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英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
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第85話

~Aルート~

「ハァァァァァァァ……!」
戦闘開始時、クレア少佐はライフルを取り出すと同時に集中してアリサ達の頭上に氷の塊を顕現させ
「月の加護を――――――クレセントシェル!!」
それを見たエマは自分を含めた味方全員に魔法攻撃を反射する結界を付与した。
「砕け散れっ!!」
そしてクレア少佐がアリサ達の頭上にある氷の塊をライフルで打ち抜いて氷の雨を振り注がせたが、エマが予め付与した反射結界によって攻撃は全てクレア少佐に反射された。
「うっ!?」
自身のクラフト―――フリジットレインによるダメージが反射されたクレア少佐は怯み
「行きますわよ――――――シャドウステッチ!!」
クレア少佐の攻撃が終わると一瞬でアリサ達を斬り伏せた後鋼糸(ワイヤー)で拘束してダメージを与えた。

「アークス駆動――――――」
クルーガーが攻撃している間にクレア少佐はアーツで攻撃する為にオーブメントを駆動させ始めたが
「排除する。」
「っ!?」
「!!」
クルーガーの攻撃が終わった後に反撃を開始したフィーの牽制射撃によってオーブメントの駆動は妨害され、クレア少佐はダメージを最小限にする為にその場から離れ、クルーガーは素早い動きで回避していた。
「みんな―――頑張って!!」
アリサは味方に回復のエネルギーを振り注がせる矢を頭上に放つクラフト―――セントアライブを放って味方のダメージを回復し
「でぇぇい―――地裂斬!!」
「切り裂いて――――――ショット!!」
「!!」
「ハッ!!」
続けてラウラは地を這う衝撃波をクレア少佐に、トワは花びら状の刃と化す銃弾――――――フルールエッジをクルーガーに放ったが二人はそれぞれ回避した。

「もらった――――――キ――――――クッ!!」
「うっ!?」
「秘技―――裏疾風!斬!!」
「キャッ!?……くっ……リィン様と同じ”八葉一刀流”の使い手ですか……!」
二人が回避する瞬間をそれぞれ狙ったアンゼリカは空高く飛んだ後稲妻のような速さで襲い掛かるクラフト―――ライトニングキックをクレア少佐に、アネラスはクラフト―――裏疾風をクルーガーに叩き込んでダメージを与えた。
「誘惑の罠張り巡らし、我が懐中へ――――――トラクタービーム!!」
「出でよ、我が仇名す者を吹き飛ばす風よ――――――虚空の迅風!!」
「な……くっ!?」
「カハッ!?」
そこにそれぞれ詠唱を終えたエマは魔導杖に登録されている特殊魔法(クラフト)の一つである敵を空中へと持ち上げ、重力をかけて叩き落とすクラフト――――――トラクタービームでクレア少佐に追撃し、シェラザードは強力な魔力風を生成して敵を吹き飛ばす魔術を発動してクルーガーに追撃した。

「くっ………妨害せよ――――――フリーズジェイル!!」
ダメージから立ち直ったクレア少佐は両目に何かの紋様を顕現させた後”力”を発動した。
「な、何これ……!?」
「身体が急に重く……!?」
「これは”星杯”の時の戦いでも見せた……!」
「一時的に敵の動きを制限させる”異能”らしき”力”……!」
クレア少佐が発動した”力”によって体が突然重くなった事にアネラスとラウラは戸惑い、心当たりがエマは真剣な表情で声を上げ、セリーヌは目を細めた。
「ええ……これこそオズボーン閣下を通じて”子供達”に与えられた”力”――――――”巨イナル黄昏”と繋がることでその強制力を意図的に行使する能力です。」
「”強制力を意図的に行使”――――――それが身体の動きを一時的に制限された今の私達という訳か……!」
「まさか”子供達”にそんな化物じみた”力”まであったとはね……!」
クレア少佐の説明を聞いて自分達の状態を察したアンゼリカとシェラザードは厳しい表情で呟き
「そしてその隙が私にとって絶好の好機という訳ですわ――――――」
それを見たクルーガーがアリサ達にSクラフトを叩き込もうとしたその時アリサ達の背後から銃弾と矢による牽制射撃が放たれた!

