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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第四十四話 四人のロックマン

 
前書き
次でZXAです。

そして主人公交代です 

 
アッシュと言う少女との出会いとモデルVが複数存在したと言う衝撃の事実から更に一年後。

ここ一帯のイレギュラーを狩っていた時、ガーディアンベースから通信が入り、その内容は数日前にガーディアンの研究所からモデルH、モデルF、モデルL、モデルPが何者かに盗まれたということであった。

「新年早々に何やらかしてるんだお前は?」

『うう…返す言葉もございません…』

『面目ない…』

エールとジルウェの呻くような声にヴァンは溜め息を吐いた。

「まあいいさ、俺も探してみるさ。ここのモデルVを破壊したらな…」

通信を切ると目の前にあるモデルVを見つめ、そしてアルティメットセイバーを構えるヴァンだったが。

背後から見覚えのあるソニックブーム、氷龍、火炎弾、クナイが飛んできた。

「これは…」

「不意を突いたと言うのにかわしたか。プロメテの奴が言っていたイレギュラーのロックマン…どんな奴かと思えばアタシと同じくらいの奴じゃないか」

現れたのはどこか見覚えのある装備をした四人。

最初に口を開いた少女が構えているのはナックルバスター。

恐らく彼女はモデルFのロックマンだろう。

他の三人も形状が異なるが、間違いなくモデルH、モデルL、モデルPのロックマンだ。

「その姿…モデルH達のロックマンだな」

「正確なる認識…我が名はヘリオス…風のロックマン・モデルH」

「アタシはアトラス。炎のロックマン…モデルFの適合者だ。」

「僕はテティス。氷のロックマン…モデルLの適合者さ」

「コードネーム・シャルナク。闇ノロックマン・モデルP」

「なるほど、ガーディアンの研究所からモデルH達を盗んだのはお前達か」

「正確には違うんだよね。僕達はこのライブメタル達をプロメテ達から受け取っただけさ」

テティスからそれを聞いたヴァンは納得するが、モデルH達から何の反応もないことに気付く。

「モデルH達からの反応がないのを見ると…意識を封じているな」

「ライブメタル共はアタシ達に反抗するんでな、意識を封じることで力のみを使っている」

「そうか……今すぐライブメタル達を返せ。そうすれば痛い目に遭わせずに帰してやるぞ…お前達もわざわざ痛い思いはしたくないだろ?」

低く冷たい声で言うヴァンの言葉を挑発と受け取ったのかシャルナクを除いた三人が顔を顰めた。

「大いなる傲慢…我々四人を同時に相手にして勝てると思っているのか?」

「ヘリオス、そして残りの奴にも良いことを教えてやるよ。相手との実力差が分からないようじゃ…早死にするぞ」

「言ってくれるな!」

アトラスがダッシュしながらのナックルバスターでのパンチ…メガトンクラッシュをヴァンに直撃させる。

「(手応えはあった)」

モデルFのパワーは四天王モデルの中でもトップクラス。

如何に頑強な相手だろうと当てれば相当なダメージは免れないが…それは普通の敵が相手だった場合だ。

「アトラス、お前のそれは勇気でも何でもない。ただの無謀な馬鹿だ」

「なっ!?がはっ!?」

何事もなかったようにヴァンは拳を握り締め、アトラスの腹部にオメガナックルでの強烈な一撃が入った。

何かが砕けるような嫌な音がし、勢い良く壁に叩き付けられて動かなくなった。

「まず一人。次に殴られたいのは誰だ?…と…もういたか」

「ギッ!?」

突如何もない空間に裏拳を繰り出すと、闇に潜んでいたシャルナクの顔面にエネルギーを纏った拳が叩き付けられ、モデルPの大型バイザーが砕け散ってシャルナクの顔が露になる。

