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英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
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第51話

~隠れ里エリン・ロゼのアトリエ~

「”ミリアムを見殺しにした事で余計な軋轢を作る原因になるかもしれなかったリィン達に対するせめてもの詫び”として、紅き翼に対する支援物資の引き渡し”って、一体どういう事なんですか?」
「それとセドリックの件についても話し合うとの事だが、一体どういう事なんだい?」
レンの答えを聞いたエリオットは戸惑い、オリヴァルト皇子は真剣な表情で訊ねた。
「レン達メンフィル・クロスベル連合のせいではないとはいえ、今回の戦争関連でリィンお兄さん達は仲間だった白兎を失ったからね。それが原因でリィンお兄さん達とレン達の間に軋轢が生まれて、今後の軍事活動に支障が出る可能性も考えられたから、その”罪滅ぼし”として内戦の時よりも状況が悪くなった”紅き翼”へのある程度の支援を条件に、リィンお兄さん達には白兎の死の件は”手打ち”にしてもらったのよ。皇太子の件は”エレボニア皇族に危害を加えるつもりは一切ないヴァイスラント新生軍”に対する義理を果たす為よ。」
「という事はリィン達とミリアムのお陰で、メンフィル帝国軍はあらゆる物資が不足がちな僕達を支援してくれるんですか…………」
「…………そういえばカレル離宮でクルトは、”メンフィル・クロスベル連合に協力すればいずれ皇太子殿下を救出する機会がある”と言っていたな…………」
説明を聞いたマキアスは複雑そうな表情をし、ミュラー少佐は真剣な表情で考え込みながら呟いた。

「それ以前に何でメンフィルがリィン――――――”大佐”に昇進したとはいえ、自分達が従えている一軍人の為にそこまでしてあげるのよ?」
「幾らエリゼさんがメンフィル皇帝の跡継ぎであるリフィア皇女殿下の専属侍女長を務めている上今回の戦争でリィン君が活躍しているからといって、そこまで特別扱いする事には違和感を感じますね。」
サラとトマスはそれぞれ真剣な表情でレンを見つめて問いかけ
「うふふ、今の”シュバルツァー家”は”公爵家”に陞爵する事が内定している上、将来はメンフィル帝国領になったクロイツェン州の統括領主に任命される予定の貴族なんだから、レン達でも気を遣うわよ。」
「な――――――」
「ええっ!?”男爵家”だったシュバルツァー家が一気に”公爵家”に!?」
「それもクロイツェン州の統括領主に任命される事まで内定しているとは…………」
「幾らメンフィルが”実力主義”とはいえ、まだ数える程しか功績をあげていないリィンや皇帝の跡継ぎの専属侍女長を務めているという理由だけで、そこまで高評価するのよ?」
レンが口にした驚愕の事実に仲間達がそれぞれ驚いている中ユーシスは絶句し、トワは信じられない表情で声を上げ、ラウラは複雑そうな表情でユーシスに視線を向け、セリーヌは困惑の表情で訊ねた。

「…………もしやリィン達”シュバルツァー家”の陞爵にはリィンと婚約関係を結んでいるクロスベル帝国の姫君であるメサイア皇女殿下が関係しているのでしょうか?」
「ま、それも関係してはいるわね。――――――ああ、そうそう。白兎の件で思い出したけど、白兎の死は黒兎にも大きな影響を与えたみたいよ?」
「ミリアムちゃんの死がアルティナちゃんにも…………具体的にはどのような影響が出たのでしょうか?」
アルゼイド子爵の問いかけに答えた後にある事を思い出してそれを口にしたレンの話を聞いたエマは複雑そうな表情をした後レンに訊ねた。
「”白兎の死”によって黒兎は”悲しみ”という感情を抱いて白兎の死に対して泣いたらしくてね。それがきっかけになったのか、今の黒兎は以前の”人形”みたいな受け答えをしなかった黒兎と違って、喜怒哀楽と言った感情をさらけ出しているわ。」
「ミリアム君の死によってアルティナ君が感情を…………」
「あの娘を知っている身としては今の話は信じがたいけど…………どうやら黒兎にとっての白兎の存在は大きかったようね…………」
「…………ミリアムの事だから、そのことを知ったら間違いなく喜んだだろうな。」
「そうだな…………」
レンの説明を聞いたトマスとクロチルダは複雑そうな表情をし、寂しげな笑みを浮かべたガイウスの言葉にユーシスは重々しい様子を纏って頷いた。

