剣の世界の銃使い
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決闘・後
前書き
新キャラ登場です。
これから地味に関わっていくキャラになると思います。
では、どうぞ!
結果だけいえば、ヒースクリフの勝利。実際、終始二人は互角の戦いをしてたが、最後にキリトが守りを捨てて攻めに出た。それをヒースがプレイヤーの限界を超えるような速度で捌ききり、ディレイ中に止めを刺した。といった結末だった。
もう決闘も終わり、観客席に残っているプレイヤーもまばらだ。
「惜しかったですねー、キリトさん」
「おうよ、あと一歩ってところだったのにな!」
「そういえば、この場合どうなるんだ?」
キリトが勝ったらアスナさんの一時ギルド脱退。じゃあヒースが勝ったら?ってのは聞いてなかったな。
「キリトの奴がKOBに入るんだってよ」
「へぇ・・・・あいつがギルドにか」
今までずっとソロだったあいつがギルドにねぇ。いや、あれ以来・・・か。
アスナさんが抜けて戦力低下どころか、キリトが入って戦力増強してるじゃねえかよ・・・。流石ヒース、抜け目がない。
「これまでギルドに入ってないクロノが、やっとギルド入りか・・・」
「ギルドに入ってないって言うんだったら、お前もだろうが」
「そうだぞ、レイト!お前もどっかのギルド・・・いや、俺らのところに来い!」
実際、70層を過ぎた辺りから、ソロでの攻略は難しくなってきているのは、感じてきている。だけどなぁ・・・。
「俺はソロじゃないし、必要であればこいつの力も借りてるから問題ないっての。そもそも、俺は攻略にあまり興味がない」
「こいつ呼ばわりって酷くないですか、先輩。まあ、先輩も私もギルドに入ることは無いですよね」
俺らが藍椿に入っていたことをクラインは知っているので、それ以上は追及せずあっさりと引き下がった。さてと、そろそろ引き上げますかね。
「あ、先輩、ちょっといいですか?」
「ん?構わんけど、どうかしたか?」
「いえ、さっきのデュエルの最後の奴なんですけど、なんて言うんでしょうか・・・違和感、そう、殺人ドールを使ったかのような動きしてませんでしたか?」
「それ、知ってる人にしか伝わらんだろうに・・・、まあそんな感じはしたが、それだけヒースの反応速度が速かったってことじゃないのか?」
「うーん、それもそうですね・・・それじゃあ、お店の方あるんで、私もそろそろ帰りますね」
「俺もだ、今日はありがとな、レイト」
先に店持ちの二人が帰っていった。クラインもギルドメンバーとの約束があるらしく、その後すぐに別れた。
その後、ダイゼンさんを捜しながらコロシアムの内部をうろうろと歩き回ってると、見知った姿を見かけた。あちらもこっちに気づいたらしく、来て話しかけてくる。
「よいっすー、レイト。この前ぶり」
この男はハルヤ。KOBに入っている攻略組の一人であり、俺がKOBの手伝いに行ったときによくパーティを組んでいる、ギルド内でも特に仲が良い奴だ。レベル、戦闘スキルも共に高く、実力も信用できる。それでもって、性格も飄々としていながらも、親しみやすいためギルドの中でも上位に近い。
「ああ、今日は全員オフなのか?」
「いんや、このイベントの主催とか色々の手伝いで俺は仕事中だ。別にあとは片付けだけだし、暇してのも事実だけどな」
「そっか。よかったな、KOBとしては。戦力増えるぞ?」
「んー、ビミョーかな。正直副団長との相性はいいんだろうけど、それ以外がね、ほら、彼女人気あるしさ」
「あー、なるほど・・・」
確かに、アスナさんに憧れて入ってきたメンバーとは諍いありそうだな。変な軋轢生まれなきゃいいんだが。
「それを何とかすんのが俺らの役目なんだけどね。団長はボス攻略以外任せるの一言だし、副団長も今回に限っては当事者だしさ。ここだけの話、幹部組でもあんまり良く思ってない人いるんだよ、これが」
「そうなのか?・・・で、ハルヤはどう思ってるんだ?」
「俺?俺は強い人なら大歓迎かな、彼の実力はボス攻略では見てるしね。でもまあ、正直言うと自分のパーティに入れたくないかな」
「へぇ・・・」
ハルヤが否定的な意見を出すのは珍しい。が、仮にも自分の命をあずけるのだから、こういう事では冗談を言わないのもわかっている。やはり協調性の面は大事か。
「あー、そう言う意味じゃなくて、彼と俺らのパーティでのスタイルは違うからって事」
「あ、そっちか、なるほど」
彼のパーティは普通の攻略組で基本となっているパーティ編成とはだいぶ異なる。普通は壁役は2・3人のところを4人入れ、がっちりと周りを固め、残りを威力が高い重武器を持った奴らで一気に殲滅する。これを基本としている為、どちらかというと、マップ攻略というよりはボス攻略のような役割で重要視されている。
「その点、レイトはバッチリだと思うんだけどな、どうよ、やっぱウチ来ない?」