「背後から襲い掛かるならせめてもう少し気配の消し方を覚えてこいよ」

とどめの蹴りを繰り出してアトラスと同じように壁に叩き付けた。

「ダメージ…超過…戦闘続行…不…可能…」

ダメージによって意識を失うシャルナクを見て、テティスは表情を引き攣らせた。

「ちょっと、アトラスとシャルナクがあっさりとやられちゃったけど…」

「…恐るべき力…これが破壊神と呼ばれたロックマン・モデルOの力…やむを得んテティス…力を貸せ」

「そうだね、一対一じゃ勝てそうにないからね」

いくら敵対関係とは言えアトラスとシャルナクがあっさりと打ち負かされたことにヘリオスとテティスはタッグを組んで戦うことに。

「タッグを組んで戦うか、それくらいのことは考えられるようだな」

ヘリオスとテティスが同時に襲い掛かる。

モデルHとモデルLの本来の適合者であるだけあってエールが使っていた時と比べて素の能力は高いように感じる。

無論オーバードライブが使えないために瞬間的な攻撃力は低くなっているだろうが。

両手にエネルギーを纏わせてヘリオスのダブルセイバーとテティスのハルバードによる攻撃を捌いていく。

「(他はともかくモデルHは特にエールが使っていた時より変化が激しいな。プラズマサイクロンの射程距離とホバーによる滞空時間が長くなっている)」

「(大いなる屈辱…!私とテティスが同時に攻撃を仕掛けても顔色一つ変えんだと!?)」

「(確かプロメテから聞いた話だとモデルOの主な武器ってセイバーとバスターじゃなかったっけ?こいつはどっちも使っていない…完全に手を抜かれてる…!!)」

「アースクラッシュ!!」

二人の攻撃を屈んでかわすのと同時に地面に拳を叩き付けて衝撃波と瓦礫がヘリオスとテティスに直撃して怯ませる。

「どうした?二人がかりでこの程度か?」

「愚者が舐めるな…!プラズマサイクロン!!」

「出てこい!フリージングドラゴン!!」

二つの電気を纏った竜巻が上下に放たれ、テティスは見覚えのある氷龍を召喚してきた。

ヴァンはまずダッシュで竜巻をかわして氷龍を殴り砕くと、ヘリオスに殴りかかる。

「くっ!」

ヘリオスは上空にエアダッシュすることでそれをかわす。

しかしそれはヘリオスの敗北を数秒遅らせたに過ぎなかった。

「はっ!!」

「がっ!?」

ダブルジャンプでのアッパーカットが炸裂し、ヘリオスを叩き落とす。

「終わりだ!!」

「うあっ!!」

そのままヘリオスにダッシュストレートを叩き込んでテティスを巻き込んで壁に叩き付けた。

「お前達の持つモデルH達は俺の仲間でもある。返してもら…」

ヘリオス達から奪われたライブメタルを力ずくで取り返そうとした時、モデルVが反応を起こして近くの採掘用のメカニロイドと同化した。

「メカニロイドと同化しただと!?」

メカニロイドと同化したモデルVは削岩機を動かしながら部屋を飛び出す。

「チッ!」

あのモデルVを放置すれば大変なことになるため、ヴァンはモデルH達の回収を諦めてモデルVを追い掛けようとする。

「ま、待て…」

「ん?」

声に反応して振り返ると、そこにはモデルFの回復機能によって何とか意識を取り戻したアトラスだった。

「何故…とどめを刺さない…」

「見てないのか?あのモデルVを放置すれば大きな被害を出す。放っておくわけにはいかない」

「ふざけるな…!アタシ達に…とどめを刺す価値もないと言いたいのか!?…ぐうっ」

痛む腹部を押さえて呻くアトラスを見遣りながらヴァンは背中を向けた。

「悪いな、また会えたら相手をしてやるよ。次はモデルH達を返してもらう」

「っ…くそおっ!」

そのままダッシュ移動で去るヴァンを見て、アトラスは拳を地面に叩き付けた。

そしてある場所ではプロメテとパンドラが会話をしていた。

「四人のロックマンが敗れたわ…」

「ふん、当然の結果だな。ライブメタルを手にして日が浅い連中では奴には勝てん」

「プロメテ…勝てないと分かっていて…何故行かせたの?」

「人が強くなるにはある感情が必要だ…憎しみ…そして憤怒。ただライブメタルを渡してそれで終わりはつまらないからな…このゲームを楽しくするためにしてやったのさ」

後に力不足を痛感したヘリオス達はこれより長い特訓期間へと入ることになる。

本格的なロックマン同士による戦争も間もなくである。 
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