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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第五十三話 油田

 
前書き
アトラス戦

中ボスキラー・モデルF登場

ダブコレではプロコンの連射機の存在もあって中ボスキラーに相応しい強さになった。

連射機は偉大 

 
ハンターキャンプを出てトランスサーバーに乗り込み、起動させたワープポイントに転送すると、アッシュとグレイは先に進んだ。

そして極寒エリアと墜落現場の中間エリアに到達したものの、簡単には先に進めないらしい。

《当エリアニテ、墜落事故発生ノタメ、セーフティロック作動中デス。ロックヲ解除スルニハ、三ツノエレメントスイッチヲ停止サセテ下サイ。各エレメントスイッチハ、弱点属性ノ攻撃ヲ当テルト停止出来マス。炎スイッチニハ電気攻撃、電気スイッチニハ氷攻撃、氷スイッチニハ、炎攻撃ガ効くヨウニ設定サレテイマス。》

「…やっぱり簡単にはいかないわね。二手に分かれるわよグレイ」

「分かった」

運良く各属性に対応するフォルスロイドへの変身が出来るために解除は滞りなく終わらせた。

因みにアッシュは二つのスイッチを停止させることになったが、ローズパークへの変身は避けられたので良しとする。

《エレメントスイッチノ停止ヲ確認。セーフティロック解除》

墜落現場は砂漠なので、油田のエリアに到着すると凄まじい暑さに顔を歪めた。

「暑…っ」

「砂漠だからね…ロックマンだからこれくらいの暑さにも耐えられるけど」

「暑いとか寒いとか、オイラはライブメタルだから分からないからお前ら不便だな」

「こんな暑い所はさっさと用事を済ませて帰るに限るわ。往くわよグレイ」

二人が先に進もうとした時、違法ハンターらしい男が倒れているのを発見し、グレイが駆け寄り、アッシュも遅れて駆け寄る。

「おい!大丈夫か!?」

「うっ…うう…助けてくれ…俺達の飛行艇がとんでもない奴に襲われている…奴は飛行艇を破壊して俺の仲間達を皆殺しにする気だ…」

「皆殺しですって!?」

違法ハンターの言葉に驚く中、トーマスからの通信が入る。

『私だ、マスター・トーマスだ。墜落現場に着いたようだな。そのエリア一帯は地下資源の採掘資源になっている。飛行艇が 爆発すれば施設に誘爆し、そのエリア全てが吹き飛んでしまうぞ』

「全て吹き飛ぶって…じょ、冗談じゃない!おい、早く逃げようぜ!」

トーマスの言葉にモデルAはアッシュとグレイに逃げるように呼び掛ける。

「…飛行艇はこの先にあるのよね…?」

「あのなあ!こいつら違法ハンターなんだろ?言ったらお前達の敵だぞ!?他の連中ならともかく、こんな奴らまで助ける気か!?」

「人の命に あんな奴もこんな奴も関係ないわよ!助けるっていったら助けるの!これはアタシの物語なんだ!自分に悔いが残るような生き方なんてしたくない!」

「…あーもう!グレイも止めろよ!」

「僕も行く!アッシュやハンターのみんなは見ず知らずの僕を助けてくれたんだ。だから僕もそうする!人の命を救うのに理由なんていらない!」

「……駄目だ。こいつらこうなっちゃ、もう手がつけられない…仕方ねえな、もう!ついてきゃいいんだろ!行こうぜ!アッシュ!グレイ!」

説得を諦めたモデルAは自棄になったかのように叫んだ。

するとトーマスはアッシュ達の話が纏まったと判断したのか話を再会する。

「飛行艇が破壊されてしまえば修理パーツも回収出来なくなってしまう。ともかく、最悪の事態は避けねばならない。急いでくれ、アッシュ君、グレイ君。」

「「了解!」」

アッシュとグレイは急いで飛行艇へと突き進む。

パイプの道を上手く伝って行き、こちらに襲い掛かるイレギュラーを返り討ちにしながら奥の数本の柱が建っている谷の場所はロックマン・モデルAの状態では越えられないためローズパークに変身(アッシュはローズパークへの変身にかなり抵抗があったが、移動のためにやむを得ず変身)して谷を越える。

