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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十五話 袁紹、軍を挙げるのことその八

「わしも知らんな」
「自分の年齢をかよ」
「まあ二十代後半と思ってくれ」
「私達もじゃ」
「そう思ってくれるようにな」
 二張もその年齢にしておけというのだった。
「実際の歳は知らぬ」
「本人さえ知らん」
「随分いい加減な話だな」
 十三はそこまで聞いて腕を組んで己の首を捻った。
「俺の世界じゃそんなのは流石にないけれどな」
「そういうあんたは幾つなの?」
 孫策が十三に尋ねた。
「結構歳いってる感じだけれど」
「ああ、二十七だよ」
 彼は自分の年齢をしっかりと把握していた。実にあっさりと答えたのである。
「今はな」
「そう、二十七なの」
「老けてるかい?」
「そんな感じじゃないの?」
 孫策はこう十三に返した。
「その外見だとね」
「これでもお嬢には結構言われるけれどな」
「ハッパなんぞ咥えてるからや」
 あかりが十三に言う。
「そのハッパはあれやろが。悪球打ちのあれやろが」
「ああ、あいつな」
「どんなに古いネタやっちゅうねん」
「今も連載してるけれどな」
「はじまったん何時や」
「相当昔だけれどな」
「そやからや。どんだけ古いネタやねん」
 あかりはそのことをやたらと言う。
「ほんまに。古いネタは飽きられるんや」
「じゃあ新しいネタを出せってか」
「そや。ネタは大事や」
 あかりはあくまでそこにこだわる。
「新鮮かつ面白いネタや」
「何かあるか?それ」
「探せばあるのではないのか?」
 甘寧が十三に言う。
「貴殿は見たところそうしたことについての才があるようだしな」
「お笑いってことか」
「うむ、そんな感じだ」
「それ元の世界でも言われてたんだよ」
 十三は少し項垂れながら甘寧に話した。
「困ったことだよ」
「そうは見えへんけどな」
「だからお嬢はそこでいつも突っ込み入れるよな」
「だから言うたやろ。ぼけとつっこみや」
 つまりだ。十三がぼけというのである。
「それでうちは合わせてるんや」
「全く。そんな話ばかりだよな」
「しかしまあとにかく」
 今言ったのは陸遜だった。相変わらず呑気な感じだ。
「こうして皆さんで出陣となりましたね」
「ええ。ただ私達はね」
 孫策がその陸遜に応える。彼女達は今船の上にいる。そうして話すのだった。
「船はあるけれどね」
「馬ですよね、問題は」
「そう。馬がないのよ」
 こう話すのだった。
「それをどうしようかしら」
「馬がなくても充分に戦えるわ」
「そうね、冥琳」
 孫策は笑顔で彼女に応えた。
「戦い方はもう考えてるわよね」
「勿論。それは貴女もですね」
「何となくだけれどね。歩兵は歩兵で戦い方があるからね」
 孫策は笑顔でこう話した。
「さて、袁紹達と合流ね」
「袁術殿もいるな」
 今話したのは孫権だった。
「また訳のわからないことをしなければいいが」
「それ絶対に無理ね」
 孫尚香が笑いながら話す。
「袁術だから。絶対に何かするわよ」
「歌は歌いますね」
「それは確実ですよね」
 大喬と小喬が話す。
「私達に対抗とかして」
「絶対に騒ぎ起こしますね」
「そうよね。あの娘はね」
 孫策は困った笑顔で話す。
「よく言えば天真爛漫だけれど」
「悪く言えば我儘勝手だからな」
 孫権がそこを指摘する。
 
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