ある晴れた日に
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690部分:呪わしき美貌その二
呪わしき美貌その二
「他にもあるよな」
「他にって?」
「七面鳥が必要だろ」
それだというのである。
「それな。焼いたのを持って来るからな」
「おっ、ローストターキー」
「それなのね」
「ああ、それな」
笑顔はそのままであった。
「それ持って来るからな」
「じゃあ七面鳥もゲット」
「他には」
「あとは」
「ワインね」
今度は明日夢が笑いながら言ってきた。
「それもあるから」
「ああ、少年の家ってな」
「居酒屋さんもやってるし」
「それだったら」
「それもいいわね」
春華に凛、静華に奈々瀬がそれを聞いて納得した。
「それじゃあワインはこれで」
「確保できたわね」
「クリスマスの三種の神器は」
「揃ったわね」
「まだよ」
しかしここで茜がそのことを否定してきた。
「それはね」
「それはっていうと」
「まだ何かあったか?」
「さあ」
「クリスマスよ」
茜が言うところはそれであった。
「クリスマスっていえば何よ」
「サンタさんかな」
桐生が答えてきた。
「やっぱり」
「もう一つは?」
「ツリー?」
また答える彼だった。
「それかな」
「そう、それよ」
そのツリーだというのである。
「それがあるからね」
「それはもういい」
ところがであった。ここで正道が皆のところに来てだ。そうして言ってきたのである。
「ツリーはだ」
「あれ、音橋」
「ってことは」
「もう御前が用意したのかよ」
「そうだ」
まさにその通りだという。
「もう買ってある」
「って早いな」
「何時の間に」
「ストリートミュージックの金をつぎ込んで昨日買った」
金の出所も話した。
「それでだ」
「そうか、早いな」
「けれどいいことね」
皆それを聞いて話をする。
「それじゃあツリーも確保したし」
「あとはクリスマス」
「それだけね」
「その日が来れば」
「ああ、そうだ」
ここでまた明日夢が気付いた。
「それだけれど」
「それだけれど?」
「ツリーはどうして入れるかよね」
そのことを言うのだった。
「何時どうしてね。入れるの?」
「そうよね。そろそろかしら」
「それもな」
恵美と佐々がそれぞれ言う。
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