英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第86話
オリヴァルト皇子達、アリサ達、それぞれが先へと急いでいるとそれぞれのメンバーと合流した。
~黒の工房本拠地・連絡回廊~
「みんな……!」
「予定通り合流できたわね……!」
「ハッ、そっちも気合、十分みてぇじゃねえか。」
オリヴァルト皇子達と合流できたアリサは明るい表情で声を上げ、サラとアッシュは口元に笑みを浮かべて答え
「ええ、”特務支援課”の皆さんのお陰で何とかシャロンさんとクレア少佐を越えてこちらに来ることができました。」
「そっちは”特務支援課”が助けに来てくれたんだ。僕達はプリネ皇女殿下達と鉄機隊が助けに来てくれたよ。」
「ああ……子爵閣下まで向こう側の援軍として現れた時は、どうなる事かと思ったな――――――」
「おい……っ!」
アッシュの言葉に答えたエマの話を聞いたエリオットは自分達の状況を伝え、エリオットの言葉に頷いたマキアスが疲れた表情で続きを答えたその時ユーシスは真剣な表情で制止の声を上げた。
「あ”。」
ユーシスの制止の声を聞いたマキアスはラウラに気づくと失言をしてしまった事に気づき
「…………その口ぶりだとレン皇女殿下達――――――連合側が想定していた通り、父上まで”あちら側”についてしまったのか……」
「ああ………俺の時みたいに仮面をして今は”光のガウェイン”って名乗っているけどな。」
重々しい様子を纏って呟いたラウラの確認の言葉にクロウは静かな表情で頷いた。
「”仮面”……そういえばクロウの時も仮面が外れた瞬間、記憶も戻っていたよね?」
「ええ……その件を考えると、ひょっとしたら”光の剣匠”も仮面が外れれば記憶が戻るかもしれないわね。」
ある事を思い出したフィーの言葉に頷いたセリーヌはある推測をした。
「いずれにせよ、子爵閣下に戻って頂く方法も考えなければならないな。」
「そうだね。その為にもまずはここに来た”目的”を果たさなければね――――――」
ミュラーが呟いた言葉に頷いたオリヴァルト皇子がある方向に視線を向け、オリヴァルト皇子に続くようにその場にいる全員もオリヴァルト皇子が見つめている方向に視線を向けるとその先には――――――がいた!
「………ミツケタ………僕ノ………僕ダケノ”チカラ”………ソシテ……”アノ人タチ”ニ返サナケレバナラナイモノ………」
――――――は拘束されている紅の騎神と”根源たる虚無の剣”を順番に見上げた。
「――――――!!」
するとその時オリヴァルト皇子の声が聞こえるとオリヴァルト皇子達は――――――に近づいた。
「殿下……」
「き、聞こえていない……?」
「恐らく”呪い”に”呑み込まれている”状況だと思います……」
「ええ……しかもあの瘴気……あの色はまさか……」
「ああ、オレよりも遥かにヤベー状態みてぇだがな……”呪い”に蝕まれた状態……たしか”贄”だったか?」
真剣な表情で声をかけたアンゼリカに対して何も反応しない―――――の様子に戸惑っているトワにエマとセリーヌは説明し、アッシュは目を細めて――――を見つめた。
「ええっ!?」
「確かにヒューゴ達の時より、もっと濃い色だね。」
「エレボニアを蝕み続けるという”巨イナル一”の呪い……」
「話には聞いていたが、まさかあんなヤバいものとはな……」
「フウ……こういう時、師匠がいればどれだけ心強かった事やら。」
「まあペテレーネさんは”闇陣営”の女神の一柱に”神格者”にしてもらった人ですから、ああいった状況を何とかする手段を持っていそうですよねぇ。」
アッシュの言葉を聞いたエリオットは驚き、フィーとガイウス、アガットは真剣な表情で――――――を見つめ、シェラザードとアネラスはそれぞれペテレーネを思い浮かべた。
「ホロボセ……スベテヲ……アイツラヲ塵にして……スベテヲトリモドスタメニ……」
一方――――が呟い手を掲げて全身に纏う瘴気を強くするとテスタロッサと根源たる虚無の剣が妖しげな紅い光を放ち始めた。
「目を覚ますんだ――――――セドリック!!」
するとその時オリヴァルト皇子は声を上げて銃を構えた。
「そんな風に自分だけで全てを背負うのは止めてくれ!私やアルフィン、継母上に父上、そしてクルトやⅦ組のみんなの気持ちも少しはわかってやってくれ!」
「……………邪魔ヲ……スルツモリカ……?」
オリヴァルト皇子の呼びかけを聞いた――――――は振り向いてオリヴァルト皇子達を睨んだ。
「――――――恐れながら。今の貴方は貴方らしくありません。クルトもこの場にいれば、間違いなく命をかけてでも貴方をお止めするでしょう。」
―――――の言葉に対して答えたミュラーは自身の得物である大剣を構えた。
「ヴァンダールの剣は守護にして破邪顕正の剣……弟に代わり、必ずや貴方をお止めし、そして救わせて頂きます……!」
「どうか全力でセドリックを止めてあげてくれ、みんな……っ!」
ミュラーが宣言するとオリヴァルト皇子はアリサ達に号令をかけ
「仰せのままに(イエス)、我が主!!」
オリヴァルト皇子の号令にアリサ達は力強い答えを返し
「ふふっ、”嵐の銀閃”の力、見せてあげるわ、皇太子殿下!」
「遊撃士協会所属B級正遊撃士にして”八葉一刀流”奥伝アネラス・エルフィード……道と義に従い、全身全霊を持って挑ませてもらうよ……っ!」
「へっ、俺の”重剣”、受け止められるものなら受けてみやがれ!!」
シェラザード、アネラス、アガットもそれぞれ戦意を高めてオリヴァルト皇子と共に――――――との戦闘を開始した!
