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開闢せし世界の運命

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4話

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 オフェリアサイド



 それから、別の日、シミュレーターで戦闘訓練をしてる時だけど、零士の戦闘スタイルを視てるも、彼って一度も本気を出していないみたいに気がした。

 彼のことを知らなかったら、文句を言っていたと思う。彼からしたら、私はどういう人なのかが気になっていた。

 だけど、ついつい、聞きたくなってしまうのよね。



 その後、彼はそのままシミュレーター室をあとして、何処かへ行ってしまったわね。思わず、ついつい、彼が出た方に眼を向けてしまった。そしたら、ペペロンチーノが

「あら? オフェリアったら、零士くんのことが気になるの? もしかして、一目惚れかしら?」

 急に声をかけられて、

「なっ!? 私が彼なんかに・・・・・・!?」

 思わず、貌を紅くなってしまう。

「あら? 図星かしら? いや、良いわねぇ~。若いっていうのは何処までも純粋だから」

「ち、違うわよ!!」

 思わず、声を荒げてしまうのだった。







 それからも私は私なりに彼と話したり、一緒に訓練することにしたけど、見た感じ、何処か本気を出していないのは最初に視たときから同じだったけど、たまに、右眼を向けた疑似ゴーレムが黒き焔によって、燃え尽きたときには、彼が魔眼を持ってるというのは確かね。ノウブルカラーはなんのかしら? ランクも気になるわね。私の遷延の魔眼も『宝石』の魔眼としていわれてるけど、彼の魔眼はどれくらいのランクなのかしら。そこに関しても調べてみないといけないわね。







 さらに日数が経ってから、私は図書館で零士(かれ)の魔眼についての調べ物をしていたけど、なかなか情報が掴まなかったわね。消灯時間も近かったから。廊下を歩いてる途中、シミュレーター室から微かな明りが出ていた。

 でも、この時間帯は誰もいないだろうし。無断使用は禁止されてるはずだから。いったい、誰が・・・。

 思わず、私はシミュレーター室を覗き込んでみた。

 そこにいたのは零士(かれ)だった。



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 零士サイド



 さてと、久しぶりに《《左眼》》の魔眼――|全知にして全能の魔眼《・・・・・・・
・・・》を使うか。この眼を使ったのは、いつ以来かな。そうだな、優雅(愚弟)に家督を譲ったときから使っていなかったな。いや、両親(彼奴ら)がいる前では使用していなかったな。

 だけど、この眼だけは余り知られたくない。輪廻を司るが如く、神如き眼を見せたくなかったからだ。

 俺の目の前にはゴーレムやらゾンビやらの対英霊用のエネミーがわんさかといる中、眼帯を外し、左眼が露わになる。波紋のような模様で、巴模様が入っていて、瞳の色が白銀をしている。

 俺は左眼に魔力を集中させると、俺が左手を前に突きつけた瞬間、風圧によって、吹き飛ばされていく。普通だったら、魔術で風を起こして吹き飛ばしたかのように見えるけど、実際は斥力(・・)によって、吹き飛ばしただけに過ぎなかった。

 次に左眼の視界の外にいるエネミーと入れ替わる。しかも、一瞬にしてだ。

 今のは、『天手力』といって、一瞬にして、任意の空間同士を入れ替わる魔術。予備動作なく、魔力感知できない上に、別の世界、異空間に転移できるんだけど、燃費が悪く、使用しすぎるとガス欠を起こしやすい。なので、定期的に左眼を使った戦闘訓練をしている。本当なら、実戦の中で学びたかったのが、本音だけどな。



 一瞬にして、入れ替わったら、両手を左右に突きつけたら、俺を中心に斥力による風圧が発生し、エネミーたちが纏まって吹き飛ばされていくのだった。



 フゥ~、一通りの確認を終えたな。俺は再び、左眼に眼帯を付け直して、シミュレーターを切り、シミュレーター室を出ようとしたけど、出入口で唖然というかアホ面を晒してるオフェリアがいた。

 って!? まさか!? 最初から視ていたのか!? 内心、動揺が走っていたのだった。



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 オフェリアサイド



 なに!? 今の!? 彼が眼帯を外してるような仕草をしたのは分かるけど、左手を前に突きつけた瞬間に、エネミーが吹き飛ばされていたわよね。もしかして、魔術で風を起こして吹き飛ばしたのかしら。でも、それだったら、突風といったレベルにならないと吹き飛ばされないと思うし。どうなってるのかしら?

 次に、零士(かれ)が、一瞬にして、瞬間移動した!? 転移魔術は未だに解明されていないのに、どうやって!?

 私は数々の疑問が沸き起こっている。そして、最後にエネミーの集団の中から一斉に吹き飛ばしてるところからみても、魔術で風を生み出し、吹き飛ばしてるようには見えないわね。



 そして、ようやく、彼がシミュレーターを止めて、室から出ようとした時には、私は唖然としていたわね。



「・・・・・・視てたのか・・・・・・最初から」

 若干、戸惑ってる彼が口にしたのは、シミュレーター室でしていたことでしょうね。その時の私は唖然としていたから思わず、コクリと頷いてしまう。

 少しだけの時間が経ってから、ようやく、口が動いた気がした。

「えと、シミュレーター室の無断使用は禁止されてるはずだけど・・・・・・」

「アァ、オルガマリー所長とダ・ヴィンチちゃんに許可を貰ってるからな。正確に言えば、マリスビリーの時から許可を貰ってるんだ」

「そ、そう・・・」

 私はそれを聞いて、思わず、無言になってしまう。彼のことを詳しく聞けるチャンスなのに、どう話せばいいのかわからない。そしたら、彼が

「そういや、最近、俺のことを調べてたけど、どういった目的で調べてたんだ?」

 零士はいきなり、そんなことを聞いてくるなんてね。

「実は、貴方のことは時計塔でも有名だったんだけど、実際、視た印象と違っていていたから。私なりに調べてたのよ」

「それで、ヒナコとかに聞いたんだな。何となく理解したよ。オフェリアから視て、俺はどう見えた?」

 零士は自分のことを私なりに視た印象を聞くなんて・・・、

「そうね、最初は不真面目そうな印象だったけど、芥から聞いて分かったの、両親の期待を応えられるように、育ってきた私とは大きく違うということがね」

 私は私なりに零士のことを言ったんだけど、彼からしたら、私はどう思ってるのだろう。

「俺からしたら、キミは肩に力が入ってるのかな、背負いすぎてる気がしたよ。オフェリアって、結構可愛いし綺麗なんだから」

 なっ!? 私が可愛い!? 私が綺麗!? な、なにを、なにを言ってるのよ!? 私が綺麗なんてあり得ない!? 内心、動揺が激しく走っちゃう。

「俺もそうだけど、オフェリアも自分がなにやりたいか考えよう。君のその重みに誰かに背負わせても良いんじゃないかな。お節介だと思うけど、キミも俺と同じAチームなんだ。これからもよろしくな」

 そう言って、彼はシミュレーター室をあとにしちゃった。

 自分がなにやりたいかね。誰かに背負わせるね。フフッ、なんだか、彼からいろんなものを貰っちゃったわね。少しだけ気が楽になった気がするわね。

 その時の私は心から嬉しい笑みを零してた。



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後書き
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