「な……っ!?」
突然の牽制射撃に驚いたクルーガーは攻撃を中断して回避に専念してクレア少佐の傍へと退避した。
「目を瞑って置け、”Ⅶ組”!!」
「え………」
「この声は確か……」
そこに背後から青年の声が聞こえ、声を聞いたアリサ達がそれぞれ驚いている中トワは呆け、フィーは目を丸くしたがすぐに声の主の通り仲間達と共に目を瞑るとクレア少佐達の足元に数個の閃光手榴弾(スタングレネード)が放り込まれ
閃光手榴弾(スタングレネード)……!?」
「く……ッ!」
足元に放り込まれた数個の閃光手榴弾(スタングレネード)にクレア少佐は驚き、クルーガーは唇を噛み締めた後それぞれ目を瞑って閃光手榴弾(スタングレネード)の炸裂時の強烈な閃光による目くらましを防いだ。しかしその間にアリサ達の背後から現れたロイド達が二人との距離を一気に詰めて二人に奇襲した!

「電磁ネット投射!!」
ノエルは凶悪犯罪者捕縛用の高電圧が流れるネット用のライフルから電磁ネットを発射して二人にダメージを与えると共に電磁ネットで拘束し
「そーれっ――――――闇刀の一撃!!」
「邪を討つ光よ――――――闘聖の一撃!!」
ノエルの攻撃が終わるとシャマーラとエリナが同時に闇と光の一撃をそれぞれ叩き込んで追撃した。
「準備はいいか、ユウナ!?」
「はい、ロイド先輩!!」
そこに互いの視線を交わしたロイドとユウナが二人を挟み撃ちにしてトンファーとガンブレイカーによる息もつかせぬ苛烈な連撃を叩き込んだ後、二人同時に闘気を纏った一点突破の突撃技――――――ブレイブスマッシュを叩き込んでそれぞれの位置を交換した後、止めに同時に強烈な一撃を叩き込んで闘気の大爆発を起こした!
「「ブレイブ―――ストライク!!」」
「「キャアアアアアッ!?あぐッ!?」」
ロイドとユウナが放った敵を挟み撃ち、怒涛の連撃と連携を叩き込むコンビクラフト――――――ブレイブストライクによって大ダメージを受けた二人は吹き飛ばされて壁に叩きつけられた!

「あ、貴方達は……!」
「”特務支援課”……!」
「どうして皆さんがこちらに……確か皆さんはリィンさん達の後をついていくはずだったのでは……?」
ロイド達の登場にアリサとフィーは驚きの声を上げ、エマは戸惑いの表情で訊ねた。
「フフ、メンフィル軍から依頼されていた緊急支援要請の”作業”も終えて後は脱出するだけでしたから、皆さんをお手伝いする為にリィンさん達に許可を取って、私達が先行して皆さんの加勢に参りました!」
「二人の相手は私達に任せて、貴女達は貴女達の目的を果たす為に先に行って!」
「―――エナジーサークル。念の為に先程の戦闘のダメージは回復しておきました。」
「イーリュン、みんなに力を貸して――――――アルテミスの祝福!!セドリックやミリアムがいる所はすぐそこだよ!頑張って!!」
エマの疑問にセティは微笑みながら答え、エリィはアリサ達に先を進むように促し、ティオはクラフトを発動させてアリサ達のダメージを回復し、未来のキーアは魔術でアリサ達に支援効果を付与した後アリサ達に応援の言葉を送り
「あ、ありがとう……!」
「承知……!」
エリィの言葉を聞いたアリサは明るい表情を浮かべ、ラウラは真剣な表情で答えた。
「行くよ、みんなっ!!」
「おおっ!!」
そしてトワの号令を合図に紅き翼の面々はクレア少佐とクルーガーを無視して先へと急いだ。

「くっ……まさか”特務支援課”までⅦ組と共にこの工房に侵入していたとは……!」
「しかもリィン様達―――メンフィル軍もこの工房に侵入しているような口ぶりでしたから、長期戦になればリィン様達も駆けつけて彼らに加勢するのでしょうね……!」
ダメージから立ち直ってロイド達と対峙したクレア少佐は予想外の強敵の登場に唇を噛み締め、ロイド達の援軍としてリィン達も控えている事を悟っていたクルーガーは自分達が劣勢の状況になりつつある事を悟って表情を厳しくした後ロイド達との戦闘を開始した。


