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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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ロックマンZXA
  第四十五話 飛行艇の追跡

 
前書き
主人公交代です。

でも所々でヴァンは出てきます…と言うか出したい 

 
ある国で起きたセルパン・カンパニーの暴挙から四年の年月が経過し、世界は大きく変化を起こそうとしていた。

ある場所では一人でイレギュラーを狩り続ける真紅のアーマーを纏い、破壊神の力をイレギュラーに振るうヒューマノイドの青年。

ある場所では大型の飛行艇で、そのメンバーと共にある物を探しながら戦う青の英雄と赤の英雄の力を持ったヒューマノイドの女性。

ある場所では高みから暴動を起こす人々を見下ろしながら嫌悪しながらも己の理想の成就を目指す風の四天王の力を持つヒューマノイドの青年。

ある場所ではかつての屈辱を晴らすために過酷な特訓を続けながら、故郷であった滅びた祖国に眠る仲間や家族達に花と酒を手向ける炎の四天王の力を持つヒューマノイドの女性。

ある場所では愛する海に身を任せながら、年々深刻化している海の汚染とそれを気にしようとしない人々への怒りを募らせていく氷の四天王の力を持つレプリロイドの少年。

ある場所では自身を裏切って瀕死の重傷を負わせた仲間の生き残りを発見し、全て始末して無表情から狂喜の表情を浮かべる影の四天王の力を持つレプリロイドの青年。

そしてロックマン達の戦いに介入しながら見つめる二人の少年と少女。

この時の騒動をきっかけに世界は大きく変化することとなる。

一隻の飛行艇が、離れた場所を飛んでいる飛行艇を追い掛けていた。

飛行艇の中にはハンターの一人がミッションの始まりを待っており、そして一人の青年が入ると仲間達に確認を取る。

「さて、お前達!準備はいいな?」

青年…かつてのハンター見習いの少年だったニコルが聞くと、興奮した青年が前に出てきた。

「まだ違法ハンター共の飛行艇は見えてこないのか?こっちはウズウズしてんだ!」

その言葉通りに青年…かつてのハンター見習いの少年だったラザラスが熱くなっていた。

「そう焦るなって、今のうちにミッションの確認をするぞ。依頼主はかの有名な連合政府・レギオンズだ。世界を治めるお偉い様が俺達ハンターギルドに依頼を申し込んできた。お前ら、ライブメタルって知ってるか?」

「人の魂を喰らう呪われた石…って噂なら聞いた事あるけどな」

荒唐無稽な噂話程度ならかつてのハンター見習いの少年だったレッドも聞いたことがある。

「ハッ、そりゃ傑作だ!確かレギオンズがそれに凄え賞金をかけてたな」

確かライブメタル一つにつき、レギオンズがかけた賞金は百万ゼニーと言う大金である。

「そのライブメタルがとある遺跡から見つかったらしい。ハンターギルドに入っていない違法ハンター共が勝手に掘り起こしたそうだ。そのライブメタルを取り返し、レギオンズ本部に持っていくのが今回のミッションだ」

「お宝の話はそれぐらいでいいだろ?さっさとおっ始めようぜ!今度こそアッシュより先にお宝ゲットしてやるんだ!…で、アッシュの奴はどこだ?」

ラザラスが周囲を見渡すと、自分達を引っ張る存在であり、自分にとってライバル的存在である同期の少女が見当たらない。

尤も、ライバルと思っているのは彼だけでありアッシュにとってはただの暑苦しい同期くらいにしか思っていないのだが。

『あー、あー…オホン。落ち着きたまえ!諸君!!』

ニコル達の通信機から聞こえてくる少女の声に全員の意識が通信機に回る。

「この声は…アッシュか?お前、今どこにいるんだ!」

通信機越しから聞こえてくる風の音からアッシュはどうやら甲板にいるようだ。

場所は甲板へと変わり、愛用の銃であるレーザーショットを握りながら風を浴びていた少女…。

かつてはハンター見習いだったが、現在では一流のハンターとして成長したアッシュがからかうように口を開いた。

「何か熱くなっちゃってる奴がいるからねー、外で涼んでたのよ。そろそろお宝を載せた違法ハンターの飛行艇に追い付く頃よね。ついでだからアタシ、このままお宝ちゃんと対面してくるわ」