”呪い”に呑み込まれた――――――は圧倒的な数の差があるオリヴァルト皇子達相手に互角に戦う程手強かったが、オリヴァルト皇子達は協力して――――を疲弊させた。
「ぐうっ……うぁあっ………ボクは……僕のナマエは……」
オリヴァルト皇子達との戦争による疲弊の影響で――――はほんの僅かな意識を取り戻しかけようとしていた。
「セドリック…………!」
「何とかこのまま取り戻せれば―――――」
アリサ達が―――との激闘で疲弊を見せている中――――の異変に気づいたオリヴァルト皇子は驚き、ミュラーは真剣な表情で声を上げた。
「……ミリアムさん………兄上……皆さん……僕は……いったいなんてことを……」
「あ………」
更に意識を取り戻しかけようとしている――――の様子を見たトワが呆けた声を出したその時、―――の周囲に更に凄まじい瘴気が発生した。
「チィ……ッ!」
「アアアアアアアアアアッ……!」
それを見たアッシュが舌打ちをしている中、――――は咆哮を上げた。
「殿下……セドリック皇太子殿下……ッ!」
「くっ、どうすれば――――――」
―――――の様子を見たユーシスが悲痛そうな表情で声を上げ、ガイウスが唇を噛み締めたその時それぞれのENIGMAが光を放ち始め、ENIGMAの異変に気づいたオリヴァルト皇子達はそれぞれ自分達のENIGMAを取り出して開いた。
「こ、これって……!?」
「ENIGMA・R(リメイク)――――まさか!」
「ヴァリマールや機甲兵での戦いで皆が繋がった時のような……!」
それぞれのENIGMAの様子に心当たりがあるアリサとエマ、マキアスはそれぞれ驚きの声を上げると――――のARCUS(アークス)も光を放ち始めてオリヴァルト皇子達のENIGMAと同時に光を放ち始めた。
「グウッ……アアアアア………」
「繋げなさい――――――全員を!皇太子はある理由で”心のカケラ”を失ってる状態よ!アンタたちにリィン達、それ以外にも縁がある人間全員―――語りかけてやれば取り戻せる筈よ!」
自身のARCUSに異変に気づいた―――が唸り声を上げている中セリーヌがオリヴァルト皇子達に助言をした。
「了解……!」
「この期に及んでオカルトとは気に喰わねぇが!」
「我らのENIGMA・Rを起点に工房内にいるリィンや皇女殿下達にも――――――!」
そしてセリーヌの助言に返事をしたフィー、アッシュ、ラウラはそれぞれ仲間達と共にリンクを繋げ始めた。するとオリヴァルト皇子達と―――を中心に凄まじい光が放ち始めた。
~Aルート~
「これは……」
「感じますわ……セドリックを……!」
一方その頃、全ての作業を終えて先行したアリサ達やロイド達との合流の為にリィン達と共に進軍をしていたクルトは光を放ち始めている自身のENIGMAに気づくと驚き、アルフィンは真剣な表情で声を上げ
「……お兄様!」
「ああ……間違いなくアリサ達だな……!」
セレーネに声をかけられたリィンは苦笑していた。
~???~
「……どうして……僕は……呑み込まれて取り返しのつかないことを……僕に……もっと力があればこんなことには……」
自身の深層の中で―――――は自分の過去の行動を後悔していた。
「だから君は責任感が強すぎるんだよ……」
その時オリヴァルト皇子の幻影が現れて―――に語りかけた後幻影は消えると同時に小さな光を――――の前にある何かへと向かい、微かな光を灯した。
「あの時と今のあなたの立場は、本来は自分だったんです……」
オリヴァルト皇子の幻影に入れ替わるようにリィンの幻影が現れて―――に語り掛けた後オリヴァルト皇子の幻影のように消えると同時に微かな光を――――の前にある何かに宿り、微かな光を僅かに強めた。
「貴方を呑み込んでいる負の想念は”呪い”―――――エレボニアを蝕み続けたものです。」
「実際に貴方がしてしまった事は取り返しのつかない事ではあるけど……」
「貴方は決して一人ではありません、殿下……!」
リィンの幻影が消えるとミュラー、アルフィン、オリエの幻影が次々に現れて―――に語りかけた後それぞれの光を――――の前にある何かに灯し
「取り戻してください!まずは貴方の名前と意志を!貴方ならきっと取り戻せるはずです!」
更にクルトの幻影が現れて―――に語りかけた後消えると同時に光を――――の何かに灯した。そしてⅦ組の面々も次々と現れて――――――に語りかけてそれぞれの光を――――――の前にある何かに灯した。
「そうだ……そうだった……僕はこんなにも多くの人に……想われ…………そうか……あれから……1週間以上も……」
何かの光が強まった事で自我を取り戻した――――は自身の状況をようやく把握した。
「あはは、リィン程じゃないけど、寝坊しちゃったみたいだね。」
「……ッ………ぁぁ……………」
するとその時少女の声が聞こえ、自身にとって聞き覚えのある声を聞いた――――が辛そうな表情を浮かべると、何とミリアムの幻影が現れた!
