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ヘタリア大帝国

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TURN41 雨と盾その二

「まずはあの娘の艦隊を狙おう」
「ネルソン提督の艦隊ではなく」
「彼には既に資格を用意してある」
「ですがその前にネルソン提督の攻撃が来ますが」
 ヴィクトリー号の攻撃だ。それがあるというのだ。
「それを受けますが」
「何、それもだ」
「備えはありますか」
「こちらも盾を持っている」
 これが東郷のこの場での言葉だった。
「それをやらせてもらう。そうだな」
「そうだなとは?」
「フェム=ペコ提督にはララー=マニィ提督を向けるのも悪くないか」
「あの方をですか」
「あの娘は運がいい」
 あのネクスンと正反対にだ。そうだというのだ。
「その運を見るのも悪くはない」
「ここはですか」
「そうだ。ではだ」
「はい、それでは」
「攻めよう。彼等が鶴翼ならこちらは魚鱗だ」
 その布陣でいくというのだ。太平洋軍は。
「突撃して敵陣を突破する」
「では」
 日本は東郷の言葉に頷きだ。そのうえでだった。
 太平洋軍は東郷の指揮の下その魚鱗陣で一直線に進む。それを見てだった。
 イギリスはすぐにモニターからネルソンとフェムに言ってきた。その言葉はというと。
「じゃあ頼んだな」
「はい、まずは我々がです」
「太平洋軍の攻撃を受け止めます」
「そのうえで反撃を加え」
「その動きを抑えたところで、ですよね」
「ああ、一気に囲んで押し潰す」
 イギリスは強い声で二人に告げた。
「打ち合わせ通りな」
「ではですね」
「今から」
「ああ、奴等が来る」
 イギリスは敵の動きを見ていた。それは一直線に進んできている。まさにネルソンとフェムの艦隊に対してである。
「攻めてくる相手は一旦その矛先を受けてな」
「それからです」
 ネルソンも言う。
「その動きを封じ込めてです」
「こちらから一撃を加えればいいからな」
ではそれでいきましょう」
「ああ、じゃあな」
 こう話してだ。彼等も太平洋軍を迎え撃つ。彼等はフェムの雨とネルソンの盾を頼りにしていた。それで勝つ筈だった。
 しかし東郷は小魚の航続距離、それに入るとすぐにこう命じた。
「いいか。母魚はそのまま進む」
「そうしてですね」
「行く途中で小魚を拾う」
 そうするとだ。東郷は小澤に話した。
「だから今小魚を出してだ」
「そうしてですね」
「進みながら拾って航続距離を保つ」
「今の時点で送れば帰れませんからね」
 小魚、艦載機は出して終わりではないのだ。その帰る場合の燃料も考慮しなければならない。だが東郷はここでだというのだ。
「それを母魚を進ませてだ」
「その分の航続距離をよしとする」
「いいな、それでまずはフェム=ペコ提督の艦隊を叩く」
「ネルソン提督の艦隊ではなく」
「彼は後でいい」
 小澤に対してもだ。東郷はこう言うのだった。
「それでいいな」
「ではネルソン提督の艦隊は」
「盾で防ぐ」
 そうするというのだ。
「彼に対してはな」
「では」
「そうだ。それではだ」
「まずは小魚を出して」
「そして攻める」
 最初はフェムだった。何につけてもだ。
 
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