「話を戻すけど、リィンお兄さんは”魔神と女神”というメンフィルにとって友好関係を結ぶ相手として非常に難しい相手を二柱も友好関係を結んだのだから、公爵家への陞爵はそれが一番関係していると言っても過言ではないわね。」
「ま、”魔神と女神”ってもしかして、カレル離宮でリィンがメサイアと一緒に呼んだ協力契約を結んでいる新しい異種族の人達の事ですか?」
「つーか、”女神”って、色々な意味で無茶苦茶だな、オイ…………」
レンの説明が気になったアリサは訊ね、クロウは疲れた表情で溜息を吐いた。
「ええ。ちなみにリィンお兄さんもそうだけど、エリスお姉さんやアルフィン卿が以前と比べると明らかに強くなった理由もその人達が関係しているわよ♪」
「…………確かにカレル離宮では人数差による有利があったとはいえ、エリスもそうだけど、アルフィン皇女が”血染め”や”閃撃”相手に優勢だったことは不思議に思っていた。」
「そういえば…………あの時アルフィンは魔術も使っていたな…………」
「ああ…………魔術は異世界の技術なのに、皇女殿下はいつの間に習得されていたんだ…………?」
レンの指摘が気になったフィーは静かな表情で呟き、オリヴァルト皇子とミュラー少佐は考え込んでいた。

「うふふ、そろそろ私の出番みたいね♪」
するとその時ベルフェゴールが転位魔術でレンの傍に現れ
「其方はカレル離宮での戦いでメサイアと共にシャロン殿と”道化師”を圧倒していた…………」
「ちょっ、何よ、その姿!?下着姿じゃない!」
「た、確かに改めて見ると目のやり所に困る恰好だな…………」
「フフ、クロチルダさん以上に色気を感じさせるレディだね♪」
「フウ………あんなあからさまに男を誘っている格好をしている下品な女と私を一緒にしないでもらいたいわ。」
「クソッ、あんな特上の上玉までハーレムメンバーにするとか、あのシスコンリア充剣士のそういう所も全然変わっていね――――――いや、むしろ前よりパワーアップしているじゃねぇか!」
「ア、アンちゃん…………クロウ君まで…………」
ベルフェゴールの登場に驚いたラウラは真剣な表情でベルフェゴールを見つめ、ベルフェゴールの恰好を見たアリサは顔を赤らめ、マキアスは困った表情をし、興味ありげな表情のアンゼリカの言葉にクロチルダは呆れた表情で指摘し、クロウは悔しそうな表情で声を上げ、アンゼリカとクロウの様子にトワは疲れた表情で脱力した。

「見た目に惑わされちゃダメよ!アンタ達も覚えているでしょう?――――――その女が宇宙(そら)から隕石(メテオ)を呼び寄せた術者だって事を。」
「――――――何者じゃ。その身に秘める莫大な霊力(マナ)やカレル離宮で見せたあの超越した魔術の使い手である事からして、ヌシは真の姿を見せたあの”劫焔”のような”魔神”の類じゃろう?」
セリーヌはアリサ達に警告し、ローゼリアは目を細めてベルフェゴールに訊ねた。
「うふふ、私の名前はベルフェゴール。睡魔族の女王種―――――――”リリエール”にして”七大罪”の”怠惰”を司る”魔神”で、ご主人様―――リィン・シュバルツァーの二番目の使い魔よ。よろしくね、ご主人様の元クラスメイトの皆さん♪」
「”七大罪”の一柱じゃと!?」
「な、”七大罪”の”怠惰”を司る悪魔―――い、いえ”魔王”の一柱がリィンさんの使い魔になっていたなんて………!?」
「二人は彼女の事を知っているのか?」
「”魔王”って言っていたけど、あの痴女ってそんなにヤバイ存在なのかしら?」
ベルフェゴールの正体を知ってそれぞれ血相を変えたローゼリアとエマの反応を見たガイウスは二人に訊ね、サラは呆れた表情で訊ねた。