「ミリアム……さん………」
「ニシシ、また会えて何よりだよ。まあ、ボクの方は残留思念みたいなものだけど。テスタロッサも思考フレームのコアがロストしちゃったけど……それでも皇太子殿下の力になりたいって伝えてくれって言われたんだ。あ、当然ボクも使いこなしてよね!聖獣には気の毒だったけどきっとみんなの力になるから!」
そして自身とテスタロッサの意思を伝えたミリアムの幻影が消えると光が―――の前にある何かに灯り、何かは強い光を放ち始めた。
「……ミリアムさん……テスタロッサも……ありがとう……」
―――――は涙を流しながらミリアムとテスタロッサに対して感謝の言葉を述べた。
「これからは貴方が自分とセレーネの代わりに、アリサ達と共に考え、貴方自身の”道”を見つけてください、殿下……!」
その時再びリィンの幻影が現れて――――に応援の言葉をかけた。
「リィン……さん……そんな……僕には分不相応の役割ですよ……」
「フッ、だったらさっさと目覚めて、リィン君達に文句を言ってリィン君達もこれからの事を一緒に考えて欲しいと頼んで、リィン君達を困らせてあげればいいのさ!」
「その為にも取り戻してください――――――貴方の名を!」
リィンの幻影の言葉に――――――が謙遜しているとオリヴァルト皇子とクルトの幻影も再び現れて――――――に激励の言葉をかけた。
「うん、僕は………アルノール皇家次男にして帝位継承権第一位……エレボニア帝国皇太子……こんな僕の為にここまで来てくれた兄上達の力になる者―――――セドリック・ライゼ・アルノール。」
そして二人の言葉に頷いた――――――は自身の名――――――セドリックを取り戻した!
~連絡回廊~
オリヴァルト皇子達がセドリックの様子を見守っているとセドリックを覆っていた瘴気は消えていった。
「……ぁ………」
「……やったわね。」
セドリックの様子を見たトワは呆けた声を出し、セリーヌは安堵の表情で呟いた。そしてセドリックは騎士剣を鞘に納め、その様子を見たオリヴァルト皇子達は血相を変えた。
「殿下……!」
「どうやら戻ってこられたようだね、セドリック……!」
「はい……!髪は……戻っていませんけど、もう大丈夫です。」
明るい表情をしたミュラーとオリヴァルト皇子の言葉にセドリックは答えた。
「あ………」
「ふふ、ご無事のようで何よりです。」
「後はミリアムを回収し、リィン達と合流して脱出するだけか。」
セドリックの様子を見たトワは呆けた声を出し、アンゼリカは静かな笑みを浮かべ、ユーシスは根源たる虚無の剣を見上げた。
「……”呪い”に侵されていた事で一通りの状況は理解していますが……その前に”呪い”に侵された事で視えた霊脈の記憶でリィンさんの事についてがわかりましたので、それを皆さんに教えておきます。」
「ええっ!?リィンの……!?」
「殿下は一体リィンの何を”視た”のでしょうか?」
セドリックが答えた驚愕の事実に仲間達が血相を変えている中アリサは驚きの声を上げ、ラウラは真剣な表情で訊ねた。
「13年前の”百日戦役”――――――いえ、”ハーメルの惨劇”が起こる少し前に当時帝都にあったオズボーン宰相の邸宅が宰相が留守の間に猟兵達によって襲われ、その際の襲撃によって宰相の奥方は亡くなり………更に宰相のご子息であるリィンさん自身も”襲撃時の建物の倒壊での建材によって心臓が突き刺さった致命傷の状態”だったんです。」
「何ですって!?」
「そんな状態でどうやってリィンは今もこうして生きる事ができるようになったのでしょうか?」
(”ハーメルが起こる前の襲撃”というのも気になる話だな。)
(ああ、ひょっとしたらハーメルの襲撃を依頼した者達も関わっているかもしれないね。)
セドリックが答えた驚愕の事実にアリサ達がそれぞれ血相を変えている中サラは厳しい表情で声を上げ、ガイウスは真剣な表情で訊ね、ミュラーとオリヴァルト皇子は小声で会話をしていた。
「それが……”オズボーン宰相が自身の心臓をリィンさんに移植したお陰で、リィンさんは一命を取り留めたんです。”」
「ええっ!?オズボーン宰相が!?」
