| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ある晴れた日に

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

671部分:日の光は薄らぎその一


日の光は薄らぎその一

                   日の光は薄らぎ
 また面々がクラスの中で未晴のことについて話をしていた。今は昼休みである。咲達はポッキーを食べながらそのうえで話をしている。
「それでさ」
「今日の贈り物どうするの?」
「お菓子だけれど」
 ポッキーを食べながらそれぞれ言うのだった。咲の机の上にポッキーの箱が置かれていてそこから一本ずつ抜いて食べている。
「何がいいかしら」
「いいの思い浮かぶ?」
「パンケーキ?」
 茜がふと言った。
「それは持って来るのが難しいかしら」
「ちょっとね。難しいわね」
 それはだと返したのは奈々瀬だった。言いながらその茜にポッキーを一本差し出してそのうえで言うのだった。
「はい、どうぞ」
「食べていいの?」
「皆食べていいのよ」
 奈々瀬はにこりと笑って彼女に言った。
「ただし男連中は駄目よ」
「おい、何で俺達は駄目なんだよ」
「そりゃ差別だろうがよ」
「だってあんた達食べたら滅茶苦茶食べるじゃない」
 それが理由だというのである。
「だからよ。駄目よ」
「ちぇっ、それでかよ」
「ったくよ、ポッキーは女限定かよ」
「ケチだな」
「そんなに言うんだったらこれでも舐めてなさい」
 ここで凛が咲の机の上に飴玉を出してきた。ミルク飴である。
「はい、これね」
「ああ、悪いな」
「じゃあ貰うな」
「どうぞ」
 それを勧めもする凛だった。
「一人一個ずつね」
「おい凛」
 その彼女に春華が言ってきた。
「いいのかよ、この連中に飴なんてよ」
「いいのよ。飴今日もたっぷり持ってるし」
 だからいいというのである。そしてそれだけではなかった。
「それにね」
「それに。何だ?」
「飴舐めてたらそれで他のもの食べたいって言わないじゃない」
 このことも考えてのことだったのだ。
「だからよ。それでいいのよ」
「そうか。それでか」
「そういうこと。まあそれでいいじゃない」
「ポッキーは確保されたしね」
 静華はそれをいいとしたのだった。言いながら彼女もついつい飴を手に取ったのであった。
「ちょっと私もね」
「あんたも舐めるの」
「実はこのミルク飴大好きなのよ」
 だからだというのである。言いながらその飴を早速舐めだしていた。
「だからね」
「ああ、いいわよ」
 それをいいとする凛だった。
「皆の分もあるしね」
「まあ私はこれでいいけれどね」
 恵美はこう言ってポッキーを一本手に取って口に入れた。そのままポッキーのその先を持ってそれからチョコレートの方を食べていくのであった。
 そうしてだった。そのうえで言うのだった。
「ホットケーキは持って来るのが難しいから」
「じゃあ駄目なのね」
「ロシアのケーキはどうかしら」
 そしてこれを言ってきたのだった。
「ケーキはケーキでもね」
「ロシアのケーキって?」
「そう、それね」
 それだと茜だけでなく皆にも言ってきた。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