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ある晴れた日に

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695部分:呪わしき美貌その七


呪わしき美貌その七

 この日はツリーを飾り正道の音楽を聴いて終わった。正道だけはいつもの様に残る。一同は病院を後にする。しかしここで恵美がまた感じ取った。
「またね」
「またって?」
「あいつの気配がしたわ」
 こう不審な顔で言うのだった。
「何、これって」
「またなの?」
「けれど」
 恵美はその不審な顔で周囲を見回す。しかし何もおかしなものは見当たらなかった。それも全くである。少なくとも彼女の目にはである。
「いないわね、本当に」
「気のせいじゃないのか?」
「それって」
 周りの面々もそれは否定する。
「何もおかしなところはないし」
「どういうことなの?」
「やっぱり誰もいないな」
「そうだよな」
 彼等も周囲を見回す。しかしであった。
 やはり何も見えずだ。そのうえで恵美に対して言うのであった。
「誰もいないぜ」
「怪しいものもないし」
「なあ」
「別にね」
「やっぱり気のせいかしら」
 恵美もここまで見回してそのうえで述べたのであった。
「やっぱり」
「そうよ」
 明日夢が笑って述べた。
「気にし過ぎじゃないの?」
「そうなの」
「わかったら帰ろう」
「ええ」
 明日夢に顔を向けて応えた。
「そうするわ」
「今日はどうするの?」
 明日夢は今度は皆に問うていた。
「それでだけれど」
「俺の店か?」
 ここで佐々が言ってきた。
「来るか?皆」
「そうね。前は私の店だったしね」
 明日夢も言う。
「じゃあ今度はそこよね」
「だよな。それで俺の料理はな」
「何だ?」
「それで何を出してくれるの?」
「ハンバーグだな」
 それを出すというのである。
「特大のを好きなだけな。それでいいか」
「ああ、ハンバーグか」
「いいわね、それって」
「ハンバーグもお酒に合うしね」
 皆それぞれ言っていく。佐々もここでさらに言う。
「酒はワインがあるからな」
「赤だね」
「ああ、それだ」
 桐生に対しても述べる。
「ハンバーグだからな」
「肉料理だからね」
「肉には赤だ」
 まさにそれだと。絶対の響きを含んだ言葉だった。
「だからだ」
「うん、それでいいと思うよ」
 桐生は彼のその言葉に納得した顔で頷いて述べた。
「それでね」
「そうだな。それで」
「それで?」
「ワインもハンバーグも山みたいにあるからな」
 量も心配ないという。
「池みたいにな」
「つまりあれだね」
 そこまで聞いて述べてきたのは竹山だった。
 
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