「……”七大罪”とはその名の通り、遥か昔に”人”を罪に導く可能性があると神から見做されてきた欲望や感情のことを指す”大罪”の事で、そしてそんな欲望や感情が具現化し、”人”を堕落させる為に”人”の世界に降臨したと言われている存在が古の魔王――――”七大罪の魔王”達じゃ。」
「ちなみに”七大罪”を示す”大罪”とは”傲慢”、”憤怒”、”嫉妬”、”強欲”、”暴食”、”色欲”、そして”怠惰”で、彼女―――ベルフェゴールさんは”怠惰”の欲望や感情が具現化した”魔王”という事になります。」
「それと”七大罪”の魔王達は他の伝承等で出てくる”魔王”達と比べると”格”が圧倒的に上のはずよ。何せ、”大罪”が具現化した存在と伝えられているのだからね。」
「ええっ!?ま、”魔王”!?」
「しかも”魔王”という凄まじい存在の中でも”格”が圧倒的に上とはな………」
ローゼリアとトマス、セリーヌの説明を聞いて仲間達と共に驚いたエリオットは声を上げ、ラウラは真剣な表情でベルフェゴールを見つめて呟いた。

「”七大罪”……もしかして君はウィル君に力を貸しているアスモデウスさんの関係者なのかい?確か彼女も”七大罪”の”魔神”だったはずだが……」
「ああ、”色欲”?うふふ、別に私達”七大罪”は”関係者”って言うほどお互いの仲が良い訳じゃないけど、”色欲”とは割と話が合うから、”知り合い”って所かしら?」
「アスモデウス……”七大罪”の”色欲”を司るソロモン72柱の一柱ね。」
「し、しかもオリヴァルト殿下の話によると”匠王”に力を貸していると言う事は魔王アスモデウスも彼女―――ベルフェゴールさんのように”人”に力を貸しているのでしょうね……」
ベルフェゴールが”七大罪”の一柱を司る魔神である事を知り、ある人物を思い出したオリヴァルト皇子の質問に対してベルフェゴールは口元に笑みを浮かべて答え。セリーヌは目を細め、エマは不安そうな表情で呟いた。
「…………それにしても何故、貴女程の”超越者”が圧倒的に”格”が下の存在であるリィン君の使い魔になったのでしょうか?」
「うふふ、それは散歩の時にたまたまご主人様が目に入って、退屈しのぎに私がご主人様にしかけた勝負によってご主人様が私を屈服させたからよ――――――”性魔術”の勝負によってね♪」
真剣な表情をしたトマスの質問にベルフェゴールはからかいの表情で答えた。

「”性魔術”、ですか?」
「フム、初めて聞く名の魔術じゃが………もしや、異世界に存在する魔術か?」
「クスクス…………――――”性魔術”っていうのは”性交渉”により強制・契約・精気吸収等複合的な効果な力を得る魔術よ。この魔術は種族問わず”生殖能力を有する対象全てに有効な事”で有名で、レン達の世界で一般的に知られている魔術よ。何せ生殖能力があれば天使や魔族も当然だけど、神すらにも効果があるのだから♪………ここまで言えば”性魔術”の”内容”がどういうものなのか”察する”事ができるでしょう?」
エマとローゼリアの質問に対してレンは小悪魔な笑みを浮かべて答えた。
「せ、”性交渉”って、もしかして………!?」
「今の説明からして、どう考えても”そういう事”でしょうね………」
「ん。要するにあのベルフェゴールって女はリィンに抱かれたって事だね。」
「クスクス、それもリィン君が彼女を”屈服させた”と言っていたから、リィン君は”そっち方面”に関して”技術”や”経験”が豊富か、もしくは相当な絶倫なのでしょうね♪」
「あっのリア充野郎が!今の話から察するに、リィンの野郎はメサイアを含めた他の使い魔の連中とも”性魔術”とやらで契約したんじゃねぇのか!?」
「それどころかエリゼ君達とも既に”そういう関係”なんだろうねぇ。…………それにしても…………クッ…………私も今の話を聞いて、冗談抜きでリィン君に嫉妬してしまったよ…………!あんな多種多様なレディ達を揃えてまさに言葉通り、”酒池肉林”を実現しているのだからね…………!」
「ううぅぅ…………っ!戻ってきたら、その件について一っっっっ杯お説教があるからね、リィン君…………!」
「リ、ィ、ン~~~~~~~!?」
顔を赤らめて信じられない表情をしているエリオットの言葉に続くようにサラは呆れた表情で答え、フィーは静かな表情で呟いた後ジト目でリィンを思い浮かべ、マキアスは顔を真っ赤にして混乱し、クロチルダはからかいの表情で呟き、クロウとアンゼリカはそれぞれ悔しがり、トワは顔を真っ赤にして唸り声を上げ、アリサは膨大な威圧を纏って微笑みを浮かべてリィンを思い浮かべた。

