ロックマンZXO~破壊神のロックマン~
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第六十二話 先輩の助力
前書き
ヴァンは滅茶苦茶強いお助けキャラクターです。
カイゼミーネを瞬殺したヴァンに思わずアッシュとグレイは引いていた。
因みにカイゼミーネのデータはしっかりとコピーしており、二人にカイゼミーネのデータは吸い込まれていく。
「化け物だ…」
「化け物は酷いぞ、助けたのに」
モデルAの引いたような言葉にヴァンは呆れた視線をモデルAに向ける。
「ヴァンみたいな存在をチートって言うのね」
「いつ斬ったのかも分からなかった」
「伊達に四年間もイレギュラーと戦い続けてない。どういう風に動けばより速く動けたりするのか…こういうのは経験しないと分からないだろうな…まだまだお前達、後輩のロックマンに負けるつもりはないぞ」
「勝てる気がしないんだけど…って、それよりもエネルギー炉を止めないと!」
ここに来た目的のもう一つを思い出したアッシュは奥のシャッターを抉じ開けてエネルギー炉のある部屋を見る。
グレイとヴァンもアッシュに続いて部屋の中を見ると、明らかに異常だと言うのは三人にも分かった。
『そこにあるのは、エネルギー炉を制御しているメインコンピュータだな?…いかんな、冷却機能が追いつかず、熱暴走が止まらないようだ。コアモジュールを抜き出して、メインコンピュータを無理やりにでも止めるしかない』
モニターで状況を見ていたトーマスは通信を繋げてメインコンピュータを停止させる方法を伝えると、アッシュとグレイは戸惑う。
「コアモジュールを抜き出すって…あんな大きい物をどうやって…!?」
グレイはコアモジュールを見ながら言う。
何せコアモジュールの重量は凄まじく、ロックマン三人でも持ち上げられるか分からない。
「…なあ、さっきのフォルスロイドに変身出来ないのか?」
「「え?」」
ヴァンの問いに二人は目を見開いたが、質問の意図を理解したモデルAが口を開いた。
「そうか、あの馬鹿でかい武器コンテナをぶら下げていたカイゼミーネならコアモジュールも持ち上げられるかもしれないぞ!」
「よーし、やってみますか!トランスオン!」
カイゼミーネに変身してコアモジュールとドッキングすると、飛翔の要領でコアモジュールを抜き出すと、メインコンピュータが停止した。
「止まったな」
『…どうやら正常にサブシステムへ切り替わったようだな、熱暴走は止められた。後では自動修復システムが働くはずだ。ありがとう、君達のおかげだ。二人を助けてくれたことを感謝しよう、ありがとうモデルOのロックマン…私はレギオンズ三賢人の一人、マスター・トーマスだ。』
「…まさか、連合政府・レギオンズの三賢人に礼を言われる日が来るなんてな」
自分にとって雲の上の存在であったレギオンズ三賢人の一人に礼を言われる日が来るとは人生分からないものである。
「アタシ達からも礼を言うわ。ありがとう、助かったわ」
「ここは俺の故郷だからな、止めに来るのは当たり前だろ」
「故郷…この国が?」
「ああ、四年前に俺は仲間と一緒にセルパンと…モデルVの適合者と戦った。それからずっと戦っていたんだよ…さて、最近世界各地でイレギュラーが暴れ回ってるんだけど、君達…何か知ってるのか?」
「それは…」
アッシュはヴァンに話すべきかと悩ませたが、モデルAが口を開いた。
「実はレギオンズ三賢人の一人のアルバートって奴がな…」
「モデルA…!」
バラそうとしているモデルAに慌てるアッシュに、それを見たモデルAは溜め息を吐いた。
「遅かれ早かれバレるぞ、だったらさっさと話して味方になってもらった方がいいんじゃないのか?」
正直自分達だけではきついと感じているモデルAは一緒に戦ってくれる仲間が欲しいと思っていた。
それならヴァンは知らない相手ではないし、実力もあることから一番仲間になってもらいたい。
「………そうね、グレイも良いわよね?」
「うん」
アッシュはヴァンに自分の知ることを、今まで他のロックマンを倒して得たアルバートのレポートの内容。
そしてヴァン達がロックマンになれる理由を。
「…まさか、モデルVを作ったのが三賢人の一人のマスター・アルバートだったなんてな」
「信じてくれるの?」
「信じるさ、君達は嘘を吐くような奴らじゃないだろ?」
「「ヴァン…!」」
「それにもし嘘なら君達を倒せばいいし」
「「ガク…」」
ヴァンの言葉に感動した二人だが、次のヴァンの言葉にガクッと肩を落とした。
「冗談だよ…でも君達はアルバートにとって特別か…俺達の体にアルバートのDNAが組み込まれていたなんて…体を機械に取り替える時か、何か気持ち悪いな…」
自分の体にアルバートのDNAデータ…つまり異物が混入されていることに不快感を覚えるヴァン。
「言われてみれば確かに…」
アッシュはヒューマノイドで、特に女性であるためかヴァンの気持ちが分かる。
レプリロイドは定期的なメンテナンスを受けるからあまり違和感は感じないのだろうが、人間でありヒューマノイドである二人は嫌悪感を抱くのだ。
「………とにかく、俺もアルバートを倒すのに協力する。」
「ありがとうヴァン!戦力一気に増大だわ!」
「次のイレギュラー発生現場に行ってみよう」
ヴァンを仲間に加えたアッシュとグレイは最後のイレギュラー発生現場に向かうのであった…次の目的地で大変なことになるとは知らずに。
そして奥のトランスサーバーに乗り込んでスクラップ置き場に向かうのだが…。
「ここは…」
「ヴァン?」
トランスサーバーのマップに出た次の目的地にヴァンが反応したのを見て、グレイは首を傾げる。
「次の目的地はあまりここから離れていないようだな。ここはこの国のエリアF、雪が積もってるから寒いぞ」
「へえ、でも流石にクロノフォスがいたエリア程じゃないでしょ。モデルLにも変身出来るしね」
「へへ、地元の奴が仲間だと頼もしいぜ!」
「ここはモデルLが仲間になってくれた場所なんだ。大切な場所だ…そこを荒らすのなら全て叩き斬る」
「………今度、モデルL達のこと教えてくれよ」
「時間があればな」
自分と同じく明確な自我を持つライブメタル達に興味を抱いたモデルAはヴァンに今度教えてくれるように頼んだ。
アッシュが転送座標を設定すると、三人はエリアFへと転送されたのであった。
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