二人だった。その心正しき怪物達だ。
「そうなのよ。あたし達はこの世界を守る為に働いてるのよ」
「この世界を害する怪しい者達とね」
「怪しいか」
 刀馬が怪しいと見ている者達は二人を見ていた。自分の目の前にいるだ。
 
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