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開闢せし世界の運命

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5話

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 零士サイド



 次の日だったか。

 最近、オフェリアから話されることが多くなった気がする。ぺぺからもたまに嫌がらせが多くなってるし。どうなってるんだ!?

 俺は内心で叫んでると

「零士、少し良いか」

 とキリシュタリアが俺に話しかける。要件はというと、

「最近、オフェリア・ファムルソローネと仲が良いようだが、彼女の人柄はどうだ?」

「俺からじゃなく、自分から接しろよ・・・・・・全く・・・オフェリアは善良な女の子かな」

 俺は此までの彼女と一緒にいたことで彼女の性格を何気なく理解したので、口にする。

「善良な性格か・・・」

「俺からしたら、彼女は心根が優しい女の子だ。だからこそ、尊くと綺麗に思えてしまった。俺も彼女もAチーム入りできる優れた魔術師であるけども、まだ、思春期な子供さ。まあ、経緯が異なってけど、オフェリアだけは心が許せるのか寄り添える気がするというのが俺の心情だ」

 俺は経歴で、親から見捨てられたことで、一匹狼の性格になってる節があるが、本当は誰かと寄り添いたいというのが叫んでいたのかもしれないな。だけども、キリシュタリアは

「確かに、お前とオフェリアは若い。それは認めよう。だが、お前たちは、この私を上回るものを持ってると私は思ってる。零士は何だって呑み込んでしまう闇を持ちながら、氷の如く冷徹冷酷でもありながら、智謀に満ちあふれ、冷静沈着な人だと思ってる。お前はAチームの中で参謀といった立ち位置にいると考えてる」

「俺は智謀に満ちあふれていないよ」

 俺は自分を過小評価し、謙遜してしまう。

「謙遜はしない方がいい。キミは智謀に長けた魔術師。私たちですら、考えつかない策を講じれる人だと私は思ってる」

 キリシュタリアが俺の智謀を考慮し、賞賛する性格には、俺も参ったという心境だった。俺の価値すらも見いだしまう彼に俺は導いてやらないといけない気がしたと思った。

「まさか、キミがそこまで評価してくれるとは思ってもいなかったよ。だったら、その期待に応えないといけないな。これからも頼むぜ。キリシュタリア」

 俺はフッと笑みを浮かべたら、キリシュタリアも軽く笑みを零したのだった。



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 オフェリアサイド



 コホン(咳払い)



 最近、キリシュタリアさんと零士くんの立ち位置が王と大臣の関係に見える気がする。それには、ペペロンチーノもベリルも同じことを口にしてる。

 話し合いをしてるときも、普通は考えつかないことを口にしたりしてることが多いわね。前にデイビットがこう口にした。

「零士は頭の回転が優れてる。記憶量と情報処理力が俺たちの中でだと、非常に優れてるだろう」

「そうだね。私も同じよ。零士には知識量も多いのがわかる」

 芥もデイビットと同じことを口にしてる。そこにカドックが

「? 零士が非常に優れてるのはわかるが・・・・・・そこまで、彼奴の智謀は良いのか?」

 それには私も同じことを考えていた。デイビットが

「零士は会ったときから、その智謀は発揮されてた。しかも、知識量も相当なものだ。神話、伝承の知識なら零士が随一だ」

「僕も神話とか勉強してるが、零士はそこまでに蔵書量が凄いのか」

「北欧、ギリシャ、中南米、ウルク、中国などの神話も知ってるが、特に彼奴は日本神話が特に知ってる」

「日本神話か・・・僕もあんまり知っていない分野だな」

 カドックも零士の得意分野について知っていなかったようね。私もそうだけど、マシュだって、あまりの凄さに驚いてる感じね。

 でも、零士くんって、私のことをどう思ってるのかしら。



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 零士サイド



 キリシュタリアも大概だな。俺との話し合いをする時はチェスしたいと同義じゃないか。ぺぺもちょっかいかけられるし。ベリルからは面倒を受けられる。自分も兄だ。時計塔に行く前は愚弟の面倒を見ていたから。面倒さが理解してるわ!!