~Bルート~

「グラムキャノン照射!」
戦闘開始時、ゲオルグの指示によってナグルファルはオリヴァルト皇子達に収束したレーザーを放ち、襲い掛かるレーザーに対してオリヴァルト皇子達は左右に散開して回避した。
「戦力差があるから、早速チートを使わせてもらうぜ。因果を喰らえ――――――ノイジーフレイム!!」
ゲオルグが攻撃している間にレクター少佐は両目に何かの紋様を顕現させた後”力”を発動した。
「今のは一体………―――これは……!?」
「どういう事!?どのアーツも消費EPが倍になっているわ……!?」
レクター少佐が発動させた”力”を不思議に思ったオリヴァルト皇子だったがすぐに気を取り直してアーツを発動させようとしたが、アーツに必要なEPが通常の倍に増えている事に気づくと驚き、オリヴァルト皇子同様ENIGMAの異変に気づいたサラは困惑の表情で声を上げた。

「”星杯”の時にも使ってきた”力”だ!」
「アーツもそうですけど、クラフトの消費も通常の倍になりますけど、効果時間はそれ程長く続きません!」
一方レクター少佐が使った”力”に見覚えがあったユーシスとエリオットは二人に説明し
「恐らくだがギリアスを通して”黄昏”を利用した”力”の類だ!最もクロスベルの時も使ってきたが、エヴリーヌは全く気にせずガンガンクラフトや魔術を使っていたけどな。」
「エヴリーヌ君の場合は莫大な魔力や闘気をその身に秘める”魔神”である彼女にとっては、魔力や闘気の消費量が増えた所で何の支障にもならなかったからだろうな。」
「へっ、厄介な力だが異世界の連中と比べれば大した事はねぇな。――――――うぉぉぉぉぉぉ………だぁぁぁぁぁっ!!」
苦笑しながら答えたクロウの補足説明を聞いたミュラーは苦笑し、アガットは不敵な笑みを浮かべた後体力を消費する代わりに莫大な闘気と攻撃力を得る戦士の咆哮――――――バッファローレイジを発動した。

「ジョルジュを左右から挟み込むぞ、ユーシス!」
「いいだろう!」
「オレ達は少佐だ、アッシュ!」
「へっ、任せとけや!」
そして反撃を開始したクロウとユーシス、ガイウスとアッシュはそれぞれ左右に分かれてそれぞれゲオルグとレクター少佐に左右から同時に攻撃した。
「ナグルファル!」
「――――――」
「っとぉ!」
それぞれの左右からの同時攻撃に対してゲオルグはナグルファルに結界を展開させて防ぎ、レクター少佐は軽やかに回避した。

「吹き飛べ!」
「――――――」
「ガッ!?」
「ぐっ!?」
続けてナグルファルはゲオルグの指示によって回転して周囲の敵を吹き飛ばすクラフト―――ブロウアームで反撃して二人を吹き飛ばし
「アークス駆動――――――ゴルトスフィア!!」
「ッ!?」
「チィッ!?」
レクター少佐は上位アーツを僅かな駆動時間で発動させてガイウスとアッシュにダメージを与えた。

「エニグマ駆動――――――出でよ、氷の鉄槌――――――アイスハンマー!!」
「エニグマ駆動――――――ふっ、かの”剣帝”の得意技を受けるといい――――――シルバーソーン!!」
「ガッ!?」
「うおっ!?」
そこにレクター少佐が発動した”力”の効果時間が終えるのを待ってアーツを発動したエリオットとオリヴァルト皇子の反撃を受けた二人はそれぞれ怯み
「斬り刻め―――ヤァァァァァァッ!!」
サラが追撃にクラフト―――紫電一閃を放って二人にダメージを与えると共に二人をクラフトによる吸引効果によって一か所に纏めた。

「そこだっ!はぁっ!はぁっ!!」
「暗黒の重力に囚われろ――――――ダークイレイザー!!」
サラが二人を一か所に纏めるとミュラーが広範囲の敵を相手に、巧みな足裁きで切り抜けるヴァンダール流の剣技――――――ハウンドゲイルを叩き込んでダメージを与え、マキアスは暗黒の重力エネルギーで範囲内の敵を一か所に固めるクラフトを二人に叩き込んで二人の動きを封じ込めた。
「跪け――――――」
マキアスが二人の動きを封じ込めると熾烈なる剣で絶対零度に凍らせ、砕き散らすクラフト―――プレシャスソードを発動したユーシスはその場で集中して二人の足元を絶対零度で凍らせ
「オォォォォォォ………ッ!」
「セェェイッ!」
「ハッ、これでも喰らえやっ!!」
それを見て好機と判断したクロウは双刃剣で薙ぎ払う構えをしながら二人に突撃し、ガイウスとアッシュはそれぞれその場から跳躍してユーシスが追撃の一閃をすると同時にクロウは周囲の敵を薙ぎ払う強力な一撃―――クリミナルエッジ、ガイウスは破竹の勢いで敵を串刺しにするクラフト―――サベージファング、アッシュは上空からヴァリアブルアクスによる強烈な一撃を叩き込むクラフト―――ランブスマッシュをそれぞれ二人に叩き込んだ!