「なるほどな……道理で心臓を撃っても生きていた訳だぜ。何せ”最初から心臓が無かったのだからな。”」
セドリックの説明に仲間達が再び血相を変えている中エリオットは驚きの声を上げ、クロウは真剣な表情で考え込み
「おい、ちょっと待て……その話だと例の鉄血宰相は心臓無しで生きている事になるぞ!?」
「い、言われてみればそうですよね……?」
「不死者じゃあるまいし、人間が心臓無しで生きられるなんてどう考えてもありえないけど……一体どういう事なのかしら?」
セドリックの話を聞いてある事実に気づいたアガットは信じられない表情で声を上げ、アガットの言葉にアネラスは困惑の表情で頷き、シェラザードは真剣な表情で考え込んだ。
「不死者………ハッ、そういう”カラクリ”か。」
「多分その時にもう”黒の工房”と何らかの形で繋がって、リィンの心臓の移植もそうだけど、オズボーン宰相自身もその時に”不死者”になったんだろうね。」
「ええ………そして恐らくだけどリィンの例の力――――――”鬼の力”もその話が深く関係しているでしょうね。」
「心臓を移植した時に帝国の”呪い”の力の一部が”鬼の力”として宿った――――――いえ、宿らされた事が考えられるわね………―――――――!ま、まさか……その時にリィンさんはアッシュさんのように”選ばれて”しまったんじゃ……!?」
シェラザードのある言葉を聞いて事情を悟ったアッシュは鼻を鳴らし、真剣な表情で呟いたフィーの推測にセリーヌは頷き、考え込みながら呟いたエマはある推測に気づくと不安そうな表情で声を上げた。
「”リィンがアッシュのように選ばれた”ってもしかして……」
「”巨イナル黄昏”の”贄”って事!?」
エマの推測を聞いたマキアスは不安そうな表情で呟き、サラは厳しい表情で答えを口にした。
「はい……”真の贄”と呼ばれる存在にリィンさんは”巨イナル黄昏”そのものに”選ばれたの”です。――――――最も、皆さんもご存じのようにリィンさんがメンフィル帝国側についた事でリィンさんに手出しする事が厳しい状況になった事、更にクロスベルが下剋上を果たしてメンフィルと連合を組んでエレボニアに戦争を仕掛けた事で、オズボーン宰相達の計画は大幅に狂い、急遽紅き終焉の魔王(エンド・オブ・ヴァーミリオン)と一体化していた事で魔王による霊力や瘴気に蝕まれていた僕を”真の贄の代わり”とする事でその計画の狂いを修正しようとしていたんです。」
「フフ――――――その通りです。」
そしてセドリックが更なる驚愕の事実を説明すると、突如その場に低く艶のある声が聞こえてきた!するとオリヴァルト皇子達の前にオズボーン宰相とアルベリヒが転位魔術によって現れた!
「……ッ!」
「てめぇは………」
「ギリアス・オズボーン……」
二人の登場にトワは息を飲み、アッシュとクロウは目を細めてオズボーン宰相を睨んだ。
「やれやれ、千客万来だな。しかも招かれざる者ばかりとは。」
「……”黒のアルベリヒ……”いいえ――――――フランツ・ラインフォルト。」
自分達を見回して苦笑しているアルベリヒをアリサは真剣な表情で見つめながら呟いた。
「ああ、来ていたのかね。イリーナ会長とクルーガー嬢も甘い。とっとと実家に連れ戻せばよかろうに。」
「ッ……!ふざけないで!イリーナ会長って何よ!?貴方は母様をそんな風には―――――」
興味なさげな様子で自分に視線を向けて答えたアルベリヒに対してアリサは怒りの表情で声を上げたが
「クク、だから言っただろう。”それ”は私ではないと。君とて同じだ――――――アリサ”嬢”。まあ、遺伝的な繋がりはあるがね。」
「………………っ…………」
「アリサ………」
アルベリヒの非情な答えを聞くと辛そうな表情で唇を噛み締め、その様子をフィーは心配そうな表情で見つめた。
「フフ、ここまで来て皇太子殿下を正気に戻した事は称賛に値しましょう、殿下。――――――とは言っても詰めが甘いのは相変わらずですが。」
「アハハ、ちょうどいいタイミングに間に合ったようだね!」
不敵な笑みを浮かべたオズボーン宰相がオリヴァルト皇子に話しかけるとシャーリィがその場に現れた!
