ロックマンゼロ~救世主達~
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SS:闘将との一時
レジスタンスベースから離れた場所でルインとファーブニルは模擬戦をしていた。
トレーニングルームでも良いのだが、手加減が苦手なファーブニルは時折ネオ・アルカディアのトレーニングルームを壊しているとハルピュイアから予め聞かされていたルインはベースから離れた場所で息子とのトレーニングを勤しんでいた。
「ウオラアアアアッ!!」
「それえっ!!」
ファーブニルとFXアーマーのルインはどちらも豪腕を誇るパワー型のために互いの一撃が激突する度に地面が衝撃波の余波によって陥没する。
「流石にやるねぇ、ファーブニル」
「お袋も流石だぜ。正直俺様とまともにパワーでやり合える奴なんてあんまりいなかったからよぉ」
好戦的な笑みを浮かべるファーブニルにルインは微笑んだ。
エックスの真っ直ぐな性根を強く受け継いだファーブニルに母親として何となく嬉しくなった。
「まだまだ時間はあるよ、それから一区切りついたらお弁当にしようか」
チラリと隅に置かれているランチボックスに目を遣るルインにファーブニルは大層喜んだ。
「弁当!?流石お袋、用意が良いぜ!」
「簡単な物だけどね!!」
再び模擬戦を再開する二人、しばらくした後にはいくつもの陥没した地面があった。
そして一区切りついたことで日陰に移動して弁当をファーブニルに見せる。
「お弁当、サンドイッチだよ。」
卵とハム、レタスを挟んだサンドイッチ。
ファーブニルは四天王の中でも大柄で、それに見合う量を食べるので時間と量を考えたらサンドイッチになってしまったのだ。
「おー、美味そうだな。んじゃ早速」
ファーブニルは一気に三つのサンドイッチを重ねた状態でサンドイッチに齧りついた。
もしハルピュイアが見ていたら小言確定であったろうが、運良くここにハルピュイアはいない。
「どう?」
「美味ぇー、お袋もっと食っていいか?」
「勿論、どんどん食べてね」
バクバクと美味しそうにサンドイッチを頬張っていくファーブニルにルインはニコニコと嬉しそうに見つめていた。
「あー食った食った…お袋全然食わねえな。レヴィアタンもそうだけどよ」
「私達は同じ戦闘用でもファーブニルとは役割が違うからね。ファーブニルは単体で多数の敵を制圧するために調整されているからエネルギーの補給量は私達よりずっと上なの。ハルピュイアもレヴィアタンも多数の敵を相手に出来ないわけじゃないけれど、やっぱり君に劣っちゃう。まあ、ファーブニルが出来ないことは他のみんなで補えばいいんだよ。ハルピュイアとレヴィアタンの能力なんて正にそれでしょ」
空中の敵はハルピュイアが受け持ち、水中の敵はレヴィアタンが受け持てばいい。
謂わば適材適所と言う奴だ。
「ふーん、そういうもんか?それにしても人間ってのはこんな美味い物食ってたんだな」
「ふふ、ファーブニルとレヴィアタンはいきなり料理出された時、困惑してたもんね」
アルエットに菓子を貰ったハルピュイアを除いて初めて料理と相対した二人は困惑していたのは記憶に新しい。
「今まで俺達は食い物食えるなんて知らなかったしなー。料理なんて人間の面倒臭え補給方法としか思ってなかったぜ」
「…確かにエネルゲン水晶を飲み込むだけで済む補給は早く済んで楽だけど、何だか味気ないんだよねー。私からすればレプリロイド人生の半分は損してると思う。ファーブニルだってエネルゲン水晶の補給じゃ物足りなくなったんじゃない?」
「おう!正直もっと早く知りたかったぜ。」
「ふふ、ファーブニル達がレジスタンスベースにいる間は私が作ってあげる」
「ありがとなお袋。顔は似ててもレヴィアタンとは全然違うぜ」
「レヴィアタンが聞いたら怒るよー?」
「良いんだよ、どうせいねえんだし」
誰もいない荒野にルインとファーブニルの笑い声が響いていた。
「クシュンッ!!」
「どうしたレヴィアタン?風邪か?」
突然くしゃみをしたレヴィアタンにハルピュイアが尋ねる。
「馬鹿言わないで、四天王の私が風邪なんか簡単に引いたりしないわよ…このムカつく感じ…戦闘馬鹿ね」
「くしゃみで分かるの?」
「分かるのよ…嫌なことにね…」
アルエットの問いにレヴィアタンは溜め息をしながら答えると、後でファーブニルを問い詰めて締め上げようと心に誓った。
後書き
ネタが尽きました…何かネタはないものかなー
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