飛行艇が違法ハンターの飛行艇の真上を飛ぶと、アッシュは下から様子を見る。

『おい、アッシュ!ずりぃぞ!フライングかよ!たまには俺にも出番をだな…って、聞いてるのか!?大体お前はいつもいつも一人で勝手に行動してんじゃねえか!!』

「うーん……ビンゴ!さて、それじゃあ張り切って参りますか!!」

ラザラスの怒声を無視して着地出来る飛行艇を発見し、腰のホルスターにレーザーを納めて甲板から飛び降りる。

普通なら落下死の危険があるが、約束通りに一流のハンターへと成長したアッシュはこれくらいのことは朝飯前である。

狙った飛行艇に着地するように体を動かして他の飛行艇をかわしていき、見事に甲板に着地した。

「こちらアッシュ。飛行艇との接触に成功~っと。お宝ちゃんの位置情報をよろしく」

アッシュの報告を聞いたニコルは溜め息を吐きながら返答した。

『全く…お前って奴は…お宝はずっと先、先頭の飛行艇にあるはずだ。俺達もすぐ後を追う、調子に乗ってしくじるんじゃないぞ!』
 
「あんた達も気をつけてね。さあ、ミッションスタートよっ!」

腰のレーザーを取り出して飛行艇の甲板を駆け出すアッシュ。

アンカーによって飛行艇が繋がっているので、それを足場にして次の飛行艇に向かうとそこには人型メカニロイド・ガレオンが徘徊していた。

「……!?こちらアッシュ。ちょっと、レーダー何してるの?イレギュラーがいるじゃない」

『野生化したメカニロイドの船も紛れてるってことか!そいつらもライブメタルを狙ってんのかよ!?』

「みたいね、みんな気をつけて。今回は競争率高そうよ」

通信機から聞こえてきたラザラスの言葉にアッシュは同意するとレーザーを構えてイレギュラーにショットを放った。

放たれたショットは的確にガレオンの頭部と胸を撃ち抜き、破壊する。

幼い頃はレーザーのショットの反動もあって使いこなせなかったが、成長と特訓によって片手でも正確な射撃が出来るようになった。

「どんなもんよ!」

襲い掛かるメカニロイドを物ともせずにアッシュはリフトに乗り込んで次の飛行艇に着地し、先頭の飛行艇へと急いでいくが…。

「ん?」

自分を巨大な影が覆い、上を見上げると土偶を彷彿とさせる大型メカニロイドが攻撃を仕掛けてきた。

「ふーん、雑魚の癖に図体がでかいじゃない。」

不敵な笑みを浮かべて近くのリフトに乗り込んで迎撃するアッシュ。

「生憎あんたみたいなメカニロイドとはね、嫌ってほど戦ってんのよ!!」

メカニロイドのビームの発射口である目を集中的に狙うとメカニロイドは煙を噴き出し、最後には大爆発を起こした。

そして爆発に巻き込まれないようにリフトから飛び降りたアッシュは目的の飛行艇に着地した。

「到着…っと!さーて、お宝ちゃんはこの中かしら~?」

飛行艇内部に侵入しようとするアッシュだが、先客がいた。

紫を基調としたアーマーに自分の背丈ほどの大鎌を持った少年…プロメテだ。

「何だ…またライブメタルに集る蝿が増えたか…邪魔だ…雑魚は失せろ」

「へえ…このアッシュ様を雑魚呼ばわりなんて、大きく出たわね。見たところ、ハンターってわけでもなさそうだけどアンタもライブメタルが狙い?」

「金目当ての貴様らハンター共と一瞬にするな。ライブメタルは貴様らには過ぎた代物だ。大人しくここで死んでおけ」

「おっと!そうはいかないぜ!」

「やっと追い付いたぜ!俺もパーティに混ぜてくれよ!」

「何だ…こいつは…ハンター…いや、イレギュラー…なのか?」

アッシュにようやく追い付いた同期の三人がバスターを構えながら現れた。

「みんな気をつけて!こいつ、ただ者じゃないわ!」

「フンッ…鬱陶しい奴らだ。良いだろう…冥土の土産に覚えておけ、俺の名はプロメテ…そしてこれがライブメタルの力を操る者…ロックマンの力だ!」

鎌を構えてアッシュ達に突撃するプロメテ。

そして一方では、ある施設に向かっていた片割れのパンドラもプロメテのエネルギーが増したことに気付いて上を見上げる。

「プロメテ…?」

そして場所は違法ハンターの飛行艇の甲板に戻り、プロメテの一撃を受けたアッシュはギリギリで急所を外しながらも勢い良く吹き飛ばされた。

「あうっ!」

「ほう、他の雑魚共よりはマシな動きをするじゃないか。だが、それでも俺からすれば雑魚と変わらんがな」

他のアッシュの同期達は既に倒されており、アッシュも立てるだけの体力を失っていた。

「少し楽しませてもらった礼だ。この一撃で消し飛べ!!」

鎌を大上段に構えてアッシュに振り下ろそうとするプロメテにアッシュは目を閉じたが、何者かが間に入ってプロメテの鎌を受け止めた。

「簡単に諦めるんだな?一流で世界一のハンターになるんじゃなかったのかアッシュ?」

聞こえてきた低い声に目を開くと、そこには真紅のアーマーと腰にまで届く金髪が特徴的な青年が立っていた。

「…ヴァン!!」

「久しぶりだなアッシュ…ふん!」

アルティメットセイバーを勢い良く振るってプロメテを弾き飛ばすと、アッシュの方を振り返る。

「ヴァン、どうしてここに…」

「相変わらず呼び捨てと敬語なしか…まあ、その辺は俺も似たようなもんだし…イレギュラーが上でわらわら集まってたからな…イレギュラー狩りに来たんだよ。そしたら君がやられそうになっててな。大きくなったなアッシュ…個性的な頭がそのままだったからすぐに分かったよ」