「君はクロスベルの時の……」
「血染めのシャーリィ(ブラッディシャーリィ)――――――ううん、”紅の戦鬼”……!」
シャーリィの登場にアンゼリカとフィーは表情を引き締めた。
「フフ、希望があるからこそ絶望は深いと言いますからな。まずはこの場における希望を摘み取るとしましょうか。――――――ちょうど、他の者達も到着したようですしね。」
苦笑していたアルベリヒがゾア=バロールを顕現させた後オリヴァルト皇子達の背後からそれぞれ現れたクレア少佐達とゲオルグ達に気づくと不敵な笑みを浮かべた。しかし――――
「あれ?なんかみんなこっぴどくやられた様子に見えるんだけど?」
「何だと……!?」
クレア少佐達がそれぞれ手負いの状況であることに真っ先に気づいたシャーリィは首を傾げ、シャーリィの言葉を聞いたアルベリヒが驚くとオリヴァルト皇子達に気づいたクレア少佐達は立ち止まってオリヴァルト皇子達と対峙した。
「宰相閣下!?それにレクターさん達もその様子からすると、そちらにもメンフィル軍による援軍が……!?」
「クソッ、やっぱりそっちも同じ状況かよ!?」
それぞれに気づいたクレア少佐は悲鳴を上げ、クレア少佐の言葉を聞いてすぐに状況を理解したレクター少佐が厳しい表情で声を上げるとそれぞれの背後から特務支援課、プリネ隊、鉄機隊が現れた!
「ハッ、追いついたぜ――――――って、シャーリィ!?」
「それにオズボーン宰相と”黒のアルベリヒ”も……!」
「どうやらちょうどいいタイミングでオリヴァルト殿下達と合流できたようですね。」
クレア少佐達と対峙したランディは不敵な笑みを浮かべたがシャーリィに気づくと厳しい表情で声を上げ、オズボーン宰相とアルベリヒを見つけたエリィは真剣な表情で声を上げ、ティオは静かな表情で分析し
「――――――無事皇太子殿下を取り戻すことができたようですね、ミュラーさん、オリヴァルト殿下。」
「はい……!それにしてもまさか子爵閣下すらも退けるとは、腕を上げられましたね。」
「フン、勘違いしないでくださります?この”私”がいるからこそ、”光の剣匠”も退かざるを得なかっただけですわよ!」
正気を取り戻した様子のセドリックに気づいたオリエは静かな笑みを浮かべてミュラー達に話しかけ、オリエの言葉に答えたミュラーの称賛を聞いたデュバリィは鼻を鳴らして堂々と答え、デュバリィの答えを聞いたその場にいる多くの者達は脱力した。
「おいおい……メンフィル軍どころか特務支援課まで放蕩皇子達に協力してここを襲撃したのかよ…………競売会とクロスベル解放の”貸し”の”利子”代わりに退いてくれと頼んでも聞いてくれねぇんだろ?」
ロイド達を見たレクター少佐は疲れた表情で溜息を吐いてロイド達に問いかけ
「湿地帯の時にも言ったはずです。貴方から受けた”借り”は貴方達全員を殺すつもりでいたセリカさんに見逃してもらうことと、警察である俺達も貴方達を逮捕せず無事にクロスベルから去る事を見逃す事で”全て返した事を。”――――当然、”利子”もそれらに含まれていますよ。」
「というか絶体絶命の状況を助けてもらっておきながら、”利子”まで要求するとかどこまで厚顔無恥なのよ……!」
レクター少佐の問いかけに対してロイドは真剣な表情で答え、ユウナは厳しい表情で指摘した。
「おのれ……!ついに我が工房にまで土足で足を踏み入れたのか、忌々しき想定外共が……!ゲオルグ、それにガウェイン!貴様らがいながら何をやっている!?クルーガー嬢もたかが警察如きに退くとは、それでも”執行者”かね?クロスベルで無様な死を遂げた”道化師”といい、”盟主”がいなくなれば役立たずばかりの集団に落ちぶれたようだな、結社は。」
「そんな他人事みたいに言うけどね……認めたくはないけど今は”僕達が追い詰められている状況だよ。”」
「想定外は彼らだけではない事が判明した為、そちらと合流して戦況を立て直す為に一端退かざるを得なかったのだ。」
「想定外は今この場にいる方達だけではなく、リィン様達もですわ――――――!」
一方プリネ達を憎悪の表情で睨んだアルベリヒはゲオルグ達を貶し、アルベリヒの言葉に対してゲオルグは厳しい表情で、ガウェインは静かな表情で答え、そしてクルーガーが厳しい表情で警告の答えを口にするとリィン率いる”灰獅子隊”、レン率いる”灰獅子隊”がそれぞれの背後から現れてその場に駆けつけた!