「何度も言うけど、断るよ。手伝いならいくらでもするから」
「そっか、ま、別にいいけどさ」
そのまま、入りたくなったらいつでも言ってくれと言って、仕事が入ったのかどこかへと戻っていった。ハルトと話しながら歩いている内に、いつの間にかコロシアムの奥まで来てしまっていた。もとの道へ引き返そうとすると、視界の隅に先程から探していた紅白を見つける。
「よ、お疲れさん」
「君か・・・。いいのかね、こんな所まで来て?不審に思われるぞ?」
「そう思われないように、ちょくちょく会いに行ってんだよ」
歩いていた彼の後ろから声をかけ、そのまま彼と歩きながら話を続ける。
俺とヒース、ヒースクリフは結構付き合いが長い。と言うより俺は彼がこの世界の創造者、つまり、茅場晶彦だと言うことを知っている。そうなった経緯や、その後の俺の立場等はいろいろあるのだが、それはまた何れ話そう。
今言いたいことは、それを知って尚、俺らの関係は崩れていないということだ。
「それを言うなら、さっきの捌きは凄かったよなぁ」
「ああ、本当に予想以上だよ、彼は。お陰でシステムのオーバーアシストを使ってしまった」
やはり、あの速度はプレイヤースキルでは無く管理者権限のひとつだったようだ。別にそれが卑怯だとは思わないけれども。どんな状況だったとしても、使えるものは使うのは、当然の事だ。ましてや、使い惜しみで負けるなんて尚更。
「お前は種を明かすまでは負けられないんだろ?ならしょうがないって。てか、これ話してていいのか?周りに誰かいたらおしまいだぞ?」
「問題無いよ。今、私たちの周囲には誰もいないし、話してる事は絶対に聞こえないようにしてるからね」
おおう、流石管理者権限。これまで俺以外にはバレてないんだし、当然と言えば当然かもしれないが。俺が見破ったのも、すごい偶然に偶然が重なってだし。
「だけど、感がいい奴には若干おかしいと思われてたぞ、気をつけろよ」
「そうか・・・肝に銘じておくよ。渡したい物もあるから、また今度本部の方に来てもらえないかな?」
「あー・・・、また出来たのか?今度はちゃんとしたのにしてくれよ?」
「フフフ、今回は君の要望を取り入れてみたから、期待してくれたまえ」
メチャクチャ不安だ・・・。せめて実用性が有るものにしてほしい。前みたいなのは勘弁だ。
「じゃ、こっちも色々準備しとくわ。」
「分かった。と、そろそろ誰か近づいて来るようだ」
俺も索敵をかけてみるが、何も引っかからない。すると、その数秒後に索敵範囲ギリギリの所にマーカーが映る。どんだけ索敵範囲広いんだよ・・・お前。
「君ら一般プレイヤーのスキル熟練度の最高で索敵出来る範囲の1.5倍だよ。君の時だって、気づいてはいたんだがね」
怪訝そうに睨んでいたのに気づいたのか、丁寧に説明してくれる。確かに、それだけあれば気づかれていただろうが。こっちに誰か来るのを見て、話を切り上げる。
「お疲れ様でした団長。おお!レイトはんも一緒でっか」
ちょうど探していたダイゼンさんだった。もともとKOBとは仲が良かったし、決闘後のヒースにねぎらいの言葉をかけていたのだろうと思われて、こんな奥にいても特に不審がられることは無かった。
「ダイゼンさん、今日はありがとうございました」
「いやいや、レイトはんにはいつも助けてもろうとりますし」
二言、三言話すと、まだ色々忙しいらしくまたどこかへ行ってしまった。やっぱ大規模ギルドとなると、色々問題も多いだろうし、まとめるのも大変なんだろう。
「フフ、君もついでKOBにどうだい?ギルメンも歓迎すると思うが」
今日だけで、こんなにもギルドに誘われるなんて・・・なんかの厄日か。
「さっきもほかのメンバーに誘われたが、お断りさせてもらうよ。それに、また違う奴にも言ったが、俺はギルドには絶対入らない」
「藍椿かね?・・・・それを引っ張っていた彼女も、魔王に対抗する《勇者》となりうる素質はあった」
「俺の中では、もう十分ラウ姉は勇者だったさ」
それだけ、俺の中に藍椿は巣食っている。意志を継ぐ、そんな大仰なことは俺にはできないが、せめてラウ姉が目指していたものを忘れない様にしている。
「すまないな、こんな辛気臭い話しにしてしまって」
「構わないって・・・。じゃ、また今度」
これ以上話が過去の事へと進まない内に、俺はヒースと別れた。
後書き
疾輝「作者はとりあえずノーマルノーコンでクリアできる程度の実力だよ」
レイト「てか、この世界にそっちの世界のゲームは存在しているって設定なんだな」
疾輝「まあね、そのほうがいろいろ使えるネタあるし」
レイト「さいですか」
疾輝「でも、東方がVR化したら面白そうだね」
レイト「いや、真面目に怖いだろ。前後左右から降り注ぐ弾幕とか・・」
疾輝「でも、やっては見たいとは思う」
レイト「そうか・・・?ま、俺はごめんだな」
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