ある晴れた日に
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697部分:呪わしき美貌その九
呪わしき美貌その九
彼もプレゼントを持っているのを見てだ。また話すのであった。
「歌だけじゃなかったのね」
「プレゼントも買ったの」
「若しくは作ったか」
「そうした」
そうだと。彼は静かに答えた。
「歌も作ってこれもだ」
「負けるな」
春華はそんな彼を見て苦笑いになった。
「あんたにだけはな」
「負けるのか」
「だからよ。うち等あれだぜ」
「そうよ。未晴とずっと一緒だったのよ」
「物心ついた時からね」
春華に続いて他の面々も言ってきた。いつも未晴と一緒だった彼女達がだ。
「それなのにね。あんたは私達以上に」
「未晴のこと想って考えてくれて」
「負けるわ、それには」
「本当にね」
他の面々も春華と同じ顔になって言うのであった。
「それだけのものがあるなんて」
「未晴のことそれだけ想って考えてくれて」
「それなら」
「それならか」
ここで周りに顔を向けて述べた。
「どうだという」
「未晴任せられるな」
「完全にね」
「あの娘をね」
任せられると。はっきりと告げたのであった。
「今までそんな相手いなくて」
「悪い虫を払ったりもしたけれど」
「そんな心配もないわね」
「未晴、あんたがいたら大丈夫だから」
まさにそうだと言っていく。
「だからもう」
「それでいいわ」
「あんたに任せてね」
「そう言ってくれるのか」
正道は五人のその話を聞いて述べた。
「それで」
「だからあんたが今までだって今だって見せてくれてるじゃない」
「そういうのを見たらな」
「やっぱり」
だからこそというのである。それが五人の今の考えであった。
「絶対に未晴幸せにできるから」
「今の未晴も助け出してくれるから」
「あんたならね」
「わかった」
そこまで聞いて、であった。頷いた正道であった。
そうしてそのうえで。また言葉を出してきた。
「それならだ」
「ええ、それなら」
「今から」
「行くか」
男連中がここで言ってきた。
「今からな」
「それで皆で行って」
「プレゼントだな」
誰もがうきうきとしたものを持っていた。そのうえで未晴の部屋に向かう。だがそこに入ると。ベッドの中には誰一人としていなかった。
皆それを見てだ。まず思ったことはだ。
「お母さん?」
「そうみたいね」
五人が言った。未晴の母親が連れ出したと思ったのです。
「じゃあ公園かしら」
「そこじゃないの?」
「けれど珍しいよね」
「そうだよな」
そして次に出た言葉はこれであった。
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