「個性的な頭って…ポニーテールなんて珍しくないし女の子に言う言葉じゃないでしょ!?」

「久しぶりだな、モデルOのロックマン。相変わらずイレギュラー狩りに精が出ることだな。遥か昔のイレギュラーハンター気取りか?」

「そうかもな、プロメテ…お前もここにいるとは好都合だ。ここで決着をつけるか?…アッシュ…そいつらを連れて逃げろ。良いな」

「お宝をゲットしたらね!そしたらこの飛行艇の小型艇か何かで逃げるわよ!」

「させるか!」

同期三人を運びながら飛行艇内部に侵入しようとするアッシュにプロメテが妨害しようとするが。

「邪魔はさせないぞ、行け!アッシュ!!」

「ありがと!ヴァン!!」

ヴァンがセイバーで斬りつけることでプロメテの妨害を阻止する。

「チッ…まあいい。奪われたライブメタルなどすぐに取り戻せる。少しの間だけ楽しもうじゃないかぁ!!」

ヴァンとプロメテが同時に駆け出してセイバーと鎌の光刃が激突し、そしてお宝のライブメタルを回収したアッシュは違法ハンターの小型艇を奪って脱出した。

「死なないでよ…ヴァン…それにしても…結構ギリギリだったわ…自動操縦に切り替えて、座標を…これ…で…」

座標を近くのハンターキャンプに指定した直後に限界が来たのかアッシュは気絶してしまった。

ヴァンとプロメテは近くの飛行艇を飛び回りながら何度も高速で動き回ってぶつかり合う。

イレギュラーの飛行艇がある施設の真上を通り過ぎようとした時、事情を察したパンドラが思わず呟いた。

「プロメテ…やりすぎ…」

そして戦闘の影響で落下したと思われる飛行艇のコンテナが施設に落下した。

「……っ!」

それを見たパンドラは急いで施設内に入っていく。

コンテナが落下した場所には複数のカプセルがあり、その中央には一際大型のカプセルがあった。

カプセルには一人の少年型のレプリロイドが眠っていたが、落下の衝撃で少年のカプセルのケースが破壊され、少年とカプセルを繋いでいたコネクターが外れた。

そして床に倒れた少年は目を開くと、赤く染まっていた瞳が翡翠色となる。

そして滅茶苦茶になった部屋と散乱するコンテナの中身と思わしき様々な武器。

「…これはっ…!?一体…何が起きたんだ…!?……ここは…どこだ…?…僕は……誰だ…?……駄目だ…何も思い出せない…」

頭を抱える少年に突然、少年の背後にパンドラが出現する。

「き、君は…!?」

「私は…パンドラ……グレイ……あなたを処分する……」

稼働している少年…グレイを見てパンドラは計画の邪魔になると判断して処分することに決めた。

「グレイ…?それが僕の名前なのか…?処分って…いきなりどういう事だよ!?」

出会ったばかりのパンドラにいきなり処分の宣告を受けたグレイは困惑する。

「あなたは…私と同じ…ロックマンの一人…でも……目覚めが早すぎた……まだ…マインドコントロール…済んでいない…」

「ロック…マン…?マインドコントロールって…!?僕に一体何をしたんだ!?」

「………」

パンドラは無言で杖を構えて電撃をグレイに放つ。

「うわっ!」

「失敗作は…処分する…」

突然の攻撃に吹き飛ばされて尻餅をつくグレイだが、コンテナから散乱している武器の一つが足元にあることに気付いた。

「…この武器…使える…!うわああああああああ!!」

バスターショットを拾ってパンドラに向けてショットを放つが、弾は容易く弾かれ無力化される。

しかしグレイはその隙を突いて、その場を走り去る。

「はあ…はあ…!僕が失敗作だって…!?何だよ…何なんだよ!とにかく出口を見つけなきゃ!このままじゃ…殺される……!!」

出口を求めて通路を駆けるグレイ。

そして外に出たのは良いものの、大型メカニロイドの襲撃を受けて滝に落ちることとなる。

こうして新たな物語が始まりを迎えた。 
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