「セイヤァッ!!」
「喰らいやがれっ!!」
「ハアッ!!」
「オラアッ!!」
「がっ!?」
「ぐああああっ!?」
4人の攻撃をそれぞれ受けた二人は思わず呻き声を上げた。
「ハッ、オラアッ!でやぁぁぁぁっ!!」
そしてそこにアガットが一気に間合いを詰めて放つ、重剣による連続攻撃のクラフト―――ダイナストゲイルを二人に叩き込んだ!
「うあああああああっ!?ガッ!?」
「ぐあああああああっ!?あだっ!?」
アガットが放ったクラフトによって大ダメージを受けると共に吹き飛ばされた二人は壁に叩きつけられて呻き声を上げた。

「くっ、まさかこれ程とは……!」
「チッ、物量差で来られたら、幾ら俺のチートでもほとんど意味ねぇぞ……!?」
壁に叩きつけられた二人だったがすぐに立ち直って戦闘続行の様子を見せ
「へっ、あれで決まったと思ったが、中々根性があるじゃねぇか。」
「ハッ、このまま押し切るぞ――――――」
その様子を見たアガットは不敵な笑みを浮かべ、アッシュが仲間達に攻撃の続きを促したその時
「ふふっ、さすがに其方達では彼らを抑える事は厳しかったか。」
「へ………」
「この声は……!?」
「まさか――――――」
ゲオルグ達の背後から男の声が聞こえ、それぞれ声に聞き覚えがあるオリヴァルト皇子達が声を聞いた瞬間それぞれ血相を変えている中エリオットは呆け、ミュラーとサラが驚きの表情で声を上げるとゲオルグ達の背後から仮面をつけたアルゼイド子爵が現れた!

「子爵閣下……!」
「くっ……やはり連合やレン皇女殿下が予想していた通りの状況になっていたのか……!」
仮面をつけたアルゼイド子爵の登場にガイウスは声を上げ、ユーシスは唇を噛み締めてアルゼイド子爵を見つめ
「フッ……我が名は”光のガウェイン”。劣勢になりつつあるエレボニアを勝利に導こうとする宰相の騎士。それが私に与えられた偽りの名と役目だ。」
「どうやらクロウの時のように”呪い”や”黒の工房”によって子爵閣下も記憶を操作されて操られているみたいだな……」
「チッ、放蕩皇子の”騎士”だった子爵閣下をギリアスの”騎士”にするなんざ、俺を”ジークフリード”にした時といい、随分と趣味の悪い真似をする事が好きになったようだな、ジョルジュ!」
「………………」
仮面をつけたアルゼイド子爵――――――ガウェインの名乗りを聞いたマキアスは真剣な表情で推測し、クロウは舌打ちをしてゲオルグを睨み、睨まれたゲオルグは何も返さず黙り込んでいた。

「やれやれ……お前達にとってもそうだが、俺達にとっても”想定外”だったぜ、この展開は………にしても、あんたも俺達の味方ならもう少し早く援軍に来て欲しかったんだがね?お陰で俺達は今の戦いで結構ダメージを受けたんだぜ。」
レクター少佐は苦笑した後ガウェインに文句を言った。
「ふふっ、それは申し訳ない。だが、想定外(イレギュラー)の相手をする為には万全の状態で挑む必要がある為、想定外(イレギュラー)が現れるまではそなた達に任せるつもりだったのだ。」
想定外(イレギュラー)………――――――まさか!?」
そしてレクター少佐に対して答えたガウェインの答えを聞いてある事に気づいたゲオルグが血相を変えたその時
「例え”傀儡”に堕ちようとも実力は劣っていないようだな。」
オリヴァルト皇子達の背後からレーヴェの声が聞こえた後オリヴァルト皇子達の背後からプリネ隊と鉄機隊が現れた!