「原理は理解できるが、まさか異世界にはそのような魔術まで存在しているとはの………それにしてもヌシも”女”じゃろうに、よくもそのような破廉恥な話を躊躇う事なく話せるものじゃの…………」
一方ローゼリアは疲れた表情で呟いた後ベルフェゴールに訊ねた。
「うふふ、貴方達人間は生きて行く為に食事をするでしょう?私達”睡魔族”にとっての食事は性行為(セックス)なのよ♪」
「睡魔族の食事が男性と関係を持つ事、ですか………」
「彼女の言っている事は一体どういう事なのだろうか?」
ローゼリアの疑問に対するベルフェゴールの答えを聞いたトマスは表情を引き攣らせ、ガイウスは困った表情でレンに視線を向けて訊ねた。

「レン達”人”は”食事”をして、生きて行く為に必要なエネルギーを取る事は知っているわよね?”睡魔族”の場合、そのエネルギーの取り方が”性魔術”――――つまり”性行為”による男性からの精気―――生命エネルギーの吸収が一般的なのよ♪当然、睡魔族にとっての性行為は”食事”だから、”そう言った方面”に関する羞恥心等はほとんど持っていないと言われているのよ♪」
「なるほどね………要するに”睡魔族”は”サキュバス”の類なのね。アンタのその格好と言い、言動といい、ある意味納得したわ……」
「フフ、そんな種族の王族種相手に、睡魔族にとって”十八番(おはこ)”の勝負に勝つなんて、ある意味驚嘆に値するかもね、リィン君は♪」
レンの説明を聞いてある事に気づいたセリーヌは呆れた表情でベルフェゴールを見つめ、クロチルダはからかいの表情で呟いた。
「サ、”サキュバス”……?何なのそれ……?」
「”サキュバス”とは悪魔の種族の一つで、男性に淫らな夢をみせ、その……夢をみせた男性と”関係”を持って、男性の精気を吸い取る”夢魔”なんです。伝承や文献等ではサキュバスの本来の正体は醜悪な容姿の女性怪物で、サキュバスと出会った男性たちがサキュバスを魅力的に感じる理由はサキュバスが”サキュバスに狙われた男性が理想とする女性の姿を模して夢の中に現れる”からだと言われているのですが……」
「フン、という事はその姿は仮初の姿の可能性があるという訳か。」
セリーヌの答えを聞いた新たな疑問が出て来たアリサの疑問にエマは困った表情でベルフェゴールを気にしながら答え、ユーシスは鼻を鳴らして呆れた表情でベルフェゴールを見つめ
「うふふ、正確に言えば”サキュバス”も睡魔族の一種だから私は”サキュバス”じゃないけどね。ちなみの眼鏡の女の子の言っている事―――私達”睡魔族”の本来の正体がブスだなんて話はデタラメな話で”睡魔族”もそうだけど”睡魔族”のハーフの成人は全員美女で、しかもスタイル抜群なのよ♪」
「フッ、なるほどね。確かに今思い返してみるとリスティさんといい、カーリアンさんといい、カミーリ皇妃陛下といい、”睡魔族”に関係する人達は皆スタイル抜群の美女揃いだったね♪」
「貴様の頭の中には”口を慎む”という言葉がないのか…………!?」
「ったく、要するに睡魔族っていう種族は男なら誰でも腰を振る尻軽女(ビッチ)って事じゃない。」
ベルフェゴールの答えを聞いて酔いしれた表情を浮かべるオリヴァルト皇子の様子にミュラー少佐が顔に青筋を立てている中、サラは呆れた表情で呟いた。

