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女装男子×男装女子

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第五章

「私にとっては」
「趣味なんだ」
「もうそうした嗜好なのよ」
「人の嗜好ってそれぞれだけれど」
「私はそっちなのよ」
「男装女装好きなんだ」
「だから」
 顔を赤くさせたままだった、だがそれでも千夏は言うのだった。
「今もね」
「そうなんだね」
「そう、だから」
「その時は」
「私もね」
 是非にと言うのだった。
「そうしてって思うの」
「かなり特殊な嗜好ではあるね」
「女装した勇気君とね」
「男装した千夏ちゃんがだね」
「そうしたことするとか」
 そうしたことをというのだ。
「考えたりするの」
「そうなんだ、けれど」
「勇気君はノーマルよね」
「そうだよ、どうしてもね」
 女装はとだ、勇気は千夏に答えた。
「下着は変えてないから」
「今もよね」
「ボクサーだから」
 下着はあくまでこちらだった。
「ブラも着けてないし」
「そうよね」
「下着まで女の子のものを着けるなんて」
 勇気にとってはだ。
「もう絶対に無理だから」
「そこまでしたら完璧だけれど」
「だから」
「勇気君は男の子だから」
「そこは駄目だから」
 下着まで女の子のものにすることはというのだ。
「本当に」
「そうよね。けれどこれからもね」
「僕には女装して欲しいんだ」
「それと」
 千夏は勇気にさらに話した。
「私も男装してね」
「本当に本格的だね」
「そうして」
「これからもだね」
「今も」
 実際にと言うのだった。
「こうしてると嬉しいから」
「それでだね」
「キスもそれからもね」
 顔は赤くなったままだ、その真っ赤な顔で言うのだった。
「男装して女装してもらって」
「変態みたいだけれど」
「変態でも私男装好きだし」
 今の様にというのだ。
「それで女装してくれた勇気君も好きだから」
「女装した僕が」
「こんなこと言うのって勇気君だけで」
 俯いて声を小さくしての言葉だった、小さくなっていてもそれでも何とか言葉を発そうと努力している。
「勇気君自身がね」
「好きなんだ」
「だから言うのよ、これからもね」
 今度は勇気を見ての言葉だった。
「宜しくね」
「仕方ないな」
 勇気は困っているがそれでも確かな微笑みで応えた、そうして今は二人でデートをしていった。そうして。
 二人はその中をさらに進めていった、そして遂にだった。
 キスから先に進んだ、その時に。
 千夏は勇気に微笑んでこんなことを言った。 
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