「プリネ皇女殿下……!」
「それに”鉄機隊”もどうしてここに……」
プリネ達の登場にユーシスは驚きの声を上げ、ガイウスは戸惑いの表情で呟いた。
「癒しの雨よ――――――ヒールレイン!!レンさん達の全体の作業も8割がた終了したので、レンさんの指示によってあたし達が先行して皆さんの加勢に参りました!」
「エニグマ駆動――――――クロノドライブ!!子爵閣下達の相手は私達が受け持ちますので、殿下とミュラーさん達は先に進んでどうか皇太子殿下を!」
「わかった、ここは貴女達にお願いする……!」
「ご武運を、継母上(ははうえ)……!」
オリヴァルト皇子達の傷を魔術で回復させたツーヤとアーツでオリヴァルト皇子達の身体能力を上昇させたオリエの言葉を聞いたオリヴァルト皇子とミュラーはガウェイン達の相手をプリネ達に任せて先に急ぐ事を決めた。

「デュバリィさん、”光の剣匠”の他にも相手がいますので昨日の打ち合わせ通りの編成でお願いします!」
「言われなくてもわかっていますわ!そういう訳ですから、私の足を引っ張るんじゃありません事よ、No.Ⅱ!」
「やれやれ……結社を抜けてもう3年になった上そちらも結社を抜けたのだから、いい加減俺を執行者のナンバーで呼ぶのは止めて欲しいのだがな。」
プリネに声をかけられたデュバリィは返事をした後レーヴェに視線を向け、視線を向けられたレーヴェは呆れた表情で答えた後デュバリィとリンクを結んでガウェインへと向かい
「昨日の打ち合わせ通り僭越ながら相方をお願いします、エヴリーヌ殿。」
「ん。レン達が来る前に潰すつもりでさっさと終わらせるよ……!」
更にオリエとエヴリーヌもリンクを結んでガウェインへと向かった。

「私達も行くわよ、ツーヤ!」
「はい、マスター!エンネアさんとアイネスさんもお願いします!」
「ええ、こちらこそよろしくね。」
「ふふっ、それでは始めるとしよう――――――昏き地の底にて交える想定外(イレギュラー)の闘いを――――――!」
そしてプリネはツーヤと、エンネアはアイネスとそれぞれリンクを結んだ後レクター少佐とゲオルグへと向かい
「くっ……まさか、メンフィルとの共闘でここに侵入していたとは……!」
「ったく、この調子じゃクレア達の方も似たような展開になっているだろうから、援軍は期待できそうにねぇな……!」
「フフ、来るがいい――――――我らが”主”の計画を悉く崩し続ける想定外(イレギュラー)達よ!」
ゲオルグとレクター少佐は自分達に向かってきたプリネ達を見て自分達の状況が不味い展開になりつつある事を悟って表情を厳しくし、ガウェインは不敵な笑みを浮かべて自分に向かって来るレーヴェ達を見つめて宣言した後それぞれの相手との戦闘を開始し、オリヴァルト皇子達はプリネ達が戦っている間に先へと急いだ。

~Cルート~

「アハハ、燃えちゃえ~っ!!」
戦闘開始時シャーリィは火炎放射で敵を焼き尽くすクラフト―――フレイムチャージで先制攻撃を仕掛け
「アァァァァァァ――――ッ!!」
対する―――は緋色の魔力を剣に宿し、敵を切り裂くクラフト―――タリスマンソードで襲い掛かる火炎放射を自身の炎の斬撃で切り裂いた。
「消エロ!!」
続けて―――――は敵の懐に飛び込み、苛烈な一撃を放つクラフト―――クイックレイドでシャーリィに反撃し
「おっと!へぇ~、事前情報だと武術は護身レベルで身体能力も大した事ないって話だったけど、”呪い”のお陰でみんな、強化されたって事かな?」
―――――の反撃を軽やかに回避したシャーリィは興味ありげな表情を浮かべて――――――の強さを分析していた。

「いっけー――――――ッ!!」
そしてシャーリィは射撃の斬撃の連携攻撃―――ブラッディクロスで――――を攻撃し
「アァァァァァァ――――――ッ!!」
対する――――――はシャーリィの連携攻撃を全て騎士剣で捌いた。
「いいねぇ……!それじゃ、これはどうかな……っと!」
「死ネ!!」
攻撃を防がれたシャーリィは素早い動きで左右にバックステップした後空高くへと跳躍して――――に自身の得物を振り下ろし、シャーリィの強襲攻撃に対して――――――は剣に膨大な魔力を注ぎ込んだ後、注ぎ込んだ魔力をシャーリィ目掛けて解き放った。