「リィン……!」
「へっ、ちょうどいいタイミングで合流できたようだな!」
「ふふっ、全員集合だね♪」
リィン達の登場にアリサとクロウは明るい表情で声を上げ、未来のキーアは微笑み
「皇太子殿下……!?よかった………ご無事で………」
「クルト……それにアルフィンやリィンさん達も助けに来てくれてありがとう。」
「ふふっ、実際にこうして顔を合わせて話すのは内戦勃発前以来になるわね。」
セドリックを見つけたクルトは安堵の表情を浮かべ、セドリックは口元に笑みを浮かべてリィン達を見つめ、アルフィンは苦笑していた。
「再会の話は今はそのくらいで中断して、目の前の障害の対処に集中しなぁっ!」
「――――ここに到着する直前に”外”の部隊に連絡を取った所、後20分前後でこの工房に突入できるとの事です!」
「という事は後20分くらいここで耐えればいいんですね……!」
「ハッ、わざわざ耐えなくてもこっちの数が圧倒的に多いんだから、いっそ数の差で押して連中をまとめてぶっ潰した方がいいんじゃねぇのか!?」
フォルデはアルフィン達に忠告し、ステラはトワ達にある事を伝え、ステラの言葉を聞いたトワは明るい表情を浮かべ、アッシュは不敵な笑みを浮かべた。
「黙って聞いていれば好き勝手なことばかりを囀る愚か者達が…!それほどの大言を吐くならば、お望み通り”圧倒的な戦力差”というものを教えてやろう!」
一方アルベリヒは怒りの表情で声を上げた後指を鳴らした。
「何………?何故、人形達が現れない……!?」
「あ~、ここを警備している人形達の援軍は期待しない方がいいと思うよ~。さっきその人形達がシャーリィを襲ったから、多分”殲滅天使”あたりの仕業なんじゃないかな~。それとここを警備していたはずのニーズヘッグの人達も全然みかけない所を見ると、その人達にみんなやられたんだと思うよ~。」
しかし何も起こらない事にアルベリヒが困惑しているとシャーリィが疲れた表情で答え
「”殲滅天使”――――――いえ、仔猫のハッキングによって警備の人形兵器達が無力化されるどころか、私達が”敵対象”として認識されてしまったという事ですか……!」
「つまりこちらの援軍は封じられたどころか、向こうの援軍にされてしまったという事か。」
「ありえない……この工房をハッキングした上、人形達の認識すらもハッキングするなんて……!」
シャーリィの話を聞いてすぐに事情を察したクルーガーは厳しい表情で推測を口にし、ガウェインは静かな口調で呟き、ゲオルグは信じられない表情でレンを見つめた。
「――――――アハハハハハハハハッ!大正解♪ねえねえ、今どんな気分?遥か昔から築き上げてきた自慢の工房がハッキングされた上、”黄昏”が起こった時に備えて遥か昔から造り続けた兵器達が無力化されるどころか、自分達を脅かす”敵”になった事に♪」
「小娘が――――――ッ!!」
そしてレンは声を上げて笑った後小悪魔な笑みを浮かべてアルベリヒを挑発し、レンの挑発に対してアルベリヒは怒りの声を上げて憎悪の表情を浮かべてレンを睨み、その様子を見たその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「うふふ、予想通りの反応、ありがとう♪これから貴方の事はギルバート、ヨアヒムに続く”三下キャラ”として三下三号さんと呼んであげるわ♪」
「か、仮にもずっと昔から世界の裏で暗躍していた組織の長を”三下キャラ”呼ばわりって、幾ら何でも相手の事を舐めすぎているんじゃ………」
「というかユウナさんも”仮にも”という言葉を使っている時点で既にアルベリヒを”格下”扱いしているのですが……」
「でもあの人、あんな軽い挑発に本気で反応するって意外と沸点低いよね~?」
「まあ、彼にとっては遥か昔から綿密に練った計画が想定外の出来事や存在によって狂いまくっている状況ですから、あんな風になったかもしれませんね。」
アルベリヒの反応を見て更にアルベリヒを貶したレンの発言に再びその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ジト目になったユウナにエリナは苦笑しながら指摘し、シャマーラの疑問にセティは苦笑しながら答えた。
「……………………ッ!!」
一方ユウナ達の言葉を聞いたアルベリヒは反論や怒りの声を上げたかったが、それをしてしまえばまさに自分は”沸点が低いという愚かさ”を示す為憎悪の表情を浮かべてユウナ達を睨んで必死に唇を噛み締めていた。
「ったく、これじゃあどっちが悪党かわかんねぇぜ。」
「アハハ、レンちゃんのそういう所も相変わらずだねぇ。」
「ホント、リウイ陛下と師匠という両親、そしてプリネさんという姉がいながら、何であんな性格になったのかしらね……」
「ううっ、返す言葉もありません……」
その様子を見ていたアガットは呆れ、アネラスは苦笑し、疲れた表情で呟いたシェラザードの言葉を聞いたプリネは申し訳なさそうな表情を浮かべた。
「フフ、”余興”のつもりが”我々を追い詰める状況”に陥らせるとはさすがはメンフィルと言うべきか………昔とった杵柄………遠慮なく振るえそうだな。」
するとその時オズボーン宰相は不敵な笑みを浮かべた後異空間から巨大な漆黒の魔剣を召喚して構えた!