「失敬ね~。私は睡魔族の中でも女王種―――つまり最上級の睡魔族である”リリエール”としてのプライドもあるのだから、下級の睡魔達みたいに男なら誰でも抱かせるって訳じゃないし、”契約内容”の一つとして、”ご主人様以外には抱かせない事”もあるから、一生ご主人様にしか抱かせないつもりよ?」
「…………それでレン皇女殿下の話では彼女を含めたリィンが”契約”を結んだ新たな異種族の存在によって、エリス嬢やアルフィン皇女殿下が以前と比べると明らかに強くなっていると仰っていましたが、まさか先程の彼女の説明にあった”性魔術”とやらがエリス嬢達の力の原動ですか?」
ベルフェゴールの答えにその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アルゼイド子爵が静かな表情でレンに問いかけた。
「大正解♪エリス達は私達とご主人様を交えての”性魔術”によって、ご主人様同様様々な部分が強化されたのよ。魔力や体力の増強は当然として、身体能力や反射神経の上昇、後はアルフィンの場合は元々備わっていた”魔術師”としての才能の開花よ♪」
「クッ…………まさかそんなうらやまけしからん方法による強化方法があるなんて、リィン君ばかりズルいじゃないか!何故、私も混ぜてくれなかったのだい、リィン君!?」
「ア、アンちゃん…………気にするところはそこなの…………?」
「つーか、リィンとも”そういう事”をする事になる羽目になるとわかっていて言ってんのか、コイツは…………」
レンの代わりに答えたベルフェゴールの答えにその場にいる全員が再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中悔しがっているアンゼリカにトワは冷や汗をかいて指摘し、クロウは疲れた表情で呟いた。

「そ、それよりも”性魔術”によってアルフィン皇女殿下の魔術師としての才能が開花したって事は…………」
「アルフィン皇女殿下は既に操を失っているという事になるな…………」
「決して皇帝陛下達の耳には入れるべきではない事実なのは間違いないな。」
「まあ、メンフィル大使館でアルフィン皇女の処分内容を聞いた時に、リィンと既に”そんな関係”になっている可能性も察してはいたけどね。」
「やれやれ…………そのような方法で魔術師になる等、魔女の一族である妾達にとっては色々と複雑じゃな。」
「ひ、人が心配している間に…………!次に会った時に覚えていなさい、リ・ィ・ン~~~~~ッ!!」
表情を引き攣らせたマキアスの言葉にラウラは困った表情で、ユーシスは呆れた表情で答え、フィーはジト目で呟き、ローゼリアは疲れた表情で溜息を吐き、アリサは膨大な威圧を纏って微笑んでいた。
「ハッハッハッ!どうやら私が”叔父”になる日も近いかもしれないね♪」
「…………皇帝陛下もそうだが、皇妃陛下も今の皇女殿下の状況を知れば嘆くか、卒倒するかもしれないというのに、この阿呆は…………!」
一方暢気に笑っているオリヴァルト皇子に対してミュラー少佐は顔に無数の青筋を立てて身体を震わせていた。

「――――――それで貴様は先程”性魔術”によって、アルフィン皇女殿下達が強化され、その過程で”私達”と言っていたな。その中には”女神”を自称している俺達がローゼングリン城で出会った茜色の髪の女や天使の女もだが、”力”を解放したリィンやリィンが扱っていた”剣”も関係しているのか?」
するとその時を気を取り直したユーシスがベルフェゴールにアイドスの事について訊ねた――――――
 
 

 
後書き
ということでここでまさかのベルフェゴール登場、更には本人たちの知らない所でとんでもない暴露がされていますww
 
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