ヘタリア大帝国
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TURN36 タイの提案その十
「何をするにも。子供の頃から」
「ですから私は」
「女王だからっていうのね」
「はい」
こくりとだ。セーラは深刻な顔で母に答えた。
「だからこそ」
「それはいいけれどね。責任感があるのは」
「それでもですか」
「とにかく。セーラちゃんは真面目過ぎるの」
こう言ったのである。
「何時か倒れるわよ」
「だよな。女王さんはな」
イギリスも言ってくる。
「正直なところな」
「祖国さんも言われるのですか」
「ああ、根詰め過ぎなんだよ」
イギリスもだ。セーラはそうだと見ていた。
「だからな。本当にちょっとjはな」
「休むべきですか」
「さもないと倒れるぜ」
イギリスは本気で心配していた。セーラのことを。
「そうなったら元も子もないからな」
「わかっています。ですが」
「とにかくちゃんと寝てな」
そうしてだというのだ。
「後はな。紅茶でもな」
「紅茶ですか」
「ロイヤルミルクティーでも飲むか?」
セーラは紅茶が大好物だ。その代わりコーヒーは嫌いだ。そのセーラの好物を話に出してだ。イギリスはこう言った。
「じゃあ丁度いい時間だしな」
「ティータイムですね」
「三段ティーセット出せるよな」
「はい」
イギリス妹は兄の問いに答える。
「すぐにでも」
「よし、じゃあ今からな」
「ティーセットを出して」
「皆で楽しもうな、女王さんもそれでいいよな」
「はい、それでは」
ティーセットと聞いてはだ。セーラも異論はなかった。
それで紅茶を飲むことにした。それが休息になった。
休息はオフランスでも行われていた。彼等はマダガスカルで舞踏会を行っていた。しかしその舞踏会はというと。
列席者、オフランスの者達は戸惑いを隠せなかった。それで軍服や着飾ったドレスの姿で野外の会場でこう話していた。
「シャルロット様のお考えとはいっても」
「そうですな。まさかこうされるとは」
「現地の者まで招待されるとは」
「夢にも思いませんでした」
「全くです」
戸惑いを隠せないままだ。彼等は話していた。
「こうした舞踏会は貴族の為のものだ」
「若しくは豊かな者のものです」
「オフランスの文化の結晶ですが」
「そこに彼等を招くとは」
「奇想天外ですな」
「いや、全く」
こう言い合い困惑していた。それは彼等だけでなくだ。
現地の者達も同じだった。彼等も困惑しながら話す。
「おい、俺達ここにいていのか?」
「場違いだよな」
「そうだよな。あの摂政さんはどう思ってるか知らないけれどな」
「ここは俺達がいていい世界じゃないだろ」
「どう考えてもな」
こう言い合っていた。それでだ。
双方分かれてそれぞれで集まっていた。舞踏会とはいっても場は二つになっていた。しかしそれでもだった。
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