「……!?」
「あの剣は……火焔魔人のものとも違う!」
「まさか―――――ミリアムさんの剣と同じ!?」
オズボーン宰相が手に持つ剣の異様さにすぐに気づいたガイウスとエマは驚き、心当たりがあるアルティナは信じられない表情で根源たる虚無の剣とオズボーン宰相の剣を見比べた。
「……製法こそ異なるが似たようなものだと言っておこう。我ら地精を統べる主人のみが持つことが許される無銘の大剣……さすがは伝説と謳われた――――――」
そしてアルベリヒがオズボーン宰相の剣について説明した後得意げな表情を浮かべて何かを説明しかけようとしたが
「アルベリヒ。……今はまだ留めておけ。」
「これは失礼―――我が主よ。」
オズボーン宰相に制止の声をかけられると説明を中断し、そして転位魔術を発動してシャーリィ達を転位させて合流したリィン達とオリヴァルト皇子達を包囲する位置に転位させた。
「さてと……そろそろ始めるとしますか。」
「編成はどうするの、リィン。」
「遠慮なく指示をしてくれ。」
オズボーン宰相達を見回したクロードは不敵な笑みを浮かべ、エーデルガルトとディミトリはリィンに指示を仰いだ。
「来い――――――メサイア、ベルフェゴール、アイドス、ユリーシャ!!――――ロイド!クレア少佐とシャロンさんの相手は引き続き、”特務支援課”に任せてもいいか!?」
「ああ、任せてくれ!――――――頼む、ルファ姉、ギレゼル!!」
「ハッ、ついでに色々と縁があったかかし男も俺達が相手してやるよ!出番だぜ――――――エルンスト!」
「お願い―――メヒーシャ!!」
「来てください――――――ラグタス、ラテンニール!!」
指示を促されたリィンはメサイア達を召喚した後ロイドに確認し、リィンの確認にロイドは力強く答え、ランディは不敵な笑みを浮かべてレクター少佐の相手も担当する事を答えた後それぞれが契約している異種族達を召喚し、エリィとティオも続くようにそれぞれが契約をしている異種族達を召喚した。
「えええええっ!?ロ、ロイドさん達までリィンやプリネ皇女殿下みたいに異種族の人達を……!」
「そ、そういえば昨日の会議の時にもロイドさん達もリィン達みたいな使い魔がいる事は言っていたが、まさかあんなにいたなんて……」
「天使に悪魔の連中もそれぞれから感じられる霊力の強さからして相当な使い手でしょうに、ベルフェゴール達みたいな化物じみた霊力の持ち主であるあの大剣持ちの異種族は恐らく”魔神”の類でしょうね。」
「フフッ、今の私達にとっては心強い味方でもあるね。」
召喚されたルファディエル達を見たエリオットは驚きの声を上げ、マキアスは信じられない表情でロイド達を見つめ、セリーヌは目を細め、アンゼリカは口元に笑みを浮かべた。
「くっ……特務支援課にも”叡智”を含めた”協力契約を交わしている異種族”がいる事は情報局の情報で知ってはいましたが、まさかこのタイミングで叡智達を加勢させるとは……!」
「ったく、ただでさえたった3人の俺達に対して倍以上の人数を揃えている癖にそこに5人も増やして俺達をタコ殴りにするつもりとか、それが”警察”のやる事かよ!?」
「新たに現れた異種族の方達の中でも大剣を持つ少女の姿をした存在を特に注意してください……!あの人物は5人の中でも”別格”の使い手ですわ……!」
一方ルファディエル達の加勢に自分達が更に劣勢になった事を悟ったクレア少佐は唇を噛み締め、レクター少佐は疲れた表情で声を上げ、クルーガーはラテンニールに視線を向けて二人に警告した。
「リィン隊メンバーは俺も含めてオズボーン宰相の相手を!エーデルガルト、ディミトリ、クロード、アイドス、鉄機隊は”光の剣匠”の相手を!アルベリヒとゲオルグにはフェルディナント先輩、ローレンツ先輩、ドロテア先輩、ユリーシャ、プリネ隊が相手を!リシテア、ドゥドゥー、イングリット、レン皇女殿下、メサイア、ベルフェゴールは紅の戦鬼の相手を!神気――――――合一!!」
「イエス・コマンダー!!」
「ええ!」
「お任せを!」
「はい!」
「うふふ、任せて♪」
リィンは次々と指示を出した後”慈悲の女神の力”を解放した姿になり、リィンの指示に対してメンフィル軍のメンバーはそれぞれ力強い答えを口にし、アイドス達もそれぞれ返事をした後それぞれが相手をする相手と対峙した。
