最悪の禍
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第二章
「その通りや」
「はい、それでは」
「まずはな」
「調べましょう」
こうしてだった、二人で今度は現領主のことや街の実情を調べた。勿論領主の政についてもである。
そして調べた結果。
「最初は善政敷いてたけどな」
「それが、ですね」
「急に変わったな」
領主の政そして所業がというのだ。
「街の役人も主なのは全員変わった」
「ならず者達に」
「そうなったけどな」
「領主の方ですが」
ビクトリアは赤い顔で話した、天狗族であり鼻はやや高くその赤い顔と背中の鳥の翼がまさに天狗族のそれだ。
「お名前をニコラエ=チェシフフといって」
「前の領主さんの弟や」
「種族は岩人です」
「そのこともわかったな」
「はい、ですが」
「それがな」
玲子はここで鋭い顔になって述べた。
「この地域にはもう一家有名な岩人の家がある」
「マフィア、それもかなり悪質な」
「キヨハラホフ家や」
「はい、この家ですが」
ビクトリアはこの家について剣呑な顔になって話した。
「どうも」
「この辺りのマフィアも取り締まってる筈やが」
「玲子さんはここに来られた時は」
「そうしたマフィアや盗賊はな」
「片っ端からでしたね」
「倒してた、冒険の時に」
地下世界を旅しつつだ、そうしていたのだ。
「随分とな」
「モンスター退治もして」
「そうしてた、けどな」
「撃ち漏らしですか」
「それやな、この辺りも冒険したけど」
愛が率いる勢力に参加する前のことだ、そうして戦っていたのだ。
「残ってたか」
「こうした連中は減ってもです」
「根絶は出来んか」
「害虫は残ります」
どうしてもとだ、ビクトリアは話した。
「完全にはいなくなりません」
「そういうことか」
「ですからこうした連中もです」
「残るか」
「はい、そしてこの度は」
「領主に化けてか」
「悪事を働いているのでしょう、ただ」
ここでだ。ビクトリアは怪訝な顔になり玲子に話した。
「よく化けられたものですね」
「それはわかる」
「そうなのですか」
「キヨハラホフ家、マフィアの中に」
ファミリ―の彼等にというのだ。
「領主にそっくりの奴がおる」
「それで、ですか」
「後は領主を攫うなり殺して」
そしてというのだ。
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