 カドックも根を詰めすぎるな!! たまには息抜きしろよ!! 一回、祖国にあった文化であるラノベなんかを読ませたら、何故か盛況だった。

 だけど、オフェリアからは冷たい視線を向けられることが多くなったけどな。(ちなみに彼女には恋愛もの小説を読ませたら、貌を真っ赤にさせて、逃げ出したのだった。)

 なんか、ゲシュタルト崩壊しそうだな――、うん。



 でも、オフェリアがキリシュタリアと話してるときは、何故か、ムッと心がモヤモヤしてしまう。

 んっ? そういや、よく見れば、たまにオフェリアに目移りしてることが多いな。まさかな・・・・・・。



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 オフェリアサイド



 そういえば、最近、零士が私のことを視てるわね。たまに不機嫌そうな顔してるときもあるし。

 私も私で彼と一緒にいてることが多いわね。

 前にカドックに変なものを渡してるのを視たときはついつい、冷たく当たってしまったけど、彼から渡されたあの小説は・・・・・・。アァ~、思い出すだけで、貌が真っ赤になってしまうじゃない!! もう、零士くんったら、私になんてものを渡すのよ!! あの小説の内容のことを気にしたら、私と彼のことを当てはめちゃうじゃない!? そもそも、私!? 零士くんのことを・・・・・・//////



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 零士サイド



 それから、時が経ち、俺とオフェリアが付き合うことになったりとか、Bチームの選出も決まったりとかでてんやわんやだけど。オルガの奴も大概だな。レイシフト適性がないからって、あんなにきりきりしなくても良いはずなのにな。まあ、そんなの俺たちには関係ないか。

 だけど、それが俺たちの運命を変えるとは思わずに・・・・・・。







 意識だけの世界で俺は誰かに命を救われ、目を覚ました。

 目を覚まして、起き上がり、辺りを見渡しても、誰もおらず、恋仲のオフェリアもいなかった。だけど、一つだけ言えることは俺の背後にいる巨大な存在に戦慄が走ってしまったからだ。

 此奴は何者だ!? 何故、俺を助けた!? それがわからない!?

 俺は内心、動揺を走りながらも、目の前も存在の方に向いたら、其奴は俺にこう話してきた。

『・・・・・・貴様たち二人を・・・・・・待っていた』

 《《貴様たち》》? それは、つまり、俺以外にも誰か生き返らせたということなのか? ここで、俺は数少ない情報から、ある一つの可能性が浮かび上がった。

 もしや、俺以外に生き返らせたのはキリシュタリアか!? 確かに彼奴だったら、生き返らせてもおかしくない。俺はこの時、もう一つの可能性も浮かび上がっていた。

 もし、俺とキリシュタリアだけが生き返ったのなら、オフェリアやカドックたちは既に・・・・・・。少しだけ焦燥に陥るも、俺はすぐに憤りを感じていた。

「フザケルナ。俺とキリシュタリアだけを生き返らせたのか・・・・・・」

 怒りを込めながら言い返すと巨大な存在は

『そう・・・・・・我は貴様とキリシュタリアという奴だけを復活させた・・・・・・我は『異星の神』・・・・・・』

「そうか・・・・・・だったら、俺は復活したくなかった!! オフェリアがいない世界なんて生きてる価値がない!! それぐらいだったら、俺とキリシュタリア以外のAチームの全員も生き返らせろよ!!」

 俺は怒りのままに叫んだら、『異星の神』は困惑もせずに俺にこう言い放った。

『貴様だけはキリシュタリアとは違う意味で特別・・・・・・貴様には・・・・・・日本の世界を任せてほしいが・・・・・・キリシュタリアとは違う代価を払って貰う』

 フッ、代価か・・・・・・良いだろう!

「良いだろう! 話せ! その代価を!!」

 俺は受けて立つ気でいた。代価が――、

『――――――――』
『キリシュタリアを含めた全ての世界の終わりの苦痛と労力を一気に受けてもらう。死ぬことが大前提だが・・・・・・貴様以外のAチームの全員の命は保障しよう』
 俺は『異星の神』からの条件を聞いた俺は

「良いだろう。それで乗ってやる」

 この時、既に右眼が艶やかな紅き瞳の『心』の魔眼になっており、代価を承諾することになった。



 その後は、『異星の神』から大令呪(シリウスライト)を頂いた後は、計画が成就するまで、眠りについたのだった。

 この俺の命でオフェリアたちを助かるというのなら、俺は喜んで受け入れよう。鬼だろうと蛇だろうと俺はひねり潰そう。地獄の業火だろうと、六道輪廻の地獄を受け入れるだけの度量はある。食らえるものなら喰らってみるがいい。その時は、貴様を引きずり下ろし、俺たちが天に立つ!!



 俺はそれを胸にしまい込んだのだった。



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後書き
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