「みんな!わたし達もリィン君達と協力して迎え撃つよ!」
「おおっ!!」
それを見たトワもアリサ達に号令をかけ、アリサ達もそれぞれが相手をする者達とメンフィル軍や特務支援課と共に対峙し
「へっ、煌魔城の時以来の共闘だなぁ、リィン!”剣鬼”とやらの実力で、俺達を楽させてくれよ!」
オズボーン宰相の相手をする紅き翼側のメンバー――――――トワ、アンゼリカ、アッシュ、セドリック、アネラスと共にオズボーン宰相と対峙したクロウは口元に笑みを浮かべてリィンに話しかけ
「ハハ……そちらこそ、”C”としての実力を隠していたトールズの時のように手を抜かないでくれよ。」
「………なるほど。リィンさん達の話にあった通り、確かにフォルデ先輩と似ている方ですね。」
「そうか~?戦いが楽になるんだったら、誰でもそっちの方がいいと思うぜ~?」
クロウの言葉を聞いたリィンは苦笑しながら答え、二人の会話を聞いて静かな口調で呟いたステラの言葉を聞いたフォルデは首を傾げながら答えた。
「ふふっ、”八葉一刀流”を修めている兄妹のリィン君とエリゼちゃんと一緒に戦う事になるなんて、不思議な縁だね、エリゼちゃん!」
「ええ………今回の戦いに限っては、同門の弟子同士として、よろしくお願いします……!」
アネラスに微笑まれたエリゼは苦笑した後微笑みを浮かべて答え
「フッ、この戦いを終えて無事に帰還したら、トワにティータ君、ティオ君、そしてレン皇女殿下とも一緒に可愛がらせてくれたまえよ、アルティナ君♪」
「……言動からしてどう考えても不埒な事になると思われますので、この作戦を終えたら絶対に貴女には近寄りません。」
「――――――」
「ったく、敵の本拠地で敵の幹部勢揃いの状況でもブレないとか、ホント突き抜けたパイセンだぜ。」
口元に笑みを浮かべたアンゼリカの言葉に対してアルティナはジト目で答え、クラウ=ソラスは謎の機械音を出し、その様子を見ていたアッシュは苦笑していた。
「えっと……皇太子殿下まで戦われるのですか……?」
「その……大丈夫なのでしょうか?特に今から戦おうとしている相手は皇太子殿下が尊敬されていた……」
一方セレーネはセドリックも戦う事に困惑し、エリスはセドリックに心配した表情で声をかけ
「お気遣い、ありがとうございます。ですがこれは僕の”ケジメ”でもあるんです。兄上のように宰相閣下――――――いえ、”宰相”のやり方に疑問を抱かずに信じ続けた結果エレボニアを今の状況に陥らせたアルノール皇家の皇太子としての責任を取る為にも………!」
「セドリック…………少し見ない内にたくましくなったわね。」
「ふふっ、さすがは双子だけあって、転んでもただでは起きない所はまさに姫様とそっくりですわね♪」
「幾ら何でもその発言は皇太子殿下に対して不敬だと思うんだが………ヴァンダールの剣士として……そして貴方の”友”として、こうして一緒に戦える事を嬉しく思う―――”セドリック”!」
二人の心配に対して答えたセドリックが見せた覚悟を見たアルフィンは目を丸くした後微笑み、静かな笑みを浮かべて答えたミュゼの言葉に呆れた表情で指摘したクルトは真剣な表情でヴァンダール家の役目が解かれる前まで呼んでいたセドリックに対する呼び方でセドリックの名を呼び
「クルト………ハハ、僕も君と肩を並べて戦える事を嬉しく思うよ。」
クルトの言葉を聞いたセドリックは目を丸くした後口元に笑みを浮かべた。
「フフ………それでは見せてもらおうか――――――トールズの若獅子達と”黒の史書”にすら描かれていない想定外たる存在――――――メンフィルの”力”を。」
リィン達を見回したオズボーン宰相は不敵な笑みを浮かべて得物をリィン達に向けて言葉を口にした。
「総員――――――これより目標の迎撃を開始する!!」
「イエス・コマンダー!!」
「おおっ!!」
そして神剣アイドスをオズボーン宰相に向けたリィンの号令を合図にリィン達はそれぞれの相手との戦闘を開始した――――――!
後書き
え~今回の話でお気づきと思いますが、レンちゃんによってアルベリヒがめでたくギルバート、ヨアヒムに続く三下キャラに認定されましたwwそして次回は原作よりも明らかな戦力過剰メンバーによる戦闘ですwとはいっても実際に書くのはオズボーン戦だけなのですが(オイッ!)次回の戦闘BGMは原作通りだと思ってください♪
ページ上へ戻る