恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七十五話 袁紹、軍を挙げるのことその九
「今回も振り回されるか」
「それは想定の範囲内だからね」
孫策はそうしたことは既に考えているというのだ。
「まあ騒ぎに巻き込まれてあげるわ」
「それでいいのじゃな」
「いつものことだからね」
黄蓋にも話すのだった。そうしてだった。
そう話をしてだ。彼女達も合流するそこに向かうのだった。そして袁術もだった。
彼女もまた出陣していた。当然そこに張勲もいる。他の面々もだ。
彼女は馬車に乗っている。そこから隣にいる張勲に話す。馬車の手綱は張勲が握っている。
「のう七乃」
「はい美羽様、何か」
「うむ。何か妙な話じゃな」
袁術は首を傾げさせながら張勲に話した。
「董卓め、わらわ達にあえて謀反を起こさせたしかな」
「思えないと仰るんですね」
「大体じゃ。南蛮を攻めよとか金を出せとかじゃ」
「確かにそうですよね」
「そんなことを次々に言って来てしかも断ったら牧解任じゃ」
「そして都で処刑になると決まってますし」
「そんなことをされたら誰でも謀反を起こすわ」
袁術は主観に基づいてだがそれでもその通りのことを話した。
「今の様にじゃ」
「ですよね。実際にそうなってますし」
「わからん。董卓はあえて戦をしたいのか?」
「かも知れませんね」
張勲もそれを話す。
「私達全員と」
「だとすれば容赦はせぬがのう」
袁術は馬車の中で腕を組んで述べた。
「わらわも」
「戦ですし」
「そうじゃ。戦ならじゃ」
袁術はまた言った。
「何をしても勝つぞ」
「はい美羽様、ただ」
「ただ?」
「今回の討伐軍は連合軍ですから」
「むっ、姉様もおるな」
「盟主は多分袁紹さんになりますよ」
張勲はそれは断る様にして袁術に話した。
「そのことはです」
「仕方ないのう。五州の牧じゃからな」
「その通りです。ですから」
「はい、それでは」
そんな話をした。そしてであった。袁術はこんなことも話した。
「ところ七乃、曹操も来るのじゃな」
「はい、そうですね」
「うむ、また凛に会えるのじゃな」
このことにはだ。満面の笑みになる袁術だった。そのうえでの言葉だった。
「よいぞよいぞ」
「駄目ですよ、美羽様」
「何故じゃ?」
「凛ちゃんは私のものですから」
張勲はにこりと笑ってこんなことを言ってみせた。
「ですから美羽様はもう凛ちゃんとは」
「ば、馬鹿なことを申すな!」
そう言われるとだ。やはり食いつく袁術だった。
「凛はじゃ。わらわのものじゃぞ!」
「あら、そうなんですか?」
「そうじゃ。だからじゃ。七乃といえどもじゃ」
「ううん、美羽様も手強いですね」
「手強いと申すのか」
「ええ。何か」
そしてだった。張勲は笑いながらまた話した。
「黒姫みたいですね」
「むっ、その呼び名じゃがのう」
「御気に召されましたか?」
「妙に納得できるものがあるのう」
腕を組んで神妙な感じの顔になってだ。袁術は話すのだった。
「どういう訳かわからぬが」
「ですよね。中身の関係で」
「また中身と申すか」
「はい、中身です」
張勲は笑いながらこの話を再びする。
ページ上へ戻る