「!あぐっ!?」
―――――が放ったクラフト―――カーディナルブラストによる強烈な一撃を受けたシャーリィは思わず呻き声を上げて何とか受け身を取って地面に着地した。
「アァァァァッ!!」
「っ!!ヤァァァァァァァッ!!」
シャーリィが着地するとその瞬間―――は素早く炎の三段攻撃をシャーリィに繰り出し、シャーリィは―――が放ったクラフト―――メルトスラストによるダメージで表情を顰めた後大きく後ろに跳躍してライフルを乱射させて反撃をした。シャーリィのクラフト―――ライフル掃射による無数の銃弾は次々と―――に命中したが、―――を纏っている膨大な瘴気が襲い掛かる銃弾を次々と弾いた。
「アアアァァァッ!!」
そして――――――は反撃に渾身の魔力を解き放ち、周囲の敵を一閃するクラフト―――アビスブレイドをシャーリィに放ち
「!!う~ん……生半可な攻撃はあの”呪い”の力みたいなのに跳ね返されるし、かといって殺すのも禁じられているから面倒になってきたな~。」
襲い掛かる一閃技を跳躍で回避して――――――との距離を取ったシャーリィは溜息を吐いた。

~Bルート~

「幾ら”呪い”によって戦闘能力が向上されているとはいえ、”元”となる皇太子の実力が大した事ないから、さすがに皇太子一人じゃ力押しで”紅の戦鬼”相手に切り抜けるのは厳しそうね。夏至祭の件といい、ホント手間をかけさせてくれるわね………」
一方その頃、メンフィル軍が作業をしている中ハッキングした端末で―――とシャーリィの戦いの状況を見ていたレンは呆れた表情で呟き
「ま、いいわ。”実験”も兼ねての援護をしてあげるわ♪」
すぐにある事を思いつくと小悪魔な笑みを浮かべて端末を操作し始めた。

~Cルート~

「侵入者を発見しました。」
「これより殲滅に入ります。」
「ちょっと~、シャーリィの獲物に勝手に手を出さないでよ~!こっちはいいから、どっか他の所に行って!」
シャーリィが――――――の動きを警戒して――――――と睨み合っていると人形兵器達が転位によって現れ、それを見たシャーリィは不満げな表情で人形兵器達に撤退を命じた。しかしその時何と人形兵器達は―――ではなく、シャーリィに攻撃を仕掛けた!
「どういう事!?何で皇太子じゃなくてシャーリィを……!」
予想外の人形兵器達の奇襲にシャーリィが困惑したその時、――――の背後から大型の人形兵器が数体現れた後シャーリィに攻撃を開始した!
「っとぉ!またぁっ!?一体どうなって………――――――!あ~、なるほどね~………リーシャ達と違って碧の大樹で弱っていたシャーリィに”止め”を刺そうとした時といい、ホント君は容赦ないねぇ――――――”殲滅天使”!!」
人形兵器達の攻撃を回避したシャーリィは困惑し続けていたが、ふとエヴリーヌ――――――メンフィルが黒の工房の本拠地を捜索する”Ⅶ組”に協力している事実を思い出し、その事実と人形兵器達がⅦ組と共に侵入したレンによって操られている事をシャーリィ自身に備わっている桁外れの”勘”によって結びつけると、不敵な笑みを浮かべてレンを思い浮かべた。すると次々と人形兵器達に加えて黒の工房とRF(ラインフォルトグループ)の共同開発によって生まれた魔導と科学の兵器―――”魔煌機兵”達が現れてシャーリィを包囲した。

「アハハ、いいねぇ!この後に控えている戦いの”準備運動”にちょうどいいよ!という訳でシャーリィはこいつらの相手をしなくちゃならないから、”また後でね”、皇太子さん♪」
そしてシャーリィは人形兵器達との戦闘を開始し
「アァァァァ………」
――――――はシャーリィが自分に対する敵意を無くして人形兵器達との戦闘を開始すると先へと進み始めた――――――
 
 

 
後書き
今回のAチームとBチームにそれぞれの援軍が到着した時のBGMはAチームは零の”踏み出す勇気”か”守りぬく意志”、Bチームは空シリーズの”銀の意志”か”Cry for your Eternity”のどちらかだと思ってください♪
 
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