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ある晴れた日に

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689部分:呪わしき美貌その一


呪わしき美貌その一

                    呪わしき美貌
 クリスマスが近付いていた。クラスの中もその話題一色になっていた。
「もう忙しくてね」
「そうね」
 明日夢と恵美がその話をしていた。
「うちのお店も予約とか入ってるし」
「うちもクリスマスの内装になってるわ」
 こう話すのである。
「お客さんも多くなってきたしね」
「大学はクリスマスだしね」
「そうなのよね。山月堂もね」
 咲は嫁入り先の話をした。
「今滅茶苦茶忙しいのよ」
「和菓子屋さんが?」
「何で?」
「だから。洋菓子もやってるじゃない」
 こう怪訝な声を出した皆に対して話す。
「ケーキがあるから」
「ああ、それでか」
「それだとね」
「やっぱり忙しいの」
「ついでにおせちの和菓子の分もあるし」
 それも話すのであった。
「もう両方で大忙しなのよ、毎年」
「お店にとっちゃ年末年始はかきいれ時か」
「そうなんだな」
「そういうこと。だからね」
「毎年この時期は結構忙しいのよ」
 また明日夢と恵美が話す。
「期末テスト終わったらね」
「もう戦闘モードよ」
「じゃあ俺達みたいに今くつろいでっていうのは」
「全然ないのね」
「それはあんたもでしょ?」
 明日夢は佐々に対しても告げてきた。
「そっちも忘年会とかクリスマスパーティーで忙しいでしょ」
「ああ、まあな」
 やはりであった。彼もそれは同じであった。
「実際よ、目が回るぜ」
「やっぱりそうなのね」
「ああ、洒落になってない」
 まさにそうだというのである。
「本当に期末テスト終わったらな」
「どうなんだろうな、それは」
「無茶苦茶だよな」
「全く」
 こう話をする。とにかく家が店の面々はそうであった。
「まあそれでもよ」
「わかってるよな」
 皆ここで彼等に話す。
「あんた達もね」
「竹林へのプレゼントな」
「それわかってるよな」
「勿論よ」
 咲が真剣な顔で答えた。
「それはね」
「じゃあ柳本さんは」
 加山が咲に言ってきた。
「あれ?やっぱり」
「そうよ、ケーキよ」
 それだというのである。
「ケーキを用意しておくからね」
「じゃあケーキは確保できたし」
「他のものを考えていくか」
「そうね」
「おい」
 ここでまた佐々が言ってきた。
「俺の方はな」
「何を用意するの?そっちは」
「クリスマスはケーキだけじゃないだろ」
 笑いながらの言葉であった。陽気な笑みである。
 
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