更に奥へと進むと大型の蛇型のメカニロイドが出現し、オイルを吐き出したかと思えば火球を発射してきた。

咄嗟にアッシュがレーザーショットを向けてレーザーサイトを出し、ロックをするとホーミングショットを発射する。

ホーミングショットはメカニロイドの頭部に直撃すると仰け反らせる。

「なるほど、あそこが弱点なわけね」

ホーミングショットの利点はレーザーサイトのロックした敵に確実に必中する点。

このような初見のメカニロイドでも攻撃が通用する位置を割り出してもくれるので、かなり便利な攻撃である。

頭部と胴体を振り下ろしてきたところを上手くかわして頭部に向けてグレイがバスターショットを向けてショットを連射する。

後一歩で倒せるくらいにまで追い詰めたが、メカニロイドは体勢を戻す。

しかし、グレイもまたレーザーサイトを出してメカニロイドをロックし、ホーミングショットを発射。

ホーミングショットの直撃を受けたメカニロイドは爆散し、アッシュとグレイはダッシュで違法ハンターの飛行艇に乗り込むと、怪我をした違法ハンターの一人が二人に気付いた。

「ちょっとあんた、大丈夫?しっかりしなさい」

「君達は俺達を助けに来てくれたのか?俺以外にも何人か逃げ遅れた仲間が部屋に閉じ込められているんだ。どうやら電力が足りなくて一部の扉が開かないみたいだ…お願いだ…仲間達を全員、部屋から出してやってくれ」

「分かったわ、任せなさい。電力が足りないってんなら動力部に向かうわよ」

電力の供給が追い付かないのなら動力部を何とかした方がいいと判断したアッシュは動力部に入ると、複数の動力のうち、いくつかが落下の衝撃で停止状態となっていた。

「これは無理矢理にでも電気を送って再稼働させた方が手っ取り早いわ。気が進まないけどローズパークの出番ね」

「二人でやろう、二人でやった方が早い」

二人はローズパークに変身し、威力を最小限にしたチャージ攻撃を動力に当てて強引に再稼働させる。

すると通路から複数の足音が聞こえたので、動力部を出ると先程の男が礼を言ってきた。

「ありがとう!この恩は忘れないよ…この先にも仲間がいるんだ…助けて欲しい…」

「分かった分かった、あんたはさっさと逃げなさい。良いわね」

アッシュとグレイは奥のシャッターを抉じ開けると、次の瞬間に爆音が聞こえたのでそちらに目を向けると、そこではアトラスが穴を見つめながら佇んでいた。

「…違法ハンター共め、こんな所に逃げ道を残してたか。お前達のはモデルVの生け贄となってもらう…一人残らずな」

そしてアトラスが穴に飛び込み、それを見たアッシュとグレイも追うように飛び込んだ。

「待てっ!」

「アトラス、また会ったわね」

二人の声にアトラスは足を止めて振り返る。

「生きていたか、ロックマン・モデルA。まさか違法ハンター共を助けに来たとでもいうのか?お前達の仲間でもないのに」

「僕のように何も知らないまま傷付く人が増えていくのは見過ごせない!」

「何も知らないんじゃない、お前達が知ろうとしていないだけだ。世界の歴史は戦いの歴史…人々は戦いの中にあってここまで進化してこれた。今、世界はこれから決まるロックマンの王によって新たに進化しようとしている。ロックマンもまた戦うための力だ。力無き者に進化はない、何も知らずに死ぬ者は進化についてこれなかった…ただそれだけの事だ。」

「だったらモデルVの餌にしちまえってか!?随分と野蛮な進化だな!」

「自分の力の意味も知らないお前達に、何が分かる!それでも 間違っていると言うのなら、アタシに勝ってみせろ!ロックオン!!」

アトラスはモデルFを取り出してロックマン・モデルFに変身し、背中に取り付けていたナックルバスターを構えた。

「来るわよ!グレイ!」

「これをかわせるか!?」

ナックルバスターから放たれるショット。

レーザーやバスターのショットよりも高威力だが、かわせない速度ではないと二人は動いたが、突然軌道が変わった。

「「!?」」

軌道が変わったショットに不意を突かれた二人は直撃を受け、そこから追撃でショットが放たれる。

「遠距離からの変幻自在の圧倒的な火力で敵を制圧することを得意とする。それがロックマン・モデルFだ。」

「喰らえ!」

グレイがバスターを構えてチャージバスターを発射するが、同じくチャージを終えていたアトラスがメガトンクラッシュを繰り出し、火炎弾でチャージバスターを相殺する。

「吹き飛べ!!」

ダッシュしながらのメガトンクラッシュ。

グレイは咄嗟に壁蹴りでかわすが、それを見たアトラスは壁にメガトンクラッシュを繰り出してまず一発目のパンチでグレイを壁から叩き落とし、そして二発目をグレイに直撃させる。

「うあ…っ!」

まともに受けたグレイは吹き飛んで壁に叩き付けられるが、すぐに起き上がる。

「ほう、立ち上がるか。タフさだけは認めてやろう」

「ヴァンのパンチと比べればこれくらい…!」

「奴と戦ったのか?その程度の実力で良く生き延びられたものだな」

「その台詞、あんたにそのままお返しするわ」

「何!?ぐあっ!!」

死角からのホーミングショットからのリフレクトレーザーの時間差攻撃が直撃し、そのままチャージを行いながらアトラスとの距離を取るアッシュ。

「あんたの相手はアタシよ!かかってきなさい!!」

「やってくれたな!」

再びナックルバスターを構えてショットを放つアトラスだが、アッシュはダッシュで回避する。

「何だと!?」

「予想通り!どうやらモデルFの弾は急な動きに対応出来るわけじゃないようね!ほら、喰らいなさい!!」

「そんなものに!」

アトラスはジャンプでかわしてナックルバスターで殴りかかるが、リフレクトレーザーは壁や天井を反射してアトラスに直撃する。

「どう?流石に反射の軌道は読みにくいでしょ?」

「っ…なるほど、まぐれとは言えロックマンになれたのは伊達ではないと言うことか。お前、名前は?」

「アタシはアッシュ。一流のハンターで、いつか世界中にアタシの伝説を轟かせる!だからあんたみたいなのに世界を滅茶苦茶にされるわけにはいかないのよねー。あんたのライブメタルも回収したいし、さっさと倒されちゃってよね!!」

「アッシュか…覚えておこう。だが、それは出来ない相談だな!」

アトラスがダッシュと壁蹴りを駆使して縦横無尽に動き回り、床に爆弾を設置していく。

それにより、アッシュの行動範囲を狭めようと言うのだろうが、レーザーサイトを出して爆弾をロックするとホーミングショットで一掃する。

グレイが援護しようとするが、頭の中にアッシュの声が響く。

「(ちょっとグレイ、聞こえる?)」

「(アッシュ?)」

同じモデルAのロックマンだからか、声を出さずとも意思疎通が出来るらしくアッシュは今回それを利用させてもらった。

「(あいつはアタシが抑えとくから、あんたはクロノフォスに変身して“アレ”を使いなさい。あれを使えばあいつを一気に畳み掛けられる)」

「(…タイムボム)」

敵の動きを鈍くするクロノフォスの能力。

モデルOのロックマンであるヴァンには実力差からなのか、それとも耐性があったのかは分からず通用しなかったが、自分達二人の動きを鈍くした能力の威力は自分も身を以て知っている。

「(正直、モデルAの火力じゃ押し切れないわ。あいつ、ホーミングショットの弱点に気付いたのかアタシと距離を取りながら撃ってくるし)」

モデルAの火力は全てのロックマンの中でも低めに位置する。

それを手数で補っていたのだが、アトラスはホーミングショットの弱点であるレーザーサイトからの範囲外から攻撃し、リフレクトレーザーを火炎弾で相殺しながらショットを連射してくるためにジリ貧状態になっていた。

「(分かった、アッシュ。気を付けて)」

「(誰に言ってるのよ、アタシは一流のハンターよ。心配ご無用!!)」

グレイとの作戦会議を終了し、グレイはクロノフォスに変身してチャージを開始する。

「これで終わりだ!吹き飛べ!!」

二丁のナックルバスターを構えて溜め動作の後に巨大な火球を二発発射し、それをかわすが壁に着弾した瞬間に無数に分裂してアッシュに迫る。

「こんの…ギガクラッシュ!!」

対するアッシュもモデルAの奥の手を使い、銃身を高速回転させながら交互に存在する銃口から広範囲にショットを乱射するギガクラッシュを繰り出す。

分裂した弾を全て相殺するが、アッシュは特殊攻撃に必要なエネルギーを一気に消費してしまう。

「奥の手を隠していたか。だが、その様子だと連続での使用は出来ないようだな。これで終わりだ」

「………それはどうかしら?」

ダッシュしながらメガトンクラッシュを繰り出そうとするアトラスだが、不敵な笑みを浮かべるアッシュの言葉に疑問を抱く前に徐々に自分の動きが鈍くなっていることに気付いた。

「何…!?体が…」

「アタシに夢中になってグレイのことを無視していたのが仇になったわね」

「っ……!」

グレイの方を緩慢な動きで見遣ると、クロノフォスのタイムボムを発動してアトラスの動きを鈍くしているグレイの姿があった。

そしてグレイはロックマン・モデルAに変身してバスターを構えてレーザーサイトを出した。

「喰らえっ!!」

ホーミングショットとチャージバスターの同時攻撃。

「ぐあっ!?」

「あんたの敗因はアタシ達を舐めすぎていたことよ。チェックメイトってね」

とどめにリフレクトレーザーを発射し、タイムボムの影響が抜けていないアトラスに直撃した。

そしてダメージに耐えきれずに膝を着いた瞬間にタイムボムの効果が切